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認知症を予防するためには脳を積極的に働かせることが効果的とされていますが、その逆に脳を休ませることも必要となっています。脳を休ませるといっても、目覚めているときには休んでいるようでも脳は動いています。最も休んでいる状態は睡眠中です。
アルツハイマー型認知症と睡眠の関係については、アメリカのワシントン大学の研究成果が有名で、入眠困難や中途覚醒、早朝覚醒などの睡眠が不安定な人は、睡眠が安定している人に比べてアミロイドβの蓄積が5.6倍になっていたと報告されています。アミロイドβは脳内で作られるタンパク質の一種で、健康な人の脳にも存在しています。
健康な人ではアミロイドβは不要なものとして短期間で分解されて排出されていますが、アミロイドβがくっついて異常なアミロイドβができると分解も排出もされなくなり、脳に蓄積されます。そして、神経細胞に付着します。異常なアミロイドβは有害物質を出すことによって神経細胞が傷ついて情報伝達ができなくなります。進行すると神経細胞が死滅して、脳が萎縮していきます。これがアルツハイマー型認知症の始まりです。
睡眠の質がよいとアミロイドβが作られにくくなりますが、継続した睡眠(夜から朝まで)だけでなく、昼寝でも効果があります。ただし、1時間以上の昼寝はアルツハイマー型認知症のリスクが高まるとの報告もあります。
認知症が進み始めた人の場合には、体内時計の調整が乱れやすく、昼夜が逆転したり、日中に眠気が起こる、夜に眠れないということが起こりやすくなります。昼寝が日中の疲労を回復させるだけなら問題はないものの、昼寝のために夜の睡眠に影響が出るようになると、これは見逃すことができなくなります。
短時間の昼寝によって、脳の疲労を回復させることは認知機能を正常に保つためには有効となるので、20〜30分ほどなら安心して昼寝をしてもよいということです。

厚生労働省が養成している認知症サポーターは1300万人を超えていて、社会の理解は相当に進んでいると考えられます。その理解の上に、さまざまな支援が行われています。介護制度だけでなく、認知症を予防するための方法も各分野で研究・実施されています。社会的な理解があって、社会的に支えるための方法が次々と提言されていけば、安心して生活することもできるかもしれません。
そのための活動として、日本メディカルダイエット支援機構は「脳の健康寿命」をテーマに研究を進めていて、脳の健康寿命の延伸の方法について、さまざまな分野の協力を得て、効果的な手法の提案をしています。
認知症サポーターによる理解に対して発達障害の理解については、10人に1人が発達障害で、生涯にわたって特性が続くことが明らかにされているにも関わらずサポーター制度があるわけではなくて、いまだに理解が進んでいるとは言いにくい状況が続いています。
なんとかして発達障害サポーターが広まって、充分に理解されるようになったとしたら、その先には発達障害を改善するための支援と、支援のための知識が必要となってきます。その支援のための知識として研究を進めているのが「発達栄養学」と「自律神経調整」です。発達障害では、特性によって食事に影響することがあり、自閉症スペクトラム障害では極端な偏食が起こりやすくなっています。また、発達障害全般にみられることとして自律神経の乱れがあり、これが発達障害の状態を悪化させることにもなっています。
そのため、学習障害サポーターとして理解が進んできた段階で、もっと理解を深め、生活の中で改善の支援ができるように、発達栄養学と自律神経調整に基づいた講習も進めていくことを想定して準備を進めているところです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

発達障害を理解するための講習は、認知症サポーターをひな形(モデル)にしています。認知症サポーターは厚生労働省が主導して実施しているもので、認知症に対する正しい知識と理解を持って、地域で認知症の人やその家族に対してできる範囲で手助けをする人を指していて、全国で養成講習が実施されています。
認知症サポーターとして期待されていることとして、次の5つがあげられています。
1.認知症に対して正しく理解し、偏見をもたない。
2.認知症の人や家族に対して温かい目で見守る。
3.近隣の認知症の人や家族に対して、自分なりにできる簡単なことから実践する。
4.地域でできることを探し、相互扶助・協力・連携、ネットワークをつくる。
5.まちづくりを担う地域のリーダーとして活躍する。
このことは発達障害がある人に対しても同じ態度で取り組んで、同じことが広がるようになってほしいところですが、1番目も2番目も、まだ対応がされていないのが実態です。これはサポーター制度があることと、まったくないことの違いがあるからです。
認知症については、認知症サポーターは1300万人を超えていて、それだけでも国民の1割以上、成人人口の約1億人に対して13%以上が理解していることになります。認知症患者は約700万人と推計されていて、当事者は認知症を理解ができない状態であったとしても、その家族は理解をしています。
全世帯数は5000万世帯を超えているので、総人口からすると平均して1世帯は2人となります。ということで、少なくとも理解をしている人は1400万人以上はいるはずです。合計で2700万人というのは4.5人に1人くらいの割合になります。
発達障害は生涯にわたって特性が続くということから600万人が当事者で、1世帯に2人で計算すると合計で1200万人となります。認知症と大きく変わらない数の理解と支援を必要とする人がいることを考えると、なぜ発達障害サポーターがいないのか、制度化されていないのかとの疑問が湧いてくるところです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

発達障害は大きく3つがあげられています。それは自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害、学習障害です。これまで発達障害児を理解するための講習というと、目立ちやすい自閉症スペクトラム障害と注意欠陥・多動性障害が中心となっていて、学習障害は講習時間もテキストの枚数も少なくなっていました。
学習障害は識字障害、書字障害、算数障害に大きく分けられています。識字は読むこと、書字は書くこと、算数は計算することをそれぞれ指していて、この読み、書き、計算は学習の基本中の基本となっています。その基本に障害があると、書かれていることが理解できず、理解できないので書くことができず、計算もできないということが起こります。それぞれが別のことではなくて、関連しながら連続して起こっているのです。
関連しているということでは、学習障害も同じで、自閉症スペクトラム障害では集中しすぎるために全体が見えにくくなって学びにくくなることがあります。注意欠陥・多動性障害では周囲のことに気をとられるところがあるために、集中して学べないことがあります。自閉症スペクトラム障害の特性が強く現れながら学習障害が起こっている、注意欠陥・多動性障害の特性が強く現れながら学習障害が起こっているという子どもも少なくありません。
学習障害は自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害と重なって両方が起こることもあって、全体数では学習障害が一番多いという調査結果もあります。
しかし、学習障害は自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害とは違って周囲からは判別がつきにくく、そのために支援が遅れる要因ともなっています。
発達障害児について理解を進めるための講習では、三大発達障害の特性を伝えるとともに、項目を別にして学習障害の特性についても紹介することに力を注いでいます。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

発達障害の理解が重要であるというのは、理解しないままの対応は発達障害がある人たちを苦しめるだけでなく、これが社会的な問題にもなりかねないからです。すでに社会的な問題を起こしている場面も多々あります。
発達障害はすべての子どものうち10%ほどに発現していますが、その10%の子どもを発達障害児としているのは法律的には間違いといえます。その法律は発達障害者の支援を目的とした発達障害者支援法を指していますが、その第二条(定義)には発達障害は「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と書かれています。
これは発達障害の定義をしたもので、発達障害者の定義ではありません。第二条の2には「発達障害者とは、発達障害がある者であって発達障害及び社会的障壁により日常生活又は社会生活に制限を受けるもの」と書かれています。社会的障壁がなければ、発達障害があっても発達障害者ではないということになります。
社会的障壁というのは、「発達障害がある人が日常生活や社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のもの」を指しています。これも第二条に書かれていることですが、発達障害がある人が暮らしにくいのは、その人にだけ原因があるわけではなくて、社会的障壁がなければ、発達障害として生きにくいような状況にはならない、という考え方が根底にあるのです。
そして、社会的障壁を取り除くための行動を発達障害がある人の周囲にいる人たちが起こさないことには、発達障害者(18歳以上)、発達障害児(18歳未満)を増やし続けることになります。発達障害者と発達障害児の支援は、発達障害児支援施設(児童発達支援事業小、放課後等デイサービスなど)に任せれば済むわけではなくて、その施設での活動がスムーズに行われるように社会的障壁を取り除くための社会的な理解度を高める活動も同時に求められているのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

発達障害はすべての子どものうち10%ほどに発現することが知られています。発達障害が子どもにだけの特有のものであれば、年齢を重ねるにつれて発現数は減っていくことになるのですが、発達障害は脳の機能にみられる障害であることには間違いがなくて、その特性は成人以降にも続いています。
だから、子どもに対する発達障害支援と同じように、成人以降の発達障害支援もするべきであるはずです。しかし、発達障害児(18歳未満)を対象とした児童発達支援事業所、放課後等デイサービスはあっても、発達障害者(18歳以上)を対象とした施設は存在していません。これは発達障害児の支援が児童福祉法に基づいて実施されているからで、法律の範疇の年齢を超えると、他に引き受けられる根拠の法律がなければ支援は実施されないことになります。
発達障害者支援法という法律はあるものの、支援制度を示すのが目的であることから、具体的な支援が法律に基づいて実施されるようなことはありません。
発達障害者といっても高齢者の場合には、認知機能の低下につれて、発達障害が通常の認知機能障害と同時に起こったり、境目がわからないような状態で起こることから、発達障害者の支援の対象というと通常は64歳までとなっています。
発達障害児は、就学以前(小学校入学前)であっても学ぶことはたくさんあります。日々の生活が学びの機会そのものです。発達障害児は、その学ぶことが特性によって苦手であり、入学前も入学後も学ぶ機会において困難さを抱えています。発達障害がある子どもも成人も同じように支援するために理解を進めることが重要であることは認識していますが、発達障害児の理解を進める活動を急ぐべきであるとの認識から、発達障害児を対象とした理解を進めるサポーター制度の重要性を訴えています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

新型コロナウイルスの感染確認者の増減に「一喜一憂」させられる期間が2年以上も続くと、感染者が減って客足が戻ってきても、これは喜ぶべきことなのか、疑問を抱きながら少しだけ喜び、その裏では次の憂いに備えておくという、あまり嬉しくないことに時間を費やされてきました。
本来なら感染確認が減ったときには外出できる喜び、健康になるために身体を存分に動かすということをしたかったのですが、どこかに憂いの気持ちがあると思い切って健康づくりに取り組めないところがありました。
コロナ禍で大きく低下した国民的な健康度を、一気に取り戻すには、義務のようであったり、苦しい思いをするのではなく、長く続けられる条件が望まれます。どんなに効果がある方法でも、楽しさを感じるものでなければ続けることはできません。
どんな方法がよいのか議論を重ねて、それなりの判断ができてから始めることもあるとは思いますが、一回始めてみて、参加者が一回ごとに楽しさを感じているのかを確かめながら変更を重ねていくという実践ありきの方法を指して、「一機一遊」というもじった四文字を提案しています。
“一機”というのは始まり、まとまった物事という意味があることから、“一遊”の前につけています。一度やってみて、うまくいかなかったからといって“一憂”するのではなく、やってみて少しでもうまくいったことに着目する“一喜”の考え方で進められれば、との考えです。
“一喜”は健康づくりの機会に参加した、それぞれの人が感じていて、それを聞き集めることが大切なのですが、これまでの慣習を引きずって一部のリーダーが判断するということが続いているので、それを変えることもコロナ後の健康づくりには大切な態度と考えます。

喫煙とダイエットの関係についての項目もメディカルダイエットの講習では扱いたいのですが、提携先から「健康にダイエットしようとする人がタバコを吸っているわけがないから必要ない」ということを言われて、省くことがあります。私たちが目指しているのは、学んだ人のためだけでなく、その人からダイエット情報を伝えられる人のことも考えているので、その伝えられる人の中には喫煙している人もいるはずです。
ダイエット指導をしていく中で、「ダイエットをするとストレスが溜まるのでタバコは欠かせない」という人がいたり、「タバコをやめると太るからダイエットに成功するまでは吸い続ける」という人までいます。そもそもダイエットでストレスが高まってはいけないはずで、私たちのメディカルダイエットでは無理なく、無駄なくがモットーなので、ストレスを言い訳にしなくてもよい方法を伝えています。
そこで資格認定者には、情報発信の形で、なぜタバコを吸うと太りにくくなるのか、なぜ禁煙すると太るのかということを紹介しています。
これは食後にタバコを吸ってもらい、レントゲン撮影をして胃の動きを観察するというボランティア実験の結果ですが、タバコを吸うと胃が急に激しく収縮して、食べたばかりのものを先へと送ろうとする動きが起こります。これはタバコに含まれる有害物質を早く体外に排出するためのこと、といった説明もされていますが、理由はともかく胃の変化は起こっています。この変化のために胃の中に溜まったものが早く先へと送られていくので、食後の一服は胃が楽になるように感じます。
胃では糖質の消化に2時間、たんぱく質の消化に4時間はかかるのですが、まだ消化されていないのに小腸へと送られていきます。充分に消化されていないので、吸収も少なくなり、食べた割には吸収量が少ないことが、太りにくくなることと関係しています。ただし、食後の一服で胃が楽になるからと食べ過ぎている人の場合は例外となるのですが。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

アーレンシンドロームは光の感受性が強いことから日光や照明が苦手で、特に青い光のブルーライトのLEDの光を強く感じ、非常に不快な気分にされます。テレビ、パソコン、スマートフォンの画面もLEDの光であるため、操作だけでなく、テレビを正面から見ることもできない人もいます。
アーレンシンドロームのために集中することができず、注意欠陥・多動性障害と勘違いされることもあります。
めまいやイライラ、不安、疲れが起こり、頭痛や気分の落ち込み、落ち着きのなさも起こり、状態が進むとうつ状態の引き金にもなりかねません。このことが自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害と勘違いされることがあります。
発達障害では運動機能の発達の遅れから体操や球技が苦手ではあっても、感覚の調整がうまくいかないということは、あまりみられません。それに対してアーレンシンドロームは白い光が眩しくて白いボールが見えにくい、二重に見えるということが起こり、ボールをキャッチできない、ボールが打てない、バレーボールのスパイクで手に当たらないということも起こります。跳び箱のマットも白いために見えにくく、距離感がつかめずに手がうまくつけない、激突するということも起こります。
距離感がつかめないと階段で転ぶ、エスカレータに乗るときにつまずくということがあり、普通に歩いているだけでも強い光を感じたり、白い壁のところでは正常に歩けずに転倒することもあります。
アーレンシンドロームの出現率は6%ほどと推定されています。発達障害の発現率は10%ほどであり、そのうち感覚過敏に起こりやすい自閉症スペクトラム障害は2%ほどであって、その全員に視覚過敏があるわけではないことから、圧倒的にアーレンシンドロームのほうが多いことがわかります。

学習障害児の理解を進めて、社会的障壁をなくしていくための活動は、発達障害の特性や学習障害の特性を知ってもらうというのが通常の内容となります。もちろん、それは、どのような講習をするにしても必要なことですが、それで終わってしまったら、ただ学んだだけ、学んで知っただけ、発達障害であることで差別があってはいけないことを理解しただけで終わりかねません。
学習障害の支援の専門的なところは教育の専門家に任せて、その理解を社会的に進めていこうというのは大切なことではあるのですが、それでは当事者(学習障害児と家族など)との距離は、なかなか縮まらないと考えています。この距離を縮めていくためには、それぞれの地域の方々が、それぞれの知識や経験を活かして、支援活動に参加することが重要です。その参加があれば、より自分に近いこととして感じて、具体的な支援も期待できるようになります。
その見本を示すつもりで、日本メディカルダイエット支援機構では、専門分野の一部である栄養指導の分野で、発達障害と学習障害への関わりとして“発達栄養学”を研究して、講習テキストも作成しています。必要なものを食べて取り入れることは、発達障害や学習障害だけでなく、成長期にある子どもたちにも必要なことですが、発達障害があり、さらに学習障害で困難さを抱えている子どもたちには、もっと多くの栄養摂取が必要です。
ところが、発達障害では極端な偏食が起こりやすくて、工夫をしても食べられないものがあり、これを改善するためには通常の児童のための栄養学では乗り越えることができません。発達障害、学習障害の理解ができれば、専門性を活かしての支援も可能でしょうが、理解の度合いには大きな差があり、それが埋まるまで待っているわけにはいきません。そこで、これまでの研究成果を、できるだけわかりやすく、しっかりと伝えられるように発達栄養学の講習テキストの内容を精査しています。