エネルギー源は糖質、脂質、たんぱく質だけで、これ以外のものはエネルギー源とはなりません。エネルギー源をエネルギー産生させているのは細胞の中にあるミトコンドリアです。ミトコンドリアは全身の細胞の中にある小器官で、エネルギーを作り出す発電所のような役割をしています。
ミトコンドリアは糸(ミト)粒子(コンドリア)を意味するギリシャ語で、直径1μm(マイクロメーター)のサイズで、1つの細胞には100個から2000個のミトコンドリアが存在しています。
特に多くのミトコンドリアが存在しているのは筋肉、肝臓、脳で、それぞれ20%ほどを占めています。ミトコンドリアの重量は体重の10%ほどで、体重50kgの人では5kgのミトコンドリアがあることになります。
エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)のうち、特に重要となるのは脂質です。たんぱく質は身体を構成し、酵素などの体内に必要な物質の材料となるだけに、エネルギーとして使われるのは相応しくありません。
食品としてのエネルギー量を比較すると、1gあたりでは脂質は約9kcalで、糖質とたんぱく質の約4kcalの2倍以上となっています。それだけ多くのエネルギーを作り出すことができます。
食事によってエネルギー源を多く摂ると体脂肪(脂肪細胞に蓄積される中性脂肪)が増えていくのは、糖質、たんぱく質よりも脂質のほうがエネルギー効率はよく、少ない容量で多くのエネルギーを蓄積しておくことができるからです。
脂肪と一般に呼ばれているのは中性脂肪を指しています。
中性脂肪は1分子のグリセロール(グリセリド)が3分子の脂肪酸を結びつけた構造をしています。中性脂肪は貯蔵型の脂肪で、動物性食品に含まれている脂肪は中性脂肪となっています。中性脂肪は消化液によって脂肪酸に分解されてから吸収されます。
脂肪酸は細胞に取り込まれたあと、ミトコンドリアに取り込まれていますが、そのときには条件があります。その条件というのはL‐カルニチンと結びつくことです。脂肪酸は単独ではミトコンドリアの膜を通過することができず、L‐カルニチンと結合することによって初めて通過することができます。
L‐カルニチンは体内で合成されていますが、年齢を重ねるにつれて合成量が減少していきます。この減少が加齢による代謝低下の大きな要因となっています。
このような情報を伝えることは「予算にない仕事」ではあっても、実は立派な仕事になっているということを次回に紹介します。
〔小林正人〕






