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厚生労働省から、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が発表されました。
以下に、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の高齢者版の「長時間の睡眠による健康リスク」を紹介します。

〔長時間の睡眠による健康リスク〕
成人では、短時間睡眠(睡眠不足)による健康への悪影響について注目されてきましたが、高齢世代においては、むしろ長時間睡眠による健康リスク(死亡リスク)の方がより強く現れることが、多くの調査結果をまとめて解析した研究で示されています。

この研究では、7時間未満の短時間睡眠による将来の死亡リスクは1.07倍であるのに対し、8時間以上の長時間睡眠による将来の死亡リスクは1.33倍と著しく増加することが報告されています。

最近の大規模調査研究では、長時間の睡眠(9時間以上)がアルツハイマー病の発症リスクを増加させることが報告されています。長寝をしても、実際に身体が眠れる時間が増えるわけではなく、むしろ入眠に時間がかかり(入眠困難)、途中で眼が覚めやすくなり(中途覚醒)、睡眠の効率が低下します。

そして、睡眠効率の低下により生じる睡眠休養感(睡眠で休養がとれている感覚)の低下から、休養を増やす必要性を感じて、長寝を助長する悪循環に陥りがちです。

近年の国民健康・栄養調査では、成人(40〜60歳未満)に比べ、高齢世代では睡眠時間が長くなる傾向があります。高齢世代では、加齢に伴い、生理的に必要な睡眠時間が減少するとともに、睡眠・覚醒リズムを司る体内時計の加齢性変化の影響から昼夜のメリハリが低下します。

昼夜のメリハリが低下すると、日中の活動量の減少及び昼寝時間の増加をもたらしますが、30分以上の昼寝を習慣としている人は、昼寝習慣がない人と比べ、将来の死亡リスクが1.27倍に増加することが報告されています。

また、長い昼寝、頻回の昼寝は、夜間の睡眠の質の低下と関連し、認知機能の低下リスクも増加させることが報告されています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

厚生労働省から、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が発表されました。
以下に、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」のこども版の「夜ふかし・朝寝坊に対する注意」(後半)を紹介します。

〔夜ふかしを習慣化させないための予防対策〕
◎起床時の日光浴
乳幼児期は、朝起きる時間を決め、カーテンを開けて部屋を明るくしましょう。朝食後は戸外に出て活動しましょう。小学生以降は、登校時や学校で日光を十分に浴びましょう。週末休日も普段と同じ時間に起床して、日光を浴びましょう。

◎朝食の摂取
朝食を摂らない生活習慣は、朝〜午前中に日光を浴びない生活環境と同様に、睡眠・覚醒リズムの後退を促すことが報告されています。夜ふかし・朝寝坊になると、朝食の欠食が増えますが、これはさらに夜ふかし・朝寝坊を助長する原因となります。

こどもにおいて、夜ふかし・朝寝坊習慣は慢性的な睡眠不足を伴うことが多く、肥満のリスクともなります。さらに肥満は閉塞性睡眠時無呼吸のリスクとなり、これにより生じる睡眠の質の低下から、朝の目覚めを悪くし、夜ふかし・朝寝坊化をさらに促し、肥満のリスクをさらに高めるといった悪循環が形成されやすくなります。

◎運動習慣の定着
座りっぱなしの時間、特にスクリーンタイム(テレビ視聴やゲーム・スマホ利用など)が長くなりすぎないようにしましょう。小・中・高校生は1日当たり60分以上、からだを動かし、スクリーンタイムは2時間以下にすることが推奨されています。

長時間の座位行動(及びスクリーンタイム)は肥満の増加や睡眠時間の減少と関連し、逆に適度な運動は良い眠りにつながります。

運動は1日の中でどの時間に行っても睡眠の質を改善しますが、就寝前1時間以内の激しい運動は、かえって睡眠の質を低下させる可能性があるので、寝る直前の運動は控えたほうがよいでしょう。

◎デジタル機器使用の回避
デジタル機器は寝室には持ち込まず、電源を切って、別の部屋に置いておきましょう。特に寝そべりながらデジタル機器を使うと、ディスプレイの視聴距離が近くブルーライトを浴びやすくなるため、寝つきや睡眠の質の悪化につながります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

7月1日
「内科の日」日本内科学会、日本臨床内科医会が、な(7)い(1)科の語呂合わせで制定。
「アマタケサラダチキンの日」アマタケ(岩手県大船渡市)がサラダチキン専用工場の竣工の日(2016年7月1日)にちなんで制定。
「さしみこんにゃくの日」ヨコオデイリーフーズ(群馬県甘楽町)が1999年7月1日に月のうさぎおさしみこんにゃくを発売したことから制定。
「じゅんさいの日」三種町森岳じゅんさいの里活性化協議会(秋田県三種町)が英語で6月を意味するジューンと31でさいの語呂合わせで6月31日としたが、存在しないことから7月1日を制定。
「釜飯の日」前田屋(福岡県北九州市)が釜飯専門店の釜めしもようの創業日(1995年7月1日)にちなんで制定。
「井村屋あずきバーの日」井村屋グループが暑さの増す7月の初日で、毎月1日にあずきを食べる習慣があったことから制定。
「麦チョコの日」高岡食品工業(兵庫県尼崎市)が夏でも食べやすい麦チョコと夏の始まりの日を合わせて制定。
毎月1日:「あずきの日」(井村屋グループ)、「釜めしの日」(前田家)、「Myハミガキの日」(ライオン)

7月2日
「うどんの日」香川県製麺事業協同組合が農繁期が一段落する半夏生にうどんを食べて労をねぎらう習慣があったことから制定。
「北海道米ななつぼしの日」北海道米販売拡大委員会がブランド米ななつぼしの全国普及を目指して、なな(7)つ(2)ぼしの語呂合わせで制定。
「アマニの日」ニップンが1年のほぼ真ん中の半夏生の頃で夏の健康管理にふさわしい日として制定。
「全国なまずサミット・なまずの日」全国なまずサミットが、な(7)ま(0)ず(2)の語呂合わせで制定。
「夏の長野産レタスの日」JA全農長野が、な(7)つ(2)の語呂合わせで制定。

7月3日
「ソフトクリームの日」1951年7月3日に東京・明治神宮外苑で米軍主催のカーニバルの模擬店で初めてコーンスタイルのソフトクリームが販売されたことにちなんで制定。
「塩と暮らしの日」塩事業センターが塩と暮らしを結ぶ運動のPRの一環として塩の原材料の海水の波(73)の語呂合わせで制定。
「七味の日」向井珍味堂(大阪府大阪市)が七(7)味(3)の語呂合わせで制定。
「オロナミンCの日」大塚製薬がオロナミンCのナミ(73)の語呂合わせで制定。
「涙の日」ドライアイ研究会が、な(7)み(3)だの語呂合わせで制定。
毎月3日:「くるみパンの日」(カリフォルニアくるみ協会)、「みたらしだんごの日」(山崎製パン)

7月4日
「梨の日」二十世紀梨の産地の鳥取県湯梨浜町が、な(7)し(4)の語呂合わせで制定。
「シーザーサラダの日」キユーピーが1924年7月4日にメキシコのシーザープレイスホテルでシーザーサラダの起源となるサラダが出されたことから制定。
毎月4日:「みたらしだんごの日」(山崎製パン)

7月5日
「とりなんこつの日」味のちぬや(香川県三豊市)が、なん(7)こ(5)つの語呂合わせで制定。
「穴子の日」ハンワフーズ(東京都中央区)が穴子のな(7)ご(5)の語呂合わせで制定。
毎月5日:「みたらしだんごの日」(山崎製パン)

7月6日
「サラダ記念日」俵万智の歌集「サラダ記念日」が1987年7月6日に発行されたことにちなんで制定。
「ワクチンの日」日本ベクトン・ディッキソン(東京都港区)が1885年7月6日にフランスの細菌学者のルイ・パスツールが初めてワクチン接種をしたことにちなんで制定。
「ナンの日」デルソーレ(東京都江東区)がナンの需要が高まる夏の始まりとナ(7)ン(6)の語呂合わせで制定。
毎月6日:「メロンの日」(全国メロンサミットinほこた開催実行委員会)、「手巻きロールケーキの日」(モンテール)、「手巻きロールの日」(モンテール)

7月7日
「そうめんの日」「乾麺の日」全国乾麺協同組合が七夕の伝統食のそうめんにちなんで制定。
「ポニーテールの日」日本ポニーテール協会がポニーテールの横顔が77に見えることから制定。
「ゆかたの日」日本ゆかた連合会が七夕の日を制定。
「コンペイトウの日」入江製菓(福岡県八幡市)が金平糖(コンペイトウ)の天の川をイメージして七夕の日を制定。
「牡蠣の日」牡蠣文化推進事業実行委員会(福島県須賀川市)が牡蠣の神様とも呼ばれる円谷英二監督の誕生日の1901年7月7日にちなんで制定。
「笹かまの日」宮城県蒲鉾組合連合会と紀文食品が七夕が笹の節句と呼ばれることから制定。
「赤しその日」三島食品(広島県広島市)が赤しそふりかけゆかりの赤しそ(紫蘇)は7月が収穫の最盛期で蘇が七夕の織姫と彦星の関係が1年に1回蘇ることにちなんで制定。
「カルピスの日」アサヒ飲料がカルピスが誕生した1919年7月7日にちなんで制定。
「高菜の日」全日本漬物協同組合連合会が菜(7)っ葉と高菜(7)から制定。
「冷やし中華の日」冷やし中華の愛好家と料理人が小暑となることが多く、暑さが始まり冷やし中華がおいしくなることから制定。
毎月7日:「生パスタの日」(全国製麺協同組合連合会)、「Doleバナ活動の日」(ドール)

7月8日
「チキン南蛮の日」延岡発祥チキン南蛮党(宮崎県延岡市)がチキン南(7)蛮(8)の語呂合わせで制定。
「中国茶の日」日本中国茶協会が中国語のチ=7と日本語のヤ=8から制定。
「豆乳で作ったヨーグルトの日」ポッカサッポロフード&ビバレッジが豆乳で作ったヨーグルトがトーラムから同社に移って販売を始めた2015年7月8日にちなんで制定。
毎月8日:「お米の日」、「歯ブラシ交換デー」(ライオン)、「ホールケーキの日」(一柳)、「生パスタの日」(全国製麺協同組合連合会)、「にわとりの日」(トリゼンフーズ)、「スッキリ美腸の日」(日本美腸協会)

7月9日
「おなかキレイの日」THE LOVESTORY STUDIO(愛知県名古屋市)が、おなか(07)キ(9)レイ(0)の語呂合わせで制定。
毎月9日:「クレープの日」(モンテール)

7月10日
「納豆の日」全国納豆協同組合連合会が、な(7)っとう(10)の語呂合わせで制定。
「日本なまずの日」と日本なまず生産(鹿児島県東串良町)が、な(7)まず(10)の語呂合わせで制定。
「ブナピーの日」ホクト(長野県長野市)がホワイトぶなしめじのブナピーが販売された2002年7月10日にちなんで制定。
「岡山県牛窓産冬瓜の日」JA岡山牛窓冬瓜・そうめん南瓜部会が夏(7)は冬(10)瓜の語呂合わせで制定。
「ブラックジンジャーの日」丸善製薬(広島県尾道市)がブラックジンジャーが食品としての使用が認められた2013年7月10日にちなんで制定。
毎月10日:「植物油の日」(日本植物油協会)、「糖化の日」(AGE測定推進協会)、「パンケーキの日」(日本ハム)、「コッペパンの日」(全日本丸十パン商工業協同組合)、「アメリカンフライドポテトの日」(米国ポテト協会)

「リンパの日」日本リンパ協会が、む(6)くみ(3)ゼロ(0)の語呂合わせで制定。
米穀安定供給確保支援機構が夏越しの日に1年の前半を祓い、残り半年の無病息災を願う

「夏越しごはんの日」と夏越しごはんの普及を目指して前半の最終日を制定。

「酒酵母の日」渡辺酒造店(岐阜県飛騨市古川町)が酒酵母に感謝することを目的に酒造年度の最終日の6月30日を制定。

「麦みそ食文化の日」義農味噌(愛媛県松前町)が麦みその「む=6」から6月、全国味噌工業協同組合連合会が毎月30日を晦日(みそか)=みその日としていることから制定。

毎月30日:「EPAの日」(日本水産)、「サワーの日」(宝酒造)、「みその日」(全国味噌工業協同組合連合会)

人間には「こだわり」の気持ちがあって、必要ではない、忘れたほうがよいということであって、それは頭ではわかっていても行動に移せないことが多々あります。こだわりがあるために、これまでのことを完全に忘れて、新たなことに踏み出そうとしても結果が出せない、決断が下せないということにもなります。

決断は、断つことを決めることで、完全に断つことを決めないことには、本当の意味での決断にはならないと言われます。どこまで忘れられるか、完全に忘れることができるかという切り替えが決断であり、それなくして再スタートは難しくなります。

その完全に忘れることを端的に表したのが、今回のお題として掲げている「ゼロベースでの再構築」です。

物事が進まないときには、立ち止まってみて、振り返り、周囲の状況を把握して、どの方向に進むべきか、止まるべきか、それとも引き返すべきなのかを判断することになります。その判断の事例は、ゴーストライターとして活動しているときに150冊の書籍の取材をする中で、もう嫌というほど見聞きしてきました。

そのときの経験だけから判断すると、何をするにしても、これまでやってきたこと、自分にとって優位なことを基盤にして、余計なものを切り離して、できるだけ優位なことを残すというのが成功の秘訣とされてきたところがあります。

削る部分が少ないほど成功しやすいという感覚で、人脈も金脈も残せるだけ残そうというのが当たり前で、そのような人ばかりでした。しかし、それが通用するのは、これまでの状況や常識が今後も続くという大前提があるときで、これまでの常識が“非常識”になるような時代・状況では、むしろ危険なこと、“失敗の秘訣”にもなりかねないことです。

小手先の変化、自分の常識はスッパリと忘れて(捨てて)、完全に「ゼロベースでの再構築」に取り組まなければならないと口では言っていても、その通りにできないがために、周囲に大きな迷惑をかけている例も数多く見てきました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

運動をすることは健康の維持・増進のための必須要素とされていることから、運動をする機会が多いほど、負荷の高い運動をするほど、運動に欠ける時間が長いほど健康になれるという印象が抱かれがちです。

その一方で、運動をすること、スポーツは平均寿命を短くするという考えもあり、「スポーツ選手は短命」「スポーツをしないほうが長生き」という考えを主張する人も増えてきました。スポーツ全体をいけないというのではなく、どんなスポーツのリスクが高いのか、どの程度の運動量なら安全なのかということは、あまり言われてはきませんでした。

これまでの研究では、国立大学の卒業生の追跡調査で、文化系学部の卒業生に比べて体育系学部の卒業生の平均寿命が10年ほど短いという結果が長らく使われてきました。

また、競技別では陸上(中長距離)、剣道、ボート、ゴルフ、ラグビー、柔道、水泳、スケート、陸上(短距離)、登山探検、馬術、サッカー、射撃、野球(プロ)、体操、レスリング、ボクシング(プロ)、自転車、相撲(プロ)の順で、そのうち当時の男性の平均寿命を超えていたのは水泳より上の7種目でした。

スポーツの種目別の平均寿命についての新たな研究成果が発表されたのは、私が岡山に移住した1年後のことで、日本ワールドゲームズ協会の事務局を務めるスポーツ財団からコメントを求められました。

私が理事を務めていた公益財団法人日本健康スポーツ連盟の理事長が、日本ワールドゲームズ協会の副会長を務めていた関係から、東京にいたときにスポーツと平均寿命について調べていて、そのことが知られていたからです。

それは2018年に発表された運動習慣のある人と運動習慣のない人の比較調査の結果で、スポーツ種目によって平均寿命の差があることが発表されていました。それはコペンハーゲン調査と呼ばれていて、デンマークのコペンハーゲン市に在住する成人8577名をデンマークとアメリカの研究チームが25年にわたって追跡調査したものです。

その中で示されたのは、寿命を延ばすスポーツとしてテニス(9.7年)、バドミントン(6.2年)、サッカー(4.7年)、サイクリング(3.7年)、水泳(3.4年)、ジョギング(3.2年)、健康体操(3.1年)、スポーツジム(1.5年)でした。

数字は平均寿命よりも何年長生きかを示したもので、無理がかからないスポーツ、有酸素運動は健康効果が高いことを示しています。スポーツ選手は長生きだという証拠だという、これまでとは違う結果となっています。

日本人と欧米人は体質が異なると常に言っていて、その証拠として日本人のデータが出せないことには自分自身への不満もあるのですが、このような調査はまだ実施されていなくて、少しでも関係する調査結果がないものかと日々、情報検索を続けています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

運動をやり慣れていない人は、同じだけの運動をしても、運動をし慣れている人に比べると酸素を取り込んで有効活用する能力が低くなっています。また、運動をし慣れた人に比べると、同じ負荷の運動であっても最大酸素摂取量が高まりにくくなっています。

ただ、長く運動をすればよいというのは間違いだということを伝えたくて、「運動は時間だけでなく質」ということを言うようにしています。

最大酸素摂取量は、1分間に体重1kgあたり取り込むことができる酸素の量で、一般には全力で運動をしたときの酸素量を指しています。最大酸素摂取量は運動をすれば高まるというものではなく、最大運動の60%程度の有酸素運動を繰り返していると徐々に最大酸素摂取量が高まります。

そして、運動を終えた後でも普段よりも酸素摂取量が増え、脂肪代謝によるエネルギー産生が高いまま続くようになります。そして、運動のエネルギー源の割合が変化して、脂肪酸が優先的に使われるようになります。

この身体的な変化はEPOC(excess post-exercise oxygen consumption)効果と呼ばれる現象で、アフターバーン(after burn)効果とも呼ばれています。呼吸と心拍数を整えるために酸素の摂取と消費が高まり、エネルギー消費が継続することを指しています。

EPOC効果は、運動をしていないときにも脂肪代謝が高まるということで、休息中も就寝中にも効果が高まります。有酸素運動の時間が短かった人は、EPOC効果が2時間ほどだったのが、最大酸素摂取量の60%ほどの運動を継続させることで12時間ほどにも長引かせることが可能です。その効果を得るためには、1日に2回は有酸素運動をして1日中、脂肪代謝が盛んになるようにすることがすすめられます。

個人差はあるものの、毎日、有酸素運動を続けることによって24時間まで高めることができる人もいます。こうなると1日に1回だけの有酸素運動で、脂肪代謝を高めることができることになります。

EPOC効果は、個人差はあるものの、高まる消費エネルギー量は50〜120kcalとされています。50kcalであったとしても15分間のウォーキングに相当するため、動かない状態でも身体を動かしているのと同じエネルギー消費の効果が得られます。

ただし、運動を続けていると最大酸素摂取量が高まって、以前と同じ負荷の運動をしていても、最大酸素摂取量の60%に達しなくなるということは普通に起こります。最大酸素摂取量の60%というのは、なんとか会話をしながら続けられる強度を指しているので、これを目安にして有酸素運動に取り組むようにしたいということを伝えています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

ダイエットの意味を正しく知ると、最も健康を維持できる状態になることを目指すべきだということがわかってきますが、臨床栄養の世界では依頼のほとんどは体脂肪を減らすことであるので、「ダイエット=やせること」は間違いではないような感じがしてきます。

厚生労働省が特定健診・特定保健指導としてメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策を打ち出したときに、食事と運動によって内臓脂肪を減らすことを健康づくりの最重要項目として掲げたことから、「健康=体脂肪減少」が第一に考えられるようになり、ダイエットは健康づくりの条件とされるようになりました。

肥満と呼ばれるほど内臓脂肪を多く溜め込んでいても、検査によって高血圧でも糖尿病でも脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症)でもなければ問題はないとされていた時代から、今は大丈夫であっても動脈硬化のリスクが極めて高い状態であって、できるだけ早く体脂肪を減らすことが重要という時代に変わりました。

特定健診・特定保健指導は2008年から始まり、同じ年に日本メディカルダイエット支援機構が内閣府に特定非営利活動法人(NPO法人)として認証されたことから、私たちの活動も内臓脂肪を減らすことが中心と周囲から見られていました。

ところが、「太ることもダイエット」ということを掲げて、メディアなどに登場したことから、その意味の説明を何度も求められました。厚生労働省の意向に逆らっていたわけではありません。

体脂肪を減らす必要がない人がダイエットをしたり、体脂肪を減らすことで免疫が低下するなど健康を害する人が一方でいることを示して、“人によっては”という言葉を先につけて「人によっては太ることもダイエット」と言い換えるようになりました。

やせるためのダイエットと逆のことをすれば簡単に太ることができるものの、そのときに増えているのは体脂肪だけです。体脂肪の割合を変えないで筋肉を増やすことが大切なダイエット法という考えで、筋肉を増やすことによってエネルギー代謝を高めて、その結果として余分な体脂肪をエネルギーとして消費することが研究の中心テーマとなりました。

このことが知られるようになって、何人もの方から私に教えたのは自分だという声がありました。それを否定するのではないのですが、誰か一人の考えを述べていたというよりも、臨床栄養の師匠、運動科学の師匠、未病医学の師匠、東洋医学の師匠、サプリメント科学の師匠などと一緒に活動していく中で、すべての方から少しずつ学び、考えをまとめていったことです。

誰かの言葉を、そのまま伝えることは、文章書きを生業としてきた身には許されることではなくて、自分なりに解釈して、誰もが理解できるようにして伝えるのが自分の役割だと考えてのことでした。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

効果的なダイエットはメディアが好むテーマで、メディカルダイエットは「やせるためのダイエットではない」と主張し続けていても、要望されるのは体脂肪を減らす方法がほとんどです。私が手がけたテレビ番組の中では食品による健康情報と並んで、実績としてあげられる多くはダイエットネタです。

物知りの塾講師が初耳だという情報は放送され、知っていたらボツになるというテレビ番組で、私の提供した情報が初めて放送されたのは「運動直後の入浴で脂肪代謝が低下する」ということで、そのことを知っていたら理由を問うという内容でした。それだけ放送したかった情報ということでしたが、理由を問うまでもなく放送されました。

運動をして汗をかいたときには、シャワーで汗を流す、入浴するということを習慣にしている人が多くいます。身体を動かしてエネルギー代謝が高まるほど体温が高まり、筋肉の温度を下げるために汗が出てきます。

筋肉細胞(筋繊維)の中にある脂肪分解酵素のリパーゼは一定の温度になると活性化しますが、温度が高まりすぎると活性度が低下します。私たちの身体も、寒いと働きがよくなくて、逆に暑くても働きが悪くなります。ちょうど働きやすい温度帯があるのと同じだと考えることができます。

運動直後の入浴で脂肪代謝が低下するのもリパーゼの特性によるもので、運動をやめてからも筋肉が温まっている間は、脂肪を脂肪酸にする分解は進んでいます。そのため、身体を動かさなくても、分解された脂肪酸は細胞のミトコンドリアに取り込まれて、エネルギー代謝が行われます。

その時間は約30分とされていて、徐々に代謝は低下しながらも代謝が盛んな状態は続いているわけですが、そのタイミングで入浴すると筋肉が温まることでリパーゼの活性が低下することになります。

これは体脂肪を減らそうとしている人にとってはもったいないことで、運動後はシャワーだけにしておきます。シャワーなら筋肉までは温めないので、リパーゼへの影響はありません。そして、入浴するなら運動後に30分を経過してからにします。

これとは逆に、体脂肪の減少を抑えようとする場合には、運動後に入浴して、リパーゼの働きを抑えるようにするのがよいことになります。ところが、フィットネスクラブでは、運動後に入浴することまでがコースになっているところもあり、運動後の入浴が体脂肪の減少を低下させることについて、ピンとこない人も少なくありません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

同じ食事量、同じ運動量にしていても、年齢を重ねていくと徐々に太っていくのは代謝が低下するためです。これは加齢の当たり前の出来事で、これを改善するには食事を減らすか運動を増やすしかない、というのが一般的な認識かもしれません。

しかし、なぜ代謝が低下するのかがわかれば、食生活を変えずに、運動も変えずに身体を若い状態に戻していくことも可能です。

その役割をしているのは代謝促進成分のL‐カルニチンです。L‐カルニチンと聞くと、ダイエットを目的とした健康食品の成分を思い浮かべる人が大半かと思いますが、エネルギー代謝の重要な成分で、これが不足するとエネルギー産生が低下します。運動をしても体脂肪が減らない、パワーが出ないというのは、L‐カルニチンが不足した状態が続いている証拠とされます。

L‐カルニチンがメディアで盛んに取り上げられたのは2000年くらいからで、そのときには羊肉(マトン、ラム)を食べると太りにくいという話題が中心となっていました。そのメディア広報の一角を私も担っていたのですが、「羊肉を食べると太らない」という表現をするメディアがあって、これにはストップをかけるように動いていました。

L‐カルニチンは細胞のミトコンドリアに脂肪酸を通過させるために必要な代謝促進成分で、L‐カルニチンなしで通過できるのは中鎖脂肪酸だけです。体内で合成されるものの、合成のピークは20歳代前半で、それ以降は合成量が減るために脂肪酸がミトコンドリアに充分に取り込まれなくなることから、年々太りやすくなっていくわけです。

L‐カルニチンの材料となっているのは必須アミノ酸のリシンとメチオニンです。必須アミノ酸は肉、魚、卵、乳製品、大豆・大豆製品にバランスよく、豊富に含まれています。年齢を重ねるとL‐カルニチンの合成量が低下していくので、合成のために必要になる3種類のビタミン(ビタミンC、ナイアシン、ビタミンB₆)、ミネラルの鉄を摂ることがすすめられます。

代謝に必要なL‐カルニチンが、すべて体内で合成されるわけではなく、全体の3分の1ほどです。残りの3分の2ほどは食品に含まれているL‐カルニチンが使われています。しかし、これは肉食の消費量が多い欧米人でのデータです。L‐カルニチンは羊肉(特にマトン)、牛肉に多く含まれているので、豚肉や鶏肉では不足します。羊肉や牛肉の摂取量が少ない人は不足しがちで、体内の合成に頼ることになります。

L‐カルニチンは以前は医薬品の成分でしたが、2002年に厚生労働省から食品の成分としても許可されたことから、サプリメントでも摂ることができるようになりました。サプリメントとしてのL‐カルニチン研究の第一人者の王堂哲さんは、日本メディカルダイエット支援機構の副理事長です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕