食事摂取基準469 骨粗鬆症6

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、生活習慣病とエネルギー・栄養素との関連について説明しています。その中の骨粗鬆症と特に関連の深いエネルギー・栄養素の「カルシウム」を紹介します。

〔カルシウム〕
カルシウムは骨ミネラルの最も重要な構成要素であり、コラーゲンを主成分とする骨たんぱく基質にリン酸カルシウムとして沈着して、骨を形成します。

カルシウムの不足は副甲状腺ホルモンの分泌増加を招き、骨吸収を亢進させ、骨密度を低下させます。

疫学研究のメタ・アナリシスでは、カルシウム摂取量と骨量、骨密度との間には有意な関連が認められており、骨量の維持には十分なカルシウム摂取が必要です。

食事摂取基準においては、骨量を維持するために必要な量として、カルシウムの推定平均摂取量および推奨量が設定されています。

カルシウムの付加による骨密度の増加については、乳製品を用いた介入やカルシウム強化食品を用いた介入が行われています。

閉経女性における乳製品(主に牛乳)を用いた6つの無作為化比較試験のメタ・アナリシスでは、腰椎および大腿骨近位部骨密度増加の効果がみられています。

さらに、サブ解析では介入前の食事由来のカルシウム摂取量が低い国における研究で、その効果がより顕著でした。

一方で、50歳以上を対象とした15の無作為化比較試験をまとめたメタ・アナリシスでは、250〜3320mg/日の補給で、1年の介入では大腿骨近位部および全身の骨密度が0.6〜1.0%、2〜5年の介入で大腿骨近位部および全身に加えて、腰椎、大腿骨頸部の骨密度が0.6〜1.8%、対照群よりも高かったと報告しています。

しかしながら、特に閉経後の女性においては、平均的に1年で約1%の骨密度の低下が見られることから、数年で1〜2%の抑制は、骨密度の低下を抑えるほどの効果にはならないとしています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕