健康情報学12 「正しい情報を正しく伝える」とサプリメント

「正しい情報を正しく伝える」という健康情報学の根幹について、サプリメントを例にして考えていくことにします。

サプリメント(Supplement)の元々の意味は、追加や補助、補足、補充、補完といったことであり、不足するものを補うといったことで、それは口に入れて補うものに限ったものではありません。

それが「サプリメント=栄養補助」とイメージされるようになったのは、アメリカでは略した言葉がサプリメントだったからで、略する前の名称は「ダイエタリー・サプリメント」(Dietary Supplement)です。

ダイエタリー(Dietary)は「食物の」という意味なので、ダイエタリー・サプリメントは、食物の補助ということで、「日常の食生活では不足する栄養成分を補うもの」と説明されています。

同じ植物であっても、使用される部位によって医薬品と扱われるものと食品として扱われるものがあります。その一例として、よく紹介されるのはセンナです。

センナは、アフリカ原産のマメ科の植物で、葉や果実に含まれるセンノシドには腸の蠕動運動を促進する効果が知られており、便秘を改善する生薬として使われてきました。

センナの部位は果実、小葉、葉柄、葉軸、茎に分類されています。このうち果実、小葉、葉柄、葉軸は下剤にも使われる医薬品の材料となります。茎は、食品の材料の使いとなり、これは健康食品での使用が許可されています。

センナの茎はセンノシドの含有量が少なくて、医薬品と比べると緩やかな改善効果が得られるからです。

食品の扱いとされた製品に果実や葉が一部であっても使われていた場合には、“未承認医薬品”とみなされて、取り締まりの対象となります。

葉に有効成分が多く含まれているというのは、他の生薬系の健康食品でも同じ傾向があります。

例えば、ギムネマ酸という小腸からのブドウ糖の吸収を抑制する成分が含まれるギムネマ・シルベスタの葉は、血糖値対策の健康食品によく使われていますが、原材料によって品質が大きく異なっています。

同じギムネマ・シルベスタであっても産地によって違いがあり、収穫時期でも成分量が違ってきます。最も有効性が高い時期のものであっても、最も多くギムネマ酸が含まれているのは葉先の部分で、どこまでを収穫するかで原材料の価値が違ってきます。

加工法、保存法によっても有効性は大きく変化します。原材料名のギムネマ・シルベスタということは同じであっても、摂取した場合の有効性は大きく違ってくるだけに、「同じ成分が、同じだけ入っていれば、同じ結果」ということは言えないのです。
〔小林正人〕