日々邁進:番外14 臨床栄養の後始末 その2

栄養指導をして保険点数がついて収入となるのは医療機関の管理栄養士による栄養指導が行われた場合に限られています。

この制度の設立に動いたのは国立病院出身の管理栄養士で、私が主任研究員として身近に臨床栄養について学ばせてもらった病院栄養管理HDS研究所の所長でした。

治療食に詳しい管理栄養士が栄養指導を行うのは栄養管理の専門家には、よい制度であったものの、栄養学の基本を知らない医師が数多く存在していること、食と健康に関する情報が溢れかえっていて、何を信じればよいのかわからなくなりつつある今の時代に合っているのかというと、疑問のほうが大きくなっています。

そんな中で、自分の健康を守っていくためには、誰の言うことを聞いて、何を信じればよいのかを判断する基準が求められます。それと同時に、知識や実践法として欠けている部分があったら、それを補ってくれる存在が必要です。

医師の中には、本当に栄養学を勉強してきて、栄養と医療を合致させて的確なアドバイスをしてくれる方もいます。

東京で活動をしていた10年前までには、そのような臨床栄養や予防医学などの学会のトップランクにいる医師と親しく付き合ってきました。その存在と活躍は認めるものの、全国各地で、そのような医師の指導が受けられる状態ではありません。

医師が栄養指導をしても保険点数がつかないことが医師の学習意欲を低下させ、それが医学教育の中でも重視されていない原因になっていることが指摘されています。

この解決のために、心ある医師が結集して栄養学を学んでいるのが日本臨床栄養学会であり、もう一つは臨床医と医療機関の管理栄養士・栄養士が一緒に学ぶ機会を提供している日本臨床栄養協会です。

私の臨床栄養学の師匠は、日本臨床栄養協会の設立に動いて、初代の副会長となっています(会長は医師)。日本臨床栄養協会と日本臨床栄養学会の合同の学術大会も実現させ、その内容を機関誌『New diet therapy』(季刊発行)で会員に伝える教育広報も始めました。

その機関誌の取材・編集が病院栄養管理HDS研究所での私の役割の一つでした。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕