サプリ概論136 サプリメントなしに健康食品は効くのか

サプリメントは補助、補完、補充といった意味がある言葉で、英語のsupplementは通常の食事では不足する栄養素を補うものとされています。栄養素というとビタミン、ミネラルを思い浮かべるかもしれませんが、エネルギー源となる脂肪酸もアミノ酸も、そして以前は不要のものと考えられていた食物繊維も食事で不足するものとして認識されています。
日本の健康食品の分類では、栄養機能食品として指定されているビタミン、ミネラル、脂肪酸は、食事で不足する栄養素を補うということで、サプリメントと同様に考えられています。健康食品には特定保健用食品、機能性表示食品の分類があり、これらは血圧を低下させる、血糖値を低下させるといった機能が研究で裏付けられた成分が含まれているもので、これはサプリメントというよりも、一般の認識としては医薬品の範疇の、医薬品よりも効果が弱いものと考えられることがあります。
血糖値が高めの人の中には、血糖値を降下させる機能性がある成分が含まれた健康食品を摂れば、それだけでよいと考えている人も少なくありません。これも医薬品と同じようなもの、というような感覚があるからです。しかし、機能性がある健康食品を摂ればよいと考えていて大丈夫なのか、という疑問も呈されています。
ここで治療薬の話を差し込みます。糖尿病になった人は血糖降下剤を出されて、それを飲んで治療をするもの、と思われているかもしれませんが、糖尿病の治療は食事療法、運動療法をした上で使うことが大前提となっています。薬を飲んでいるから何を食べても大丈夫、運動をしなくても大丈夫ということではないのです。
機能性がある健康食品であっても、健康の基本中の基本となる栄養素の摂取にばらつきがあったのでは、せっかくの機能性も活かされなくなります。身体が正常に働いていてこそ、機能性成分の効果が得られるのです。だから、栄養状態がどうなのかを確認することなく、栄養バランスが崩れていたら、それを改善することなしに機能性成分を摂っても充分な効果が得られないことになるのです。