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健康に関わるチェックを実施してみて、同じ結果が出たとしても、それに対する意識が異なると、その後の継続と成果にも違いが出てきます。その例として話をさせてもらっているのは、食生活チェックをした人との面談での第一声です。

食生活チェックは、1週間に摂る食品の頻度の項目をチェックしてもらうもので、一般に実施されている1週間分のメニューと分量を書き出すものとは違っています。

メニューと量だけでは、何を増やせばよいか、何を減らせばよいかはわかりにくいところがありますが、食品の種類の場合は、チェックをしているうちに、これは食べ過ぎではないか、逆に少ないのではないか、ということに気づくことができます。

チェック項目にある食品を、まったく食べていない、1週間に1回ほどしか食べていないということになると、食べたほうがよい、1週間に何回かは食べたほうがいいということがわかってきます。

食生活チェックの結果を踏まえて、面談をするときには、いきなり指導はしません。「チェックをしてみて、どう感じましたか」と投げかけて、返ってきた返答の内容は7〜8割は指導しようと考えてきたことと同じです。

この段階で、指導は半分以上が終わっているようなもので、本人が気づいたことに対して、その裏付けとなること、どうして食べたほうがよいのか、どれくらいの頻度で食べればよいのか、これとは逆に減らす理由を説明するだけです。

自分で気づいたこと、変えようと思ったことを後押しするアドバイスは、継続効果が高くて、押しつけのように言われたこととは結果が違ってきます。

食生活の改善は、長い期間をかけて身につけてきたことを変えることになるので、心理的な抵抗感もあり、変えようと思っても、なかなか変えられない、いつの間にか戻ってしまったということにもなります。

それだけに、いかに自分で気づいてもらうか、気づいたことを続けられるように後押しするアドバイスができるかが重要になってくるのです。
〔健康ジャーナリスト/日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

国立がん研究センター・がん対策研究所(予防関連プロジェクト)は、生活習慣病と、がん・脳卒中・心筋梗塞などの病気との関連を明らかにして、日本人の生活習慣病予防と健康寿命の延伸に役立てるための研究を行っています。

平成2年(1990年)と平成5年から6年(1993年から1994年)に、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、茨城県水戸、高知県中央東の5保健所管内の住民のうち、調査開始時にアンケートに回答した40〜71歳の約4万2000人の男女を平成28年(2016年)まで追跡した調査結果に基づいて、睡眠時間やその変化と、要介護認定情報から把握した認知症との関連を調べた結果を発表しています。

睡眠時間やその変化と認知症発症との関連については、これまでにも多くの報告がされています。しかし、多くの研究は高齢者(65歳以上)を対象としかつ追跡期間が短いことから、認知症や認知機能低下の症状の一つとして睡眠時間が変化している可能性があるために、睡眠時間やその変化が原因なのか、結果なのかの区別が困難でした。

大多数が正常な認知機能を保っていると考えられる中年期(40歳から65歳)の集団を研究対象としたり、長期間追跡したりと、原因と結果を区別しようとする研究も散見されますが、その数は少なく、結果も一定していませんでした。そこで、主に中年期の男女を対象として開始した多目的コホート研究において、睡眠時間やその変化と、その後の認知症リスクとの関連が調べられました。

この研究では、調査開始時点(ベースライン)に実施したアンケート調査における、普段の睡眠時間(ベースライン睡眠時間)を尋ねる質問への回答が用いられました。回答に従って、対象者を「3〜5時間」「6時間」「7時間」「8時間」「9時間」「10〜12時間」のグループに分類しました。

また、調査開始から5年後時点の回答も用いて、睡眠時間の変化による分類も行われました。

2つの時点の睡眠時間から、「2時間以上減少」「1時間減少」「変化なし」「1時間増加」「2時間以上増加」のグループに分解しました。

それぞれ、ベースライン睡眠時間の解析では「7時間」、睡眠時間の変化の解析では「変化なし」のグループを基準として、その他のグループにおける、その後の認知症リスクを算出しました。

解析時には、年齢、性別、地域、体格、喫煙習慣、飲酒量、緑茶摂取量、コーヒー摂取量、運動習慣、居住形態(独居か否か)、心理的ストレス、糖尿病の有無、高血圧の有無について統計学的に調整し、結果に与える影響ができるだけ取り除かれました。

2007年から2016年までに、4621人が認知症と診断されていることが確認されました。解析の結果、睡眠時間が1日7時間の人に比べて、9時間の人では13%、10〜12時間の人では40%、認知症リスクが高いことが示されました。

また、睡眠時間と認知症リスクとの関連はJ字型の傾向(トレンド)があることがわかりました。

睡眠時間の変化については、5年間で睡眠時間がほとんど変わらなかった人と比べて、睡眠時間が2時間以上長くなった人では認知症リスクが37%高いことが示されました。

睡眠時間は短くなった人での認知症リスクに全体として差はありませんでしたが、元々の睡眠時間が7時間未満だった人では2時間以上短くなると、認知症リスクが56%高いことが明らかとなりました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

「清掃デー」1954年4月22日に清掃法が制定されたことにちなんで制定。

「よい夫婦の日」講談社が、よ(4)い夫婦(22)の語呂合わせで制定。

「肩コリを労わる日」ピップが夏目漱石の朝日新聞連載の『門』の1910年4月22日に肩コリに関する記述があり、しんどい(4)コリつらい(2)つらい(2)の語呂合わせで制定。

毎月22日:「カニカマの日」(スギヨ)、「禁煙の日」(禁煙推進学術ネットワーク)、「夫婦の日」(毎日新聞、味の素など)、「ラブラブサンドの日」(日糧製パン)

厚生労働省から、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が発表されました。

以下に、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の健康に関する基本事項の「睡眠の機能と健康との関係」について紹介します。

〔睡眠の機能と健康との関係〕
睡眠は、こども、成人、高齢者の健康増進・維持に不可欠な休養活動です。良い睡眠は、脳・心血管、代謝、内分泌、免疫、認知機能、精神的な健康の増進・維持に重要であり、睡眠が悪化することで、これに関連した様々な疾患の発症リスクが増加し、寿命短縮リスクが高まることが報告されています。

また、良い睡眠は、労働災害や自動車事故など眠気や疲労が原因の事故や怪我のリスク低減にも役立ちます。

さらに、睡眠は日中の活動で生じた心身の疲労を回復する機能とともに、成長や記憶(学習)の定着・強化など環境への適応能力を向上させる機能を備えているため、睡眠の悪化は成長や適応能力の向上をも損なうことにつながります。

睡眠時間が睡眠の量を反映する指標であるとすれば、睡眠休養感(睡眠で休養がとれている感覚)は、睡眠の質を反映する指標といえます。睡眠休養感は、睡眠時間の不足だけでなく、睡眠環境、生活習慣、日常的に摂取する嗜好品、睡眠障害の有無などのさまざまな要因により影響を受けます。

また、睡眠充足の個人差を把握する目安としても、朝目覚めたときの睡眠休養感は良い睡眠の指標となります。

良い睡眠は、睡眠の量(睡眠時間)と質(睡眠休養感)が十分に確保されていることで担保され、不適切な睡眠環境、生活習慣、嗜好品のとり方及び睡眠障害の発症により、これが損なわれます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

患者は、できれば少しでも低い医療費で、できるだけ高いレベルの治療が受けられることを望みます。高い医療費でレベルの低い治療でよいと考える人はいないはずです。ところが、実際には高いレベルの治療を受けるためには、高い医療費がかかるのは当たり前というのが今の医療制度です。

これが正常な状態なのかということを考えるには海外の医療制度と比べてみるのが一番で、アメリカの医療制度は日本と根本的に違っています。簡単に説明すると日本は「出来高払い制度」です。検査が多いほど、薬が多いほど、入院日数が長いほど医療費は嵩んでいきます。

それに対してアメリカは「定額払い制度」となっています。医療費が増えすぎたことによる大変革の結果ですが、診断マニュアルに従って疾患の種類と程度がわかったら、それに対する治療がわかり、一定の金額が示されます。州によって金額などに違いはあるものの、基本的には同じ制度のもとでの差でしかありません。

同じ疾患と程度であれば、どんな治療をしても、どれだけ時間と金がかかっても医療機関が受け取れる金額は同じです。だから、できるだけ安く、できるだけ早く、しかも結果が保証されるレベルが高い治療が実施されます。

患者が満足できる治療でなければ、患者に訴えられかねない、保険会社も支払いを拒むということが起こる社会での医療制度です。

治療に費用がかかるほど医療機関の利益が増える日本とは逆で、アメリカでは定額払いであるので、費用がかかるほど損をする制度となっています。基準以下の治療費で済ますことができるのが腕のよい、給料が高い医師ということになります。

入院期間は短いほどよいわけで、月曜入院、金曜退院の平日で済むのは当たり前です。

アメリカを取材で訪れたときに、「日本は金曜入院、月曜退院が当たり前」という話をしました。初めは驚きの表情で聞いていた医療関係者が、「実は金曜日に入院して検査や治療が始まるのは月曜日から、治療は金曜日に終わっていても退院できるのは月曜日」という説明をしたら呆れ顔をされました。この週末の入院期間の合計の6日間はアメリカの平均入院日数よりも長いからです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

医師の平均寿命が短い現状があることから、病気になってから医療機関に行くということでは健康を守れない、ということを前回書きました。それに続いて、医師の知識について感じている不安感の原因を考えています。

それは古い情報のまま、以前の技術のままでも医師が続けられる制度のために、全員の医師が最高の医療レベルにはないということであり、その最大の原因とされているのは日本の医師免許には更新制度がないことです。

それに対してアメリカでは、州によって違いはあるものの医師免許の期限は1〜2年で、更新をしなければ医師として仕事をすることができません。更新のためには講習を受講する必要があるので時間も費用もかかります。

日本の医師制度は医師免許があれば、自由に診療科を選んで診察、治療を行うことができるのに対して、アメリカでは診療科は、それぞれ専門資格を取得する必要があります。これにも時間と費用がかかります。

取得した専門資格を継続するには更新教育を受ける必要があって、専門資格は科によって違いがあるものの多くは10年間となっています。複数の専門科を継続するためには繰り返して学び、知識を更新する必要があります。

日本の医師制度は更新制度がない一生ものの資格であり、専門資格もないということで、最新情報を得て、最新の技術を身につけているかは確認してみないとわからないということです。どのようなことを学んでいるかを公表している医療機関もあるものの、開業医では専門医や認定医の証書が掲げられているだけということもあります。

中には証書を掲げられない医師もいます。専門医制度は、それぞれの医学系学会が認定して教育を行っているもので、更新教育は学会によって行われています。専門医、認定医であるのかを確認するのは、安心してかかるための最低限の情報収集といえます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

超高齢化が進み、それを支える現役世代の負担が増加する中で、医療機関への期待が高まっていきました。これまでは労働による身体の負担増によって病気や怪我があっても病院に行けばよい、医師に診てもらえばよいという感覚が少なからずありました。

厚生労働省の発表によると、全国の医療機関の入院患者数は2040年にピークになり、65歳以上の入院患者は約8割になると予測されています。外来患者数のピークは2025年で、2040年には外来患者の約6割は65歳以上が占めることになります。

また、死亡数は、現在(2022年)は約157万人ですが、2040年にはピークを迎え、約190万人になることが予測されています。

医療機関の数は増えているものの、病床数は減る傾向が続いており、現在は年間2万床以上が減少していて、入院条件が厳しくなっています。

そこで働く医師の高齢化も大きな問題となっています。病院は65歳以上の医師は約15%で、平均年齢は44.8歳です。これに対して診療所では65歳以上の医師が約50%で、平均年齢は60.0歳となっています。診療所は入院設備がないか、入院人数が19人以下の医療機関を指しています。

こういった実情を見ると、医師の世界でも高齢化が進み、大都市圏以外では充分な医療が受けられない状態が進んでいることがわかります。

医療はチームワークで進めるものであり、病院ではチーム医療は可能かもしれません。それに対して診療所では1人か2人の医師と看護師などで構成されているところが多いことから、チーム医療によるレベルアップは難しく、医師の技量や経験が成果に直結します。医師の高齢化は、治療内容にも大きく影響をしてくることです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

疾病の治療といえば医療行為が一般的で、食事や運動は、その補助的な位置づけとされています。予防ということになると、食事と運動は重要なことであっても、食事だけ、運動だけ、食事と運動の組み合わせだけで治療を行うという認識はされていません。

確かに、重症となったときには、食事と運動を組み合わせたとしても、それだけで治せるものではないとしても、初期段階では対応が可能なものがあります。それは、生活習慣病の中でもエネルギー代謝が大きく関係している糖尿病、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症)、高血圧症です。

今や成人の5人に1人が糖尿病か、糖尿病予備群という状況ですが、血液検査によって血糖値が高い状態であることがわかると、まずは食事療法が行われます。

糖尿病の多くはエネルギー摂取が多くなりすぎることが原因で、そのために膵臓から分泌されるインスリンが不足するようになって、糖質(ブドウ糖)が全身の細胞に取り込まれにくくなることで、血糖値が高い状態が続くことになります。

血糖は血液中のブドウ糖のことで、血液中のブドウ糖が多くなりすぎることによって高血糖状態となるので、ブドウ糖が含まれる糖質を減らせばよいと考えられがちです。インスリンを分泌させすぎて膵臓が疲弊するのはブドウ糖だけでなく、中性脂肪の摂り過ぎによっても起こります。

糖尿病の予防・改善のための食事療法は、全体的なエネルギー摂取を各人の状態に合わせて摂ることが基本となります。その多くは栄養過多であることから、摂取量を減らすことがすすめられます。

食事療法だけで期待するほど血糖値が下がらない場合は、食事療法を続けたまま運動療法が行われます。それでも血糖値が下がらなかった場合に、初めて医薬品を用いた治療が行われます。

ところが、医師の中には、食事療法も運動療法もせずに、初めから医薬品(血糖降下剤)を処方することがあるのは事実です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

病院における医師と管理栄養士の関係は、医師の約束食事箋(病院食の食品の種類と栄養成分などの決め事)に従って、管理栄養士が献立を作成して食品の発注をします。調理をするのは調理師の役割です。

入院患者に提供される病院食(病院給食)は、管理栄養士がトップのように見えても、診断に基づいた約束食事箋による指示がなければ動くことができないので、医師がトップに立っています。

入院患者に対して栄養指導をするのは管理栄養士の仕事です。では、開業医(診療所)では医師しかいないので栄養指導は医師がするのかというと、医師ができることは一般的な治療食を示すくらいで、具体的な食事内容や食べ方の指導をすることはありません。

絶対にないということではないのですが、医師が栄養指導をしても保険点数の対象にはなりません。栄養指導をして保険点数がつくのは、医療機関の管理栄養士だけという医療制度になっているからです。

栄養指導をしなくても栄養知識はあるはずという認識は一般にはあるものの、医師の養成校(大学医学部)の82大学のうち栄養学講座があるのは25校ほどです。講座があっても選択制で、必修ではありません。しかも栄養不足と疾患の関係について学べるのがほとんどで、積極的な栄養摂取によって健康になる方法について学んでいるわけではありません。

医師になってから学ぶことになるわけですが、管理栄養士がいて約束食事箋を出す病院でないと、栄養学は学びにくくなっています。それを改善する役割をしているのは、医師が栄養学を学ぶことができる日本臨床栄養学会です。認定臨床栄養医制度が設けられていて、これを取得するには一定の単位を取得して合格する必要があります。

認定臨床栄養医となるには講習会の受講、学会総会の出席、学術論文の発表で指定単位の取得が義務づけられています。5年ごとに更新する必要があり、3つに加えてインターネット学習も行われます。

医師の栄養知識は、大学で学んでいることは大事ではあっても、その後の学びが重要であるので、認定臨床栄養医であるのかを確認することも安心材料の一つとなります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

食事を摂ると血糖値が上昇して、健康なヒトの場合は血糖値を下げる働きをするインスリンが膵臓から分泌され、細胞内に糖質が取り込まれるために血糖値は下がります。ところが、食後のインスリン分泌が少ない場合や、インスリンの働きが不十分だと、血糖値が高いままの状態である食後高血糖を引き起こします。

食後の血糖値が高い状態が続くことは糖尿病予備群の可能性があり、さらに動脈硬化の危険因子となるため、注意が必要です。

そこで、これまで食後の血糖値上昇を抑える食品や食事法に関する研究が数多く行われてきました。その一つが「咀嚼、噛むこと」です。

咀嚼は消化の最初のプロセスであり、固形物を粉砕し、唾液の分泌を促します。さらにエネルギー吸収に関与し、充分な咀嚼は空腹感を抑えることが報告されています。

健康な成人を対象とした研究では、食事の前にガムを噛む、または食事中の咀嚼回数を増やすことにより、食後の血中グルカゴン様ペプチド−1やグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチドなどのインクレチンの分泌が促進され、早期のインスリンの分泌が促されることで、食後血糖値の上昇が抑えられることが明らかとなっています。

食事の初めに野菜を摂取する、いわゆるベジタブルファーストの食事法は、食後血糖値の上昇を抑える働きがあることが報告されています。これは野菜に多く含まれる食物繊維が関係していると考えられます。

また、野菜の形状の違い(固形または液状)によって食後血糖値に及ぼす影響は異なることが報告されています。しかしながら、野菜を咀嚼して摂ることが食後血糖値とインスリンやインクレチンなどのホルモンの分泌に及ぼす影響は不明でした。

早稲田大学スポーツ科学学術院、同大学スポーツ科学研究センター、キユーピーの研究グループは、野菜(キャベツ0)を「咀嚼して食べるとき」と「咀嚼せずに食べるとき」の食後における代謝への影響を調べたところ、噛むことで食後の血糖値を下げるホルモンであるインスリンがしっかりと分泌され、その作用機序の一つとしてインスリンの分泌を促す作用を持つホルモンであるインクレチンが食後の初期段階で刺激されることを発見しました。

19人の健康な成人男性(平均22歳)を対象として、野菜を噛んで食べる「咀嚼条件」(千切りキャベツ+ゼリー飲料)と野菜を噛まずに食べる「非咀嚼条件」(キャベツ粉砕物+ゼリー飲料)のそれぞれ2条件に参加する交差試験が行われました。

食べ始めを0分として、0分、15分、30分、45分、60分、90分、120分、180分後に、それぞれの条件で採血を行い、血糖および血糖値変動メカニズムの指標としてインスリン、インクレチン(GIP、GLP-1)の血中濃度が調べられました。

試験全体(180分)におけるインスリンおよびGIPの上昇曲線下面積が咀嚼条件で高値を示すことが確認されました。一方、血糖では明らかな差は確認されませんでした。

また、消化吸収速度で血中の応答が変わってくるGLP-1には、胃内容物排出の遅延を介した食後の血糖値の上昇を抑制する作用を有するため、GLP-1の血中の経時変化による解析を行い、比較したところ、咀嚼条件で食事開始45分から90分の時間帯で高値を示すことが確認されました。一方、試験全体(180分)におけるGLP-1の上昇曲線下面積では明らかな差は確認されませんでした。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕