発達障害ではグレーゾーンという用語が一般に使われていますが、これは正式な診断名ではありません。グレーゾーンは生活習慣病においては診断域に達していないもののリスクが高い境界域を指していて、予備群とも呼ばれています。
発達障害のグレーゾーンは、専門家によって発達障害の可能性が指摘されたものの、すべての診断基準を満たしていないことから、確定的な診断ができない状態を指している通称となっています。
グレーゾーンの主な3パターンは以下のものとなっています。
・調子が良いときも悪いときも診断域外にいるが、診断域との境界に限りなく近い状態の人
・調子の悪いときのみ診断域に入る状態となる
・ほぼいつも診断域内の状態
これらの状態で、発達障害がある人と同じくらいの支援を必要とする人とされています。
グレーゾーンは、どの発達障害の傾向があるのかによってみられる特性が異なるため、特定の状態は存在していません。また、グレーゾーンには、それぞれの人がもつ特性の程度や現れ方が、体調や環境、場面によって左右されるという特徴があります。学校では状態が強く現れるものの、学校では比較的軽いといったことが起こりやすく、家族には気づかれにくいこともあります。
発達障害は数値的な基準がないために見極めにくく、学業成績がよいためにグレーゾーンと気づかれず、成人になってから発見されることがあります。発達障害の特性に気づかず、適切な支援が受けられないことから、周囲に理解されないまま成長して、失敗体験を重ねることにもなります。
そのために二次障害が起こりやすくなっています。二次障害は適切な対処が行われないと状態が悪化して、長期化する傾向にあるため、グレーゾーンでは二次障害の防止が重要なポイントとなっています。
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運動をして筋肉の中で乳酸が多く作られると筋肉の動きが悪くなることについては前回、その仕組みについて紹介しました。乳酸そのものは疲労物質ではないものの、多く発生すると筋肉が動きにくくなって、いやでも身体を休ませないといけなくなります。乳酸は筋肉が激しく動くほど多く発生しますが、中でも筋肉を直接刺激する無酸素運動の筋トレでは発生量が多くなります。そのために運動後には乳酸を分解することが求められます。
乳酸は、もともとが糖質であったことから、運動によってエネルギー源として使うことで減らすことができます。その運動として無酸素運動すると、さらに乳酸が発生することになります。有効となるのは有酸素運動で、ウォーキングやジョギングのように筋肉の負荷がかかりにくく、酸素を用いたエネルギー代謝が高まる運動です。
最も激しく筋肉を刺激する運動といえばボディビルなどの筋トレです。ボディビルダーというと筋肉が重すぎることから走るのは苦手だと思われがちですが、一流のボディビルダーは乳酸を作るだけ作ったあとにジョギングによって乳酸を分解して、エネルギーを作り出しています。このエネルギーが筋肉を増やすためにも使われ、次の筋肉運動のためのエネルギーにもなります。そういったことから、ボディビルのフィットネスクラブの多くには、ランニング&ウォーキングマシンが備わっています。
最大限の力を発生させる運動の強度は最大酸素摂取量で表されます。100%が最大とすると70%の強度のときにはエネルギー代謝が盛んになって乳酸が消費されるうえに、乳酸が発生しにくい運動量となっています。これは乳酸を減らす効果だけでなく、脂肪酸の代謝が高まり、効果的に体脂肪を減らすための運動にもなります。
その強度というのは個人差があるものの、ウォーキングなら、なんとか会話ができる程度の早歩きで時速にすると7km、ジョギングなら時速12kmくらいの強度となります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)
脳の活性化には脳トレとして、九九などの掛け算をする、100から7ずつ引いていくという方法があげられましたが、椅子に座ってじっとしているのではなく、身体を動かしながら頭も使う方法が認知症予防に効果があるということで、取り入れる人が増えています。このような運動に他のトレーニング(脳トレ)を組み合わせる方法はコグニサイズ(cognicise)と呼ばれています。認知を意味するコグニション(cognition)と運動を意味するエクササイズ(exercise)を組み合わせた造語で、運動による認知機能の向上を、さらに高めるものとして期待されています。
コグニサイズを開発したのは、国立長寿医療研究センターで、運動の種類によってコグニウォーキング、コグニダンス、コグニステップ、コグニラン、コグニバイク(自転車)などがあります。最も安全なものといえば室内で行うコグニステップということでしょうが、一人で黙々と脳トレをしながら運動をするだけでなく、同じ目的で集まった人と自然の変化を楽しみながら歩くコグニウォーキングも人気が高くなっています。
ただ身体を動かせばよいということではなくて、軽く息が弾む程度の中強度の運動によって脈拍が少し高まる運動が脳機能の維持・改善によいとされています。
運動と同時に実施する認知機能の課題は、簡単なものでは覚えてしまって、刺激が足りなくなります。正解をすればよいということではなくて、脳への負荷を高めることが目的であるので、新たな課題に取り組むことをしながら、徐々に難易度を高めていくようにします。これによって、認知症の発症を遅らせようというのがコグニサイズの開発目的ということですが、発症を遅らせるだけでなく、そもそも認知症にならないようにするには、それなりの工夫が必要です。
その工夫というのは、単に演習問題を解くということだけではなくて、健康の課題、社会的な課題を考え、話しながら歩くことです。歩いて話をして、それで自分の健康につながり、地域の役に立つなら、こんなによいことはないはずです。
発達障害がある人は、自律神経の調整が乱れやすく、そのために睡眠のリズムが乱れることが指摘されていますが、それだけではなくて自律神経の調整が乱れると、消化、吸収、循環、代謝、排泄の一連の流れに影響が出てきます。交感神経には消化液(唾液や胃液、膵液など)の分泌を抑える作用があり、副交感神経には分泌を盛んにする働きがあります。通常では交感神経の臓器や器官の働きを高めて、副交感神経が抑えるようになっています。心臓の鼓動を高めるのは交感神経で、逆に抑えるのは副交感神経の働きです。
それなのに逆になっているのは、昼間は交感神経の働きが主で、夕方以降は副交感神経が主となっているからで、消化、吸収を盛んにして身体を休めている間に多くのエネルギー源を取り込むようになっているからです。小腸での吸収も蠕動運動も副交感神経が盛んにして、交感神経が機能を低下させます。
吸収された栄養素は血液中に入って全身に運ばれていきますが、血管をゆるめて運ばれやすくするのが副交感神経で、血管を収縮させて血流を低下させるのが交感神経です。交感神経の働きが盛んになると、血圧も上昇していきます。
筋肉でのエネルギー代謝は交感神経の働きが盛んなときのほうが高まるのですが、肝臓や腎臓、生殖器などは交感神経の働きが盛んになっているときには、心臓や筋肉などの働きを高めることが優先されることから働きが低下します。基本的には内臓や器官は副交感神経の働きが盛んになって、リラックスしているときのほうが働きはよくなっているのです。
大腸の働きも自律神経の影響を強く受けていて、副交感神経では蠕動運動がよくなり、交感神経では蠕動運動が抑えられて、便通に影響が与えられます。リラックス状態になるときは便通がよくなり、活動的なときには抑えられるという仕組みになっています。自律神経の調整は生命維持の基本的なところに関わっているので、発達障害で自律神経の調整が乱れやすい人は、1日の生活に大きなマイナスとなっているということです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)
日本人の体質の研究は、メディカルダイエットの研究テーマの一つです。同じ方法を実施すれば同じ結果が得られるというメソッドは、健康づくりには強いコンテンツになることは充分に承知しての発言ではあるのですが、私たちの実践方法は、あれてメソッドとは呼んではいません。というのは、日本人を対象にしているといっても、身体の微妙な仕組みとメカニズムは単に日本人という国籍であれば、同じような反応をするわけではないからです。
同じアジア人であれば、そう大きくは変わらないのではないか、と言われることがあります。欧米人からすると相当に広いアジア全域の人も同じように見えることがあります。ましてや東アジアの日本人、韓国人、中国人となると、まったく同じように見えて、顔だけでなく、身体の反応も同じだと考えるのも仕方がないことだと思います。
しかし、実際には日本と最も近い韓国であっても、そこに住む人の体質は大きく異なっています。北方系民族は身体を温めるために大きなエネルギーが必要であるために、エネルギー代謝がよい体質となっています。体内で発生するエネルギーのうち70%ほどが基礎代謝で、その基礎代謝の70%ほどが体温を維持するための熱エネルギーに使われています。70%のうちの70%なので掛け算で49%、つまり約50%は体温維持に使われています。
半分が体熱産生に使われるというのは日本人の話だろうから、日本人よりも寒いところで暮らす人なら、もっと多くのエネルギー比率になるのかというと、実は大きな差はありません。歴史的に寒いところで暮らしてきた民族は、同じだけのエネルギーを使ってもエネルギー効率がよいので、温まりやすいのです。
逆にいうと日本人はエネルギーを使っても温まりにくい体質ということで、血液の温度が欧米人や北方のアジア人と比べると1℃ほども低くなっています。そのために血流が低く、血液中で脂肪が固まりやすく、それが血糖値や中性脂肪値などが高くなり、さらに代謝が低下しやすいという根本的な弱点を抱えているのです。日本人の健康づくりを考えるためには、こういった体質を考慮しないといけないということです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)
運動をすることによって発生して、身体にとってマイナスになるものとして活性酸素と乳酸があげられます。乳酸は細胞の中のミトコンドリアで糖質が代謝・分解されるときに発生するものです。ミトコンドリアの中に入った糖質のブドウ糖がTCA回路に取り込まれた後には、酸素を用いながら効率的に変化してエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が発生します。このときには完全燃焼のようなエネルギー代謝になることから余計なものが作られることはありません。
TCA回路に取り込まれる前にもエネルギー産生は行われていて、これは解糖系と呼ばれる嫌気性代謝(酸素を用いないエネルギー代謝)で、このときに乳酸が作られます。
乳酸は疲労物質とされています。というのは、乳酸が多く発生すると筋肉の動きが抑制されるようになるからです。筋肉が働きすぎると筋肉の炎症や傷み、関節の傷みなどを起こします。そのため筋肉が過剰に動くことがないように、ブレーキ役として乳酸が作られます。乳酸が多く発生するほど筋肉の動きが悪くなることから、疲労物質とされているのです。
その仕組みですが、乳酸そのものが原因ではなくて、乳酸が作り出されるときに発生する水素イオンによって身体が酸性に傾くようになることと同時に、エネルギー源となる筋肉の糖質であるグリコーゲンの蓄積が少なくなることから疲れやすくなります。
また、筋肉の収縮を起こす筋小胞体とも関係があります。筋小胞体は筋繊維(筋肉細胞)の中にある収縮刺激伝達のための構造です。弛緩したときにはカルシウムイオンが含まれ、カルシウムイオンが放出されるときに筋肉が収縮します。ATPにはリン酸が3個結びついていますが、リン酸が1個はずれてADP(アデノシン二リン酸)になるときにエネルギーが発生します。このリン酸がカルシウムイオンの放出を阻害することから、筋肉が激しく動いてATPが多く作られるほど筋肉の収縮が起こりにくくなっているのです。
食事と運動、食事と入浴、運動と入浴のタイミングによって無理なく効果的にエネルギー代謝を高めるメディカルダイエットの手法は、自律神経の交感神経と副交感神経の切り替えを効率的に活用しています。
運動をすると交感神経の働きが盛んになり、代謝が高まります。このときには筋肉に蓄積されたエネルギー源のグリコーゲンが分解されてブドウ糖として血液中に放出されます。ブドウ糖が多い血糖値が高い状態になると、膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンには全身の細胞にブドウ糖を取り込ませる働きと同時に、肝臓で脂肪酸の合成、中性脂肪の合成を進める働きがあります。
インスリンの分泌は副交感神経の働きで増え、交感神経の働きで減っていきます。運動によって交感神経の働きが盛んになった状態ではインスリンの分泌が減って、その結果として脂肪の蓄積が減るだけでなく、エネルギーとして代謝に使われるものが増えていきます。
入浴は温度によって自律神経の切り替えが変化します。38℃ほどのぬるめの温度では副交感神経の働きが盛んになり、42℃以上の熱めの温度では交感神経の働きが盛んになります。副交感神経ではインスリンが増えて脂肪合成と蓄積が進むようになり、交感神経では逆のことが起こります。
運動をすると交感神経の働きが盛んになることで筋肉の温度が上昇します。それによって脂肪分解酵素のリパーゼの働きが高まり、中性脂肪が分解されてエネルギー化しやすくなります。運動後に入浴すると、筋肉が温まりすぎてリパーゼの働きが抑えられるようになります。運動の直後には入浴をしないで、交感神経の働きが抑えられてきて、筋肉の温度が下がり始めてから入浴するようにします。
こういった自律神経の調整がエネルギー代謝に影響を与えるということです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)
発達障害と勘違いされがちなギフテッド(Gifted)は先天的に平均よりも高度な知的能力を持っている人を指す英語で、アメリカでは「同世代の子どもと比較して、並外れた成果を出せるほど突出した才能を持つ子ども」と連邦教育省が1993年に定義しています。
ギフテッドには、以下のような特徴があり、これだけを見ても注意欠陥・多動性障害と勘違いされるのが多いことがわかります。
・集中力がない
・つまらないときには空想している
・自分に関係のないことは続けられない
・多くのことをしても少ししか終わらせることができない
・多くのことをしても少ししか終わらせることができない。
・感情的なところがあってパワーを持っている人(教師や親など)とやり合う
・エネルギーに溢れている
・睡眠時間が長くなくても平気
・自分が話す順番でなくても話をする
・ルールや習慣・伝統に対して質問をする
・ものをなくす
・宿題を忘れる
・整理整頓が苦手
・注意散漫に見える
・批判や評判に敏感
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)は生活習慣病の要因となるということで、肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症)は、できるだけ早く改善することが求められます。肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症は、どれも血管にダメージが与えられるもので、脳の健康ということでは血管性認知症があげられていますが、アルツハイマー型認知症にも影響が出ることも指摘されています。
これはアメリカでの研究結果ですが、高血圧、糖尿病、心疾患(心筋梗塞、狭心症など)、喫煙の4つの危険因子の有無とアルツハイマー型認知症の発症との関連が調べられています。それによると、危険因子が多いほどアルツハイマー型認知症の発症が増え、3つ以上の危険因子がある場合には、危険因子がない場合と比べて3倍以上の発症リスクがあることが確認されています。
メタボリックシンドロームの改善には、有酸素運動がすすめられます。また、肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症ともに有酸素運動の代表的なものであるウォーキングが有効とされています。歩くことは有酸素運動になるといっても、ただ歩けばよいわけではありません。脳への血流を進め、アルツハイマー型認知症の要因とされるアミロイドβの脳細胞への蓄積も減らすための歩き方としては、一定の負荷がかかるウォーキングが推奨されます。
それは1日に8000歩を歩くうち、20分間は中強度の速歩をするものです。中強度の速歩というのは、なんとか会話ができる速度を指しています。これは続けて20分でなくてもよくて、10分×2回、5分×4回でもよいとされています。この速度だと10分間で1000歩ほどを歩くことになるので、2000歩の速歩となります。
以前から週に3回、30分の歩行が高齢者の認知機能の低下を防ぐとされてきましたが、速歩を加えた歩き方なら20分の歩行でよいとされています。
メディカルダイエットの資格認定講習は、以前に美容系の会社との連携で、300人以上に実施しています。新たに始める資格認定は初級、中級、上級の3段階方式にして、上位資格認定者が下位の講習を開催できる仕組みにしています。
この仕組みは以前の認定でも採用していたのですが、中身が違っています。以前は上位資格認定者が学んだことを、そのまま伝えればよいという方式で、講習テキストの項目も変わらず、説明するために少し詳しく書かれているというものでした。これは連携先の要望もあってのことですが、今回の3段階方式の内容を検討しているときに、以前の詳しく書かれているほうの講習テキストを、そのまま3分割すればよいのではないか、との意見もありました。
300人以上の認定者は、関東が中心で、当面は受講者が重なることはないとは思うものの、前よりも薄いテキストで、最新情報に合わせて更新したものでは、以前の資格認定者には面白くないと感じるようなものとなりかねません。かといって内容が異なると、同じような資格認定の名称で中身やレベルが異なるといったことにもなります。メディカルダイエットの研究成果に基づいているので、大きく変わらないということもあります。
それでは、資格認定の名称を変えればよいのではないか、との意見もあったのですが、日本メディカルダイエット支援機構は「メディカルダイエット」の名称をつけて認定できる唯一のNPO法人であるという特徴を活かすためには大きく変えるわけにはいきません。
ということで、検討を重ねた結果、初級テキストは以前の内容に従いつつも最新の情報に更新して、中級テキストは初級講習の講師となるときの裏付け情報や、もっと大きな視点で語れるように生理学的な要素を増やしました。そして、上級テキストは日本人の体質、生活習慣病対策、効果が高いインターバルウォーキング、そしてサプリメントの法的な裏付けまでを入れることにしました。
一見すると初級と中級のテキストは、以前の講習を分割したようにも見えるところがあるのですが、以前の資格認定者も中級資格認定を取得して、教える側に早くなってほしいということから内容を組み直しました。また、初球から上級まで一貫性を持たせるために全体的に書き直しもしています。
受講料は以前は2万円でしたが、今回は初級講習が1万円、中級講習が2万円としています。趣意書には3段階のテキストの目次もつけてあります。要望をされる方にはデータで送るようにしています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)





