食事摂取基準398 モリブデン1

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から微量ミネラルのモリブデンの基本的事項の「定義と分類」と「機能」を紹介します。

〔定義と分類〕
モリブデン(molybdenum)は、原子番号42、元素記号Moのクロム族元素の1つです。

〔機能〕
モリブデンは、キサンチンオキシダーゼ、アルデオキシダーゼ、亜硫酸オキシダーゼの補酵素(モリブデン補欠因子)として機能しています。

先天的にモリブデン補欠因子、または亜硫酸オキシダーゼを欠損すると、亜硫酸の蓄積によって脳の萎縮と機能障害、痙攣、水晶体異常等が生じて、多くは新生児期に死に至ります。

モリブデンをほとんど含まない高カロリー輸液を用いた完全静脈栄養を18か月間継続されたアメリカのクローン病患者において、血漿メチオニンと尿中チオ硫酸の増加、血漿と尿中尿酸および尿中硫酸の減少、神経過敏、昏睡、頻脈、頻呼吸等が発症しています。

これらの症状がモリブデン酸塩の投与で消失したことから、この症例はモリブデン欠乏だと考えられています。

しかし、モリブデン欠乏に関する報告は、この一例のみです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕