文部科学省の「初めての通級による指導を担当する教師のためのガイド」には発達障害に関する部分があり、注意欠如・多動性障害のある子どもの指導に当たって、指導内容について示しています。
①不注意な間違いを減らすための指導
不注意な間違いが多い場合には、他の情報い影響を受けやすいのか、視線を元の位置に戻して固定できないなど視覚的な認知に困難があるのか、わずかな情報で拙速に判断してしまうのかなどの要因を明らかにした上で、いくつかの情報の中から必要なものに注目する指導や、どのような作業でも終わったら必ず確認することを習慣づけるなどの指導を行います。
②注意を集中し続けるための指導
一つのことに注意をする集中することが難しい場合には、そのくらいの時間で注意集中が難しくなくなるのか、教科や活動による違いはあるのかなど、困難の状況や要因を明らかにした上で、一つの課題をいくつかの段階に分割したりして、視覚的に課題の見通しを確認できるようにすることや、窓側を避け、黒板に近い席に座らせるなどの集中しやすい学習環境を整えるように配慮するなどの工夫をします。
③指示に従って、課題や活動をやり遂げるための指導
指示に従えず、また課題や活動を最後までやり遂げられない場合には、指示の具体的な内容が理解できていないのか、課題や活動の取り組みの仕方がわからないのか、集中できる時間が短いのかなど、その要因を明らかにした上で、指示の内容をわかりやすくする工夫を行い、わからないときには助けを求めることを指導します。課題の内容や活動の量の工夫も行うように努め、最後までやり遂げることを指導します。

