食事摂取基準393 クロム2

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から微量ミネラルのクロムの欠乏回避の「目安量の策定方法」を紹介します。

〔目安量の策定方法〕
*成人・高齢者(目安量)
献立のクロム濃度を実測した報告から、日本人を含む成人のクロム摂取量は20〜80μg/日の範囲と推定できます。

一方、日本食品標準成分表2020年版(八訂)を利用してクロム摂取量を算出すると、約10μg/日という値が得られ、化学分析による摂取量推定値との間に大きな乖離が認められます。

さらに、同一献立について食品成分表を用いた算出値と化学分析による実測値を比較した場合にも、同様の乖離が認められています。

このように、日本人のクロム摂取量に関しては、化学分析による実測値と、食品成分表を用いた算出値との間に大きな乖離が認められ、正確な数値を推定することは難しくなっています。

実測値と計算値との乖離の理由には、日本食品標準成分表においてクロム含量の記載のない食品が相当数存在すること、あるいは加工や調理においてステンレス製品などからのクロムの混入などが考えられます。

しかし、栄養素も摂取量推定や献立の作成において日本食品標準成分表が活用されていることを考慮すると、日本食品標準成分表(八訂)を用いたクロム摂取量(約10μg/日)を優先するのが現実的です。

以上より、成人および高齢者の目安量を男女とも10μg/日としました。

*小児(目安量)
摂取量に関する十分な報告がないため、目安量は設定されていません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕