原稿を書いたら“書きっぱなし”というのは、かつてはあり得ないことで、著者は書いたとおりに編集されて、印刷に向かっているのかを確認する「著者校」(著者による校正)は当たり前に行われていました。
著者校なしには出版ができない、著者校に手間がかかったために発行が遅れたということは普通に起こっていました。
著者校は出版前にゲラ刷り(印刷用レイアウト)を確認して、誤字脱字の修正や内容の最終確認を行うプロセスです。校正は赤字入れ(赤いペンで修正指示を記入)するのが通常の方法です。
出版前に編集者とプロの校正者によって完全に間違いがない状態に仕上げていても、著者として内容も最終的に確認してもらうと“赤字が入る”ことはあります。
内容的に間違いでないとしても、原稿を書いたときと状況が変わったということで、これまでにない赤字が入ることもあります。
これを全部受け入れるのではなくて、出版の予定日に間に合わせるということで、著者と編集者でギリギリまで折衝をするということも、どちらかが主張を変えるということも、出版に付きものの“あるあるネタ”の一つでした。
ところが、私がゴーストライターとして経験してきた出版の場合は、どこまでが著者の責任で、どこからが代筆者(ゴーストライター)の責任なのか、著者と代筆者と責任の割合かは、書籍によって違っていました。
代筆者が100%責任を持つというのは、大手出版社で15年間にわたって150冊の原稿を書いてきた中ではなくて、50%を超えることは珍しい感じでした。
ところが、その後の35冊(公式のカウントだけ)では、99%まで私の責任ということもありました。
こうなると私は代筆者なのか、それとも著者なのに他の人を著者として立てているのか、判断ができなくなってしまいますが、書いたものの責任が限りなく自分にかかってくるとなると、それなりの緊張感がありました。
何かが起こったときの後始末の責任も、すべてかかってくるということで、原稿を書いている段階から後始末のことも考えなければならないということも常にあることでした。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






