食事摂取基準461 糖尿病14

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連について説明しています。その中の糖尿病と特に関連の深い栄養素の「脂質」の続きを紹介します。

〔脂質〕
2011年のメタ・アナリシスでは、多価不飽和脂肪酸の摂取量の増加は、HcA1c値の低下をもたらすことが示されています。

日本人の観察研究からも、女性では総脂質および脂肪酸の摂取と2型糖尿病発症との関連は見られないものの、男性では総脂質、一価不飽和脂肪酸、n-3系脂肪酸の摂取が多いほど2型糖尿病の発症リスクが低いことが報告されています。

また、一方で、トランス脂肪酸の摂取量が多いことが2型糖尿病の発症リスクとなる可能性も報告されています。

このように、糖尿病の発症・重症化予防の観点から、日本人における適正な脂質および各種脂肪酸摂取比率を設定する積極的根拠は乏しいのが現状ですが、動脈硬化の原因となる脂質異常症の予防・改善のためには、コレステロールや飽和脂肪酸を多く含む食品の摂取過多を避け、多価不飽和脂肪酸を含む食品の摂取が望まれます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕