投稿者「JMDS」のアーカイブ

同じ試験内容であっても解答率を低くする出題法があります。学習に困難さを抱える子どもには、解答率を高くして、成功体験を重ねるようにさせて、モチベーションを高めることが大切になります。しかし、試験によって差をつけさせることを目的としている場合には、どうしても回答しにくい方法が選ばれがちです。その学習障害児などでは避けたほうがよいのは、問題ごとにバラバラの出題形式です。
「ア〜オから正しいものを1つ選びなさい」というように出題形式が、いつも同じであれば、何を答えればよいのかがわかりやすく、少なくとも勘違いをしたために間違えるということはなくなるはずです。日本メディカルダイエット支援機構のメンバーの中には、栄養に関する国家試験の問題に関わった者もいて、そのときには解答率を下げるために問題を変えるのではなく、出題形式を変えるように要請されて作り直した経験があります。
そのときの出題形式は、「ア〜オから正しいものを選びなさい」というのが一つで、正しいものが1つとは書かれていません。1つかもしれないし複数かもしれないということだけでも難しさが増しています。次は「間違っているものをア〜オから選びなさい」というもので、この場合にも間違っているものが1つとは限らないというわけです。
さらに難しくするために、「ア〜オのうち正しいものの組み合わせを選びなさい」というものがあります。これは正しいものと間違っているものがセットになっていて、どちらが正しいのかを判断して選ぶものです。こちらのほうが回答しやすく感じるかもしれませんが、正解のほうに間違いやすい表現を入れることで難解さが増していきます。
もっと難しくするには、間違ったものを選ばせて、その理由を書かせるものや、「理由について〜字以内で説明しなさい」と文字制限をするもので、わざと解答率を下げるためにやっていることがわかります。
実際に入学の試験問題では、このような出題形式もあるので、それに慣れておくことは大切です。しかし、問題を把握して、それに対する答えを考えて、それを書くという一連の流れに困難さがある子どもの場合には、この困難さを克服してから出題形式を変えるということが必要になります。

糖質は消化されやすく、ブドウ糖に分解されたあとに素早く吸収されます。ブドウ糖の吸収速度は食事のタイミングで違っていて、最も吸収率がよいのは朝食のときとされています。それは、血糖値(血液中のブドウ糖の値)を測定すると朝食後のほうが夕食後よりも高くなっているからです。
これについては、血液中のブドウ糖は全身の細胞に吸収されるために、起床時には血糖値が下がった状態になっていて、これを補うように食事をしてからすぐに血糖値が高まるのだと一般には説明されています。
では、夕食後は吸収率が低いのかというと、そんなことはありません。夕食を食べてすぐのタイミングでは、血糖値は大きく高まっています。それに関係しているのは自律神経の働きです。自律神経は興奮作用があって昼間の時間帯に盛んに働く交感神経と、抑制作用があって夕方から朝までの休息の時間に盛んに働く副交感神経があります。
夕食の時間帯には副交感神経が盛んとなっていますが、副交感神経には胃液を多く分泌させ、小腸からのブドウ糖の吸収を高める作用があります。そのために血糖値が上昇しやすくなっているのです。
ところが、血糖値が大きく高まると、それに応じて膵臓からインスリンという細胞にブドウ糖を吸収させる作用があるホルモンが分泌されます。
インスリンの分泌を高めるのも副交感神経の働きによるので、夕食後にはインスリンによって細胞にブドウ糖が多く取り込まれるので、血糖値が下がっていきます。血糖値の変化だけを見て、吸収率が高いのか、それとも低いのかを論議するのではなくて、全体的な仕組みに注目して判断すべきです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

脳の唯一のエネルギー源とされるのはブドウ糖です。血液中のブドウ糖が多くなりすぎた血糖値が高い状態が長く続くと、糖尿病が引き起こされるわけですが、血液中のブドウ糖が多いと脳に多くのブドウ糖が運ばれて、脳の機能が高まるのかというと、それとは逆のことが起こっています。逆というのは、血糖値が高いと脳に取り込まれるブドウ糖が少なくなってしまうことです。
脳細胞に限らず、全身の細胞は膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの作用によってブドウ糖を取り込んでいます。インスリンは血糖値が高くなるほど多く分泌されるようになります。そうであれば、糖尿病の人は細胞にブドウ糖が多く取り込まれるのかというと、逆に少なくなっています。
膵臓は働き者であって、ブドウ糖が多くなるとインスリンを出し続けます。限界まで働くと疲弊してしまい、急にインスリンの分泌が低下します。そのためにブドウ糖を細胞に充分に取り込むことができなくなり、血糖値が下がらなくなるのが糖尿病です。
インスリンが不足したら、これを医薬品によって取り入れる方法はありますが、それ以外の方法としてすすめられるのが運動です。運動をすると、それだけエネルギー源のブドウ糖が必要になりますが、そのブドウ糖が充分に入ってこない場合にはAMPキナーゼという酵素が多く作られます。
ブドウ糖を細胞に取り込むときに働いているのはGLUT–4というグルコース輸送体で、インスリンの刺激によって細胞膜まで移動して、ブドウ糖を取り込みます。インスリンが不足しているときにAMPキナーゼが代わりに働くわけですが、この酵素は運動によってエネルギー不足の状態になると多く作られるようになります。特に多く作られるのは有酸素運動をしたときで、だから糖尿病の予防や改善には歩くことがすすめられるのです。
AMPキナーゼは脳の細胞にブドウ糖を効果的に取り込むためにも有効で、ウォーキングをすると認知症予防になるという研究成果が多く得られているのは、このAMPキナーゼの働きがあるからなのです。

発達障害がある子どもの支援のためには、その保護者である親への教育・情報支援が重要であると考えています。学習障害児の支援には、学習塾や放課後等デイサービスが取り組んでいますが、その努力を後押しするためには充分な栄養摂取が必要で、これは家庭における食事に期待するしかありません。
日本メディカルダイエット支援機構は、学習障害児のための学習塾を運営する団体の支援や、学習塾や放課後等デイサービスの教育、コンサルタントに取り組んでいる団体などの支援にも取り組んでいます。
「なぜ、メディカルダイエットの看板を掲げているのに学習障害なのか」と聞かれることがあります。ダイエットという用語は、どうしてもやせるというイメージがあるのですが、私たちが研究・普及しているメディカルダイエットはエネルギー代謝の促進によって多く作り出されたエネルギーを脳と身体の成長に使うことを指しています。これは子どもに限ったことではなくて、すべての世代に共通していることです。
脳は全身の重量は体重の2%ほどでしかないのに、そこで使われるエネルギー量は全身のエネルギー量の18〜25%にもなっています。学習障害がある中で一生懸命に学習に取り組んでいる子どもは25%の最大量を超えていることもあります。
学習障害は、発達障害の特性(自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害、学習障害)の中の一つということではなくて、自閉症スペクトラム障害や注意欠陥・多動性障害でも、その特性から学習に困難さが現れていることがあります。そのため、さらに多くのエネルギーが必要になり、それが栄養不足、栄養の偏りからエネルギー不足になっていることも少なくありません。
こういった状態に対応するために、日本メディカルダイエット支援機構では、児童発達支援施設や放課後等デイサービスを通じて施設を利用する子どもの保護者の支援、これらをコンサルタントによって支援する団体などを栄養指導によってサポートしています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

日本メディカルダイエット支援機構は、ダイエットを支援してくれる団体と思われることもあるのですが、支援するのはメディカルダイエットに関わる団体や企業で、直接的な支援をするのは、その団体や企業の役割です。私たちの支援は間接支援です。
間接支援といっても、直接の支援をする団体や企業がメディカルダイエットに関わることを実施するための情報や教育、また人脈の紹介など、それぞれの団体や企業では実施できないことを支援しています。
今さらながら説明をしておくと、メディカルダイエットはエネルギー代謝学に基づいた健康づくりを指していて、その作り出したエネルギーを身体や脳の活動のために使って、生活習慣病対策、認知症対策、発達障害支援、学習障害支援などに活かしてもらうための活動を実施しています。
このことは常に主張しているのですが、団体や企業の担当者が自身の生活習慣病などの予防・改善のための方法を求めているときには、間接支援のための、さらに間接支援になるということで、個々の相談にも乗っています。一つだけ例外として、ダイエットSNS最大の「ダイエットクラブ」のダイエットラボにコンテンツを241本提供しています。これは運営するポータルサイト会社の創業者が親戚の者なので、少し妥協して提供したという大人の事情もあります。
講習をする団体に内容的にも人数的にも充分な講師がいるときには、その講師のレベルアップの支援をしますが、講師がまだ育っていないときには代わりに講師を務めています。講師の育成は継続しなければ意味がないので、教育を受けた方が次は講師になって教える側になれる教育体制づくりも、私たちの間接支援の一環です。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

お互いの意見などが一致することは、「意気投合」という四字熟語で表されます。コロナ禍で厳しい状況を経験して、これから新たなことに挑戦しようというときには、お互いの利益を優先させて勝手に動くのではなくて、考えを一致させて進むことが大切だと認識しています。
ところが、みんなの心を一つにして、とは言いながらも、他の人のことなど構っていられないという人が多くなってしまったのは、それだけ厳しさが極まっている証拠だと思われます。“国民ファースト”“都民ファースト”と言いながらも、選挙の主導権を巡って、“自分たちファースト”になったという結果をみると、なかなか既存の権利や有意さを手放すのは難しいことだというのがわかります。
意見を一致させて、一緒に進んでいくためには、手に入れたものは手放さないという態度ではなくて、いらないものを捨てることも考えるべきです。この“いらないものを捨てること”は「遺棄」という用語を当てはめ、次に“複数のものを合わせて新たなものを作り出すこと”は「統合」という用語を当てはめて、「遺棄統合」というもじりの四字熟語を打ち出してみました。
捨てるというのは、何もすべてを手放すということではなくて、新たな行動を起こすときに障壁になっていることだけを切り離します。それによって、動きが軽くなり、得意分野を活かしやすくなります。余計なこだわりがあるからブレーキがかかったり、一緒に行動する人の足を引っ張ったりということも起こります。自分のこわだりは弱めてでも一緒に行動する人が動きやすいようにすることが、コロナ禍で動きが止まった後に積極的に行動するためには必要なことであると考えているのです。

ダイエット講習では、対象者によって導入部として話す内容を変えています。メディカルダイエットの根本となるエネルギー代謝について学びたいという、私たちにとっては嬉しい対象者では戦略的な話から始めます。ダイエットをする方法がわかればよいという人を避けているわけではないのですが、理解のためにわかりやすいところから始めてほしいという要望がある人の場合には、具体的なダイエット法を取り上げて、その真偽のほど、間違いやすい点の指摘などを導入部としています。
どちらもダイエットの元々の意味からすると違ったことではないという考え方をしています。ダイエット(diet)は本来は方針、作戦、戦略、戦術といった意味があり、国の方針を定めて戦術・戦略を決めていく国会は英語では「the diet」です。そこから転じて、健康の維持・増進という方針に合わせた正しい食事法(食事療法)がダイエットになり、運動による健康維持もダイエットと呼ばれるようになりました。
元々の由来を考えると、やせる、やせるために食べないというような意味はなくて、むしろ健康の維持のために科学的・医学的に正しい方法で食事をするのがダイエットになります。食べないのではなくて、むしろ必要なものを食べるのがダイエットであり、科学的・医学的な戦略に基づいた実践法(戦術)がメディカルダイエットとなります。
具体的な方法はダイエットの実践には欠かせないものではあっても、それが戦略的に正しいことでなければ、短期間に効果があったとしても長続きしない、場合によっては効果が得られなくてリバウンドしかねないということにもなります。
私たちのメディカルダイエット講習の基本中の基本はエネルギー代謝科学で、これを最大限に活かした戦略を理解して、それから各人に合った戦術を選択して継続させてほしいと考えています。食べる量が極端に少なくて、必要なエネルギーが作り出せないということでは戦略から違っていることになり、せっかくの戦術も効果が得られないことにもなりかねないのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

広く健康に関わる記念日について紹介します。
3月1日 キユーピーが1925年3月にマヨネーズを製造販売したことと日本初(1)にちなんで「マヨネーズの日」と制定。キユーピーグループのデリア食品がマヨネーズの日に合わせて「マヨサラダの日」と制定。日本園芸農業協同組合連合会が熊本県のデコポンが東京青果市場で取り引きされた1991年3月1日にちなんで「デコポンの日」と制定。毎月1日は「あずきの日」(井村屋グループ)、「釜飯の日」(前田屋)。
3月2日 ご当地レトルトカレー協会がカレーの日が1月22日、レトルトカレーの日が2月12日であることから3月の22日、12日のつながりから2日を「ご当地レトルトカレーの日」と制定。全国農業協同組合連合会福岡県本部がサ(3)ニー(2)の語呂合わせで「春のサニーレタスの日」と制定。ワコールが生理日用のサニタリーショーツのPRのためにサ(3)ニ(2)の語呂合わせで「サニの日」と制定。
3月3日 桃の節句にひな人形を飾って白酒やひなあられを食べる「ひな祭り」。聴覚障害の予防・治療の理解を広めることを目的にミ(3)ミ(3)の語呂合わせで「耳の日」。味のちぬや(香川県三豊市)が、ささ(3)み(3)の語呂合わせで「ささみの日」と制定。あじかん(広島県広島市)がひな祭りの定番のちらし寿司にちなんで「春のちらし寿司の日」と制定。日本バスケットボール協会とクロススポーツマーケティングが3on3の普及を目的に3×3の語呂合わせで「3×3の日」と制定。レーベン(神奈川県横浜市)が耳の日にちなんで「耳かきの日」と制定。湖池屋がポリンキーの三角形から3が重なる日を「ポリンキーの日」と制定。毎月3日は「くるみパンの日」(カリフォルニアくるみ協会)、「みたらしだんごの日」(山崎製パン)。
3月4日 ユーハイムが1919年3月4日に広島県物産陳列館(後の原爆ドーム)のドイツ展示販売会にバウムクーヘンを出展したことから「バウムクーヘンの日」と制定。スミスクラインが歯のエネメル質の摩耗を防ぐシュミテクトの普及のために酸蝕(3)歯(4)の語呂合わせで「酸蝕歯の日」と制定。毎月4日は「みたらしだんごの日」(山崎製パン)。
3月5日 茨城県常陸牛振興協会が1977年3月5日の設立日にちなんで「常陸牛の日」と制定。日本製紙クレシアがポイズの普及に産後ケアの日実行員会を立ち上げて産(3)後(5)の語呂合わせで「産後ケアの日」と制定。三幸製菓が三つの幸せをアピールするために三(3)幸(5)の語呂合わせで「三幸の日」と制定。毎月5日は「みたらしだんごの日」(山崎製パン)。
3月6日 ファンデリー(東京都北区)がミールタイムを通じて食事の大切さを知ってもらうことを目的にミー(3)ル(6)の語呂合わせで「ミールタイムの日」と制定。ネスレ日本が麦芽飲料ミロの普及を目的としてミ(3)ロ(6)の語呂合わせで「ミロの日」と制定。ワコールが3月から薄着のシーズンでスリ(3)ム(6)の語呂合わせで「スリムの日」と制定。毎月6日は「メロンの日」(全国メロンサミットinほこた開催実行委員会)、「手巻きロールケーキの日」(モンテール)。
3月7日 さかなジャパンプロジェクト推進協議会がさ(3)とな(7)の日に魚を食べることを提案していることから「さかなの日」と制定。日本サウナ・スパ協会がサ(3)ウナ(7)の語呂合わせで「サウナの日」と制定。味のちぬや(香川県三豊市)がメンチカツを関西ではミンチカツと呼ぶことからミ(3)ンチ(7)の語呂合わせで「メンチカツの日」と制定。毎月7日は「生パスタの日」(全国製麺協同組合連合会)。

特定非営利活動法人(NPO法人)にも一般社団法人にも役員の中に監事が設けられています。監事は活動や金銭関係の監査をする立場なので、それぞれの法人の理事になることも職員になることも法人から収益を得ることもできません。そのようなことをすると公正に監事の役割ができなくなるからというのが法律の姿勢です。
ということで、これまで私は多くの法人の立ち上げに参加してきましたが、自分の特技や人脈を活かすことでは理事にはなっていたものの、それ以外では監事の立場で関わってきました。といってもボランティアだから何もしないということではなくて、法人の基礎を作り、法人登記もして、活動に必要な体制を作り、活動の中身にも関わってきました。東京から岡山に移住してからは、2つの特定非営利活動法人、1つの一般社団法人の監事を務めています。
日本メディカルダイエット支援機構は特定非営利活動法人で、こちらは理事長なので、普通でいったら収益を得ることはできる立場です。ところが、公益100%の活動で、しかも設立時に内閣府との約束で公益事業として収益を得てよいのは教育と情報発信に限られたので、これに関してはあまり収入を得ることはできていません。
東京にいたときには、例えばメディカルダイエットを冠した資格認定ができる唯一の団体ということに目をつけた団体や企業と提携して、資格認定講習を実施して講習料と情報料を得ることができました。また、健康関連の団体の広報事業の一部を受けて、定期的な広報誌・紙やイベントでの講師なども行うことができました。さらに、メディアとの付き合いも長かったことから全国キー局に情報を提供したり、メディアを通じて情報発信したい企業の情報作成・発信の一部を手伝うこともできました。
岡山県では、まったくといっていいほど教育と情報発信で収益を得ることができないのに、別の形での収益が得られない法人の監事を引き受けて、いくつかの法人を支えてきたのは、それらの法人を通じた講習と情報発信という小さいながらもメディア的な活動をすることを目指していたからです。
本来なら、もう始まっていたはずなのですが、コロナ禍でスタートラインで構えたママの姿勢を保っている状態で、いつ号砲が鳴ってダッシュをしてもよい態勢を、もう2年以上も続けています。でも、先が見えてくる出来事が続いているので、これは期待をしているところです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

発達障害による学習障害は、脳の機能がバランスよく使われないために学習の理解が進まず、問題への回答が困難になっていることが指摘されています。そのために落ちこぼれが起こりやすいということだけでなく、高度な知的能力を持っているために授業が面白くない子どもの存在についても触れました。それはアメリカでは落ちこぼれ(drop out)に対して、吹きこぼれ(boil over)として認識されていて、特徴的な用語としてギフテッドが使われています。
ギフテッド(Gifted)は先天的に平均よりも高度な知的能力を持っている人を指す傾向で、アメリカでは「同世代の子どもと比較して、並外れた成果を出せるほど突出した才能を持つ子ども」と連邦教育省が1993年に定義しています。まず、驚かされるのは定義されていることで、定義があれば、それに対応する支援も行うことができます。
ギフテッドはIQ(知能指数)が高く、特定の学術分野(数学、言語、芸術、音楽など)で高いレベルの潜在能力を持っていることが認められています。アメリカでは子どもの6%ほどにみられるとされています。吹きこぼれは13%ほどとされているので、実際には半分ほどが優れた能力の持ち主として支援対象と考えられています。
アメリカではギフテッドの能力を最大限に引き出すための特別教育プログラムが設けられていて、潜在能力を発揮させるカリキュラムが開発されています。共通のプログラムに当てはめるようなことはなくて、それぞれの生徒の学習能力や突出した才能に合わせてカリキュラムが進められるという特徴があります。そのカリキュラムも、学習の進み方を見ながら、学習レベルや教材を変えていくということも行われています。
これに対して日本はどうなのかというと、そもそもギフテッドの定義がありません。そのために教育に進む前に、医療機関で発達障害と間違った診断をされることさえあります。アメリカのギフテッドの割合(6%)を日本に当てはめることはできないとしても、ギフテッドの可能性を常に意識しながら学習の支援を実施すべきだと認識しています。