法人の設立日(発足日)に、こだわりがある人は少なくはありません。
その多くは吉日(きちじつ)で、縁起がよい日取りを指しています。
よく選ばれるのは大安(たいあん)、一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)、天赦日(てんしゃにち)です。
大安は、暦の六曜の中で最も縁起が良いとされる、一日を通じて万事において吉の日です。大いに安しという意味があり、時間帯を通じた吉凶がない安定した日です。
一粒万倍日は、一粒の籾が万倍にも実り、立派な稲穂になるという意味があり、何倍にも膨らむとされる仕事などを始めるのに適した日のことです。二十四節気の節目の間の2日で、6日に1回なので、1年で60日ほどあります。
天赦日は、百神が天に昇り、万物の罪を許すとされる日ですが、年に数日しかない最上の大吉日(開運日)とされています。1年で5日前後となっています。
このほかに設立者の誕生日や、後に法人やイベントの記念日とするために語呂がよい日(7月10日:納豆の日、10月2日:豆腐の日など)が選ばれることもあります。
そういった狙った日があっても、設立日は法人登記が完了した日であるので、登記ができるのは法務局が開かれている平日だけに限られます。
これは株式会社、一般社団法人、一般財団法人でも同様のことですが、NPO法人(特定非営利活動法人)だけは狙った日を選択できるとは限りません。NPO法人は所轄庁から認証を受けて、設立認証の通知書を法務局に届出書類とともに提出して、登記が行われます。
その登記日がNPO法人の設立日となります。
通知書が届いた日から2週間以内に法務局で法人登記をすることが定められているので、選択できる日は限られています。
また、NPO法人は法人登記の証明書(履歴事項全部証明書)を所轄庁に、手続きの完了書類とともに提出しなければなりません。法人登記証明書が発行される期間は法務局によって違いがあり、7〜20日と差がある場合があります。
NPO法人の検索サイト(内閣府)には、手続き完了の日が掲載されるので、一般には完了日が設立日と認識されています。
この日を吉日に合わせるのは難しいことがあるため、こだわりの日を選びにくくなっています。
〔小林正人〕






