多くの人が乗り合わせる公共交通機関のバスや電車などは、子どもが10人乗っていれば、そのうちの1人は発達障害である可能性があります。
成人の場合は、発達障害の特性があっても、社会的な慣れや仕組みを理解することで、“問題行動”(できれば使いたくない言葉)を起こさないようにする、行動を抑えられないとしても問題と認識されるところまでは行かないということが多くなっていきます。
本人の努力や我慢などによって、周囲に気づかれないことも少なくありません。ところが、社会との関わりが少ない発達障害児(18歳未満)を支援する方々を支援する“伴歩”に携わってきて、いまだにバスの中での対応は遅れていると感じさせられます。
運転手は安全に乗客を運ぶのが重要な役割で、その中には交通事故を起こさないように運転することと同時に、車内の安全の確保も求められています。発達障害児は、思わぬ行動をすることがあり、それが安全に支障をきたす可能性があれば、注意喚起だけでなく、時には叱るような声かけ(アナウンス)があることも理解はしています。
しかし、そのことによって発達障害児本人や家族を傷つけ、それが本人を混乱させ、改善のための発達支援の努力を低下させるようなことにもなるのです。そのようなことを知っておくことが最低限は必要だとは思うのですが、まだ充分に理解されているとは言えないところがあります。
このことは運転手の対応に限らないことで、一緒の空間にいて、同時に移動している人(多くは乗客)の対応を見ていても感じることです。しかし、乗客の理解を求めるところまで急に進めるのは現状では難しいところがあり、これは運転手の理解が第一となります。
そのためには、運転手が所属する交通会社の理解が必要であり、同じ地域の交通会社の同じ理解が進むことによって、優しい地域づくりにつながることだと考えています。
〔発達の伴歩:小林正人〕






