新たに設立する一般財団法人の代表理事を誰にするか、ということで結論が出せなかったことに対して、3人を代表理事にするという荒技が使えたのは、公益法人の制度の検討段階から内閣府の動きを近くで見てきたからです。
しかし、そう簡単に代表理事を3人にするという手は使えるものではありません。
代表理事は権限もあるけれども、一方で責任も同じようにかかってきます。
その3人は国の活動レベルの公益財団法人の理事長を務められてきた方ばかりでしたが、自らの立場や利益のために代表理事でなければならない、ということではありませんでした。
3人の出身が警察、消防、自衛隊のトップで、管轄からみると自衛隊は防衛省、警察は警察庁と都道府県、消防は消防庁と都道府県ということで、自衛隊の出身者が代表理事でもよいと考えられるところです。
しかし、消防は警察の下部組織という時代があったという歴史的な背景がありました。また、警察と消防のトップだった方は、当時は公益財団法人の現職の理事長で、一般への名前の浸透はわかりにくいとしても、国レベルでは相当な著名人でした。
さらに警察の最高官位の警視総監は国家公務員で、その前は警察庁のNo.2だったことを考えると、その方が代表理事でおかしくないはずでした。
初めに一般財団法人の設立で声をかけたのは自衛隊出身の方で、声をかけた順番で言えば、その次は消防出身の方でした。
そのような理屈を、それぞれの出身の周辺の人が言い出すのは、下に見られたくない、事業のために広く声をかけた人への説明がつかないという特別な感情もありました。
どの形にしても、争いの元となりそうだと感じたことから、3人を代表理事とする設立申請をしました。これは定款に記載して、法務局に提出する書類の上でのことであって、法務局の手続きとしての代表は1人に決めないといけないことになりました。
警察出身の方が五十音順(あいうえお順)で3人のうち初めに出てくるので、結局は文書的には警察、消防、自衛隊の順に落ち着きました。
このような落ち着かせ方ができたのは、私自身の以前からの3人との関係性もありました。結局は、そういった関係性が重視されるのが公益活動をする法人のよいところでもあり、また悪いところでもあるというのは重々承知していることです。
〔小林正人〕






