「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連について説明しています。その中の脂質異常症と特に関連の深いエネルギー・栄養素の「高トリグリセライド血症」の続き(その他)を紹介します。
〔高トリグリセライド血症〕
*アルコール
アルコールが血清トリグリセライドに及ぼす影響は一定した結論が得られていません。
韓国では、アルコール摂取量との間に正の相関を認める報告があるものの、白人女性で有意な関連は認められていません。
また、中国および香港における観察研究でも、アルコール摂取(10gエタノール/日)と血清トリグリセライドとの間に有意な関連はみられていません。
白人を対象にした研究のメタ・アナリシスでは、アルコール摂取量は血清HDL-コレステロールと血清トリグリセライドを上昇させることが示されていますが、63の介入試験をまとめたメタ・アナリシスでは、両者の間に有意な関連は認められていません。
一方、10〜20gエタノール/日摂取群がそれ未満またはそれ以上の摂取群よりも血清トリグリセライドが低いというU字型(もしくはJ字型)が示されています。
9584人を対象とした研究においても、アルコール摂取量と食後トリグリセライドの関係はJ字型を示すことが、女性において観察されています。
低HDL-コレステロール血症の項で述べたとおり、多量飲酒は心筋梗塞や脳卒中など循環器疾患の危険因子であること、少量摂取による心筋梗塞や脳梗塞への予防効果も否定的であること、脳出血の増加やがん発症などの健康障害リスクを考慮すると、アルコールの摂取は疾病予防を目的とする従来の方針に準じて25g/日以下、またはできるだけ減らすことが望ましいと考えられます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






