食事摂取基準449 糖尿病2

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連について説明しています。その中の糖尿病の「発症予防と重症化予防の基本的な考え方と食事の関連」を紹介します。

〔発症予防と重症化予防の基本的な考え方と食事の関連〕
糖尿病治療の目標は、高血糖の是正を中心に、全身の代謝状態を良好に維持することによって、合併症や依存症の発症と重症化を予防して、糖尿病のない人と変わらない寿命にQOLを確保することにあります。

1型、2型を問わず糖尿病の治療においては、食事療法が良好な血糖値の維持と、その後の合併症の予防の基本となります。

特に肥満を伴う2型糖尿病では、総エネルギー摂取量の適正化を通して悲観を解消することで、高血糖のみならず種々の病態の改善が期待されます。

また、インスリンの作用は糖代謝のみならず、脂質およびたんぱく質代謝など多岐に及ぶことから、食事療法を実践する際には、個々の病態に合わせて、高血糖のみならず、あらゆる側面からその妥当性が検証されなければなりません。

諸外国においても、生活習慣への介入による肥満の是正を重要視して、そのために総エネルギー量を調整して、合併症の発症予防の観点から栄養素の摂取量のバランスを図ることが推奨されています。

しかし、食文化や病態の異なる日本人に対して、海外の観察研究の結果を、そのまま当てはめることは妥当ではありません。

さらに、糖尿病の発症・重症化予防のための適正な栄養素摂取比率に関するエビデンスは乏しく、また肥満患者の増加や高齢化を背景に、国内でも糖尿病の病態や併存する臓器障害が多様化していることから、糖尿病患者に理想となる画一的な栄養素摂取比率を設定することは困難であり、患者ごとの対応が求められます。

本項では、我が国で最も多く、そして、その発症と進展に食事が大きく寄与するとされる、インスリン抵抗性を病態の中心とする成人期糖尿病と食事の関係を主な内容としています。

したがって、1型糖尿病や小児、妊娠、高齢期の糖尿病における食事療法に関しては、それぞれ関わる診療ガイドライン等の参照がすすめられます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕