NPO法人制度は、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災の支援活動をきっかけにして1998年に始まりました。
個人や任意団体のボランティアが延べ130万人以上も全国から駆けつけ、1995年は後に“ボランティア元年”と呼ばれることになりました。
しかし、その支援組織の多くは法人格を持たない任意団体であったために、経済的な支援が受けられない、義援金があっても受け皿となる法人がないために本格的な支援活動ができないといった問題が発生しました。
そこで、これまでとは異なる市民活動の基盤の重要性が認識され、法人の設立のための資本金や税務上の負担、活動の裏付けとなる諸条件の緩和も求められました。
これを受けて1998年12月1日から始まったのが特定非営利活動促進法で、これを契機にNPO法人(特定非営利活動法人)が設立されることになりました。
当時は、NPO法人の所轄は内閣府と都道府県とに分けられていました。事務所が県境をまたいで2つ以上の自治体にある場合(主たる事務所と従たる事務所)は内閣府の所轄、事務所が1つだけの場合(主たる事務所のみ)は都道府県の所轄でした。
2012年からは、所轄は都道府県と指定市に分けられて、指定市(政令指定都市)がある自治体では、事務所が県境をまたいで2つ以上の自治体にある場合(主たる事務所と従たる事務所)は都道府県の所轄、事務所が1つだけの場合(主たる事務所のみ)は指定市の所轄とされています。
これによって、内閣府はNPO法人制度を所管する立場となりました。
内閣府は、公益活動をする法人のうち公益法人(公益社団法人、公益財団法人)の認定機関が主な役割となりましたが、2026年4月から新たな役割が加わりました。
それがタイトルに掲げた「新公益信託制度」で、内閣府は行政庁として公益信託の許可や監督業務を行うこととなりました。
変更点は受託者の範囲拡大、信託財産の多様化、そして認可・監督体制の公益法人制度との一元化です。
従来の公益信託制度では、受託者は信託会社や信託銀行だけでしたが、新たな制度では公益法人やNPO法人も受託者(担い手)になれるようになりました。また、助成金の支給だけでなく、事業の直接実施も認められています。
一本化については、公益法人制度と共通の枠組み・基準のもとに、内閣府または都道府県が行政庁として認可と監督を行うこととなりました。2012年以前のNPO法人の所轄と同様の体制です。
これによってNPO法人の公益活動の可能性が広がり、より公益性が高い事業を実施できる制度が始まったことを伝えるべく、情報発信をさせてもらっています。
〔小林正人〕






