投稿者「JMDS」のアーカイブ

学習のためには集中できる環境、誰にも邪魔されずに学べる環境が必要だと言われることがあります。集団で雑音があるような環境では学びにくいのは事実で、雑音だけならまだしも話し声がする、それも気になるような内容だと、これは学習向きの環境とはいえなくなります。
学習の目的が、自分にとっての能力を高めるだけであれば、しっかりと学べるのはよいことではあっても、試験をクリアして、次の段階にステップアップすることを目指しているとなると、試験会場で集中できなくなるようなことは避けなければなりません。試験会場は、これまで学んできた学校の教室とも学習塾とも環境が違います。それだけでも集中しにくいところにもってきて、周囲には緊張感をもって試験に臨む人ばかりです。
しかも試験会場を見回る試験官や補助員もいて、覗き込まれながらも試験を解いていくのは苦痛にもなります。中には、周囲の意欲を削ぐような受験生がいることもあります。少なくとも、周囲のざわつきや緊張が高まる場面でも、学んだことを多い出し、正確に回答していくことができるように、個室で一対一で学ぶ環境だけでは、重要な場面で実力が発揮できないことにもなりかねません。
集中して学ぶときには個室のほうがよいこともあります。それは認めるところですが、いつも個室ではなくて、集団で学ぶ機会があるときには一緒に学ぶ、少々のざわつきがある環境でも慣れておくためには必要という認識で、さまざまな環境の変化の中で学ぶ機会も設けます。そのときどきの状況に応じて変化できるようにしておくことも大切です。
どんな環境でも動じないようにするのが大切、といっても発達障害、学習障害があると変化には動じやすくなります。特に感覚過敏があると異なる環境では視覚、聴覚、嗅覚が強く刺激されることもあり、温度や湿度の変化の肌感覚が触覚過敏では不快に感じやすくもなります。だから、自分の部屋に閉じこもっての勉強・試験問題回答だけでなく、学習塾も活用すべきだと考えます。

「負うた子に教えられる」の別バージョンの「負うた子に教えられて浅瀬を渡る」の意味を説明して、背負われた子どもの目線は大人よりも高いので、川の浅瀬がよく見えるということを紹介しました。それを「老いた親に教えられる」という言葉に変えたのは、目線を変えることの重要性を伝えたかったからです。
目線を変えるというのは、困難に立ち向かったり、新たなことに挑戦するときにアドバイスとして言われることですが、目線を変えるためには、さまざまな経験が必要となります。ただ目線を変えればよいということではなくて、新型コロナウイルス感染症のような未知の脅威、どこまでの被害が広がるか、また拡大するのかが見通せない状況のときには、これまでの経験と勘も重要です。変えた目線が、それでよいのか、もっと違う目線はないのか、いろいろと変えて見たものから、どれが最もよいのか、コロナ禍を打破するのに採用すべき方法なのかということを見極めるためには、経験と経験から培われた勘がないと誤った判断をしかねません。
コロナ禍は、過去のどの社会不安と被害と比べても最悪の状況であるとの見方もされていますが、それを越えるとしたら、第二次世界大戦の後の大混乱期しかないのかもしれません。その時代を生き残ってきた人の意見を聞けと言っているわけではなくて、その経験を聞き、それを言い伝えてきた人の声だけでも聞いてほしいのです。ということを言うと、原爆体験者の声を思い浮かべるかもしれませんが、それ以外にも言い伝えられてきたことは業界ごとにあります。
私たちの関係先の臨床栄養の世界を例にあげると、昭和22年の戦後初の食品成分表が発表されたときには今でいう有機無農薬で栽培された野菜にはビタミン、ミネラルが豊富に含まれていましたが、何年かごとに発表になった食品成分表と見比べてみると、驚くほど減少している成分があります。最新版か、その一つ前の食品成分表を学んだ人にとっては少しの変化にしか見えないのですが、ずっと前からの変化を見てきた大先輩(“老いた親”と言ったら叱られてしまいそうですが)は、大きく低下した栄養素を補うには通常のレベルの栄養補給では不足したままだということがわかっています。
コロナ禍で大きく低下した健康度をV字回復させるためには、歩かなくなった分だけ健康ウォーキングの機会を増やそうということを伝えてきましたが、栄養摂取についても以前よりも多くの量を摂らないことには健康度を高めることはできないとの認識で、栄養改善のためのアドバイスにも取り組んでいるところです。

◎健康ジャーナリストと呼ばれたくなかった
医療ジャーナリストという職業分類があって、何の仕事で食べてきたのかと聞かれれば、医療ジャーナリストだと答えてはいますが、だんだんと消費者が知りたいことを伝えているうちに、“健康ジャーナリスト”と周囲に認識されるようになっていきました。
健康ジャーナリストという職業分類は存在していないので、今も聞かれれば医療ジャーナリストだったと話すようにしていますが、一時期は“健康ジャーナリスト”を肩書きにするライターが数多くいました。健康雑誌に記事を入れているだけでも名乗れるし、ネット情報では自由に表現できるので、単に健康に関わる商品の情報を伝えているだけでも、ジャーナリストと自称する人は数多くいました。
私が専門誌に書いた情報、単行本に書いた情報を、事実の部分だけ引用して、自分のオリジナル原稿のように書いていた自称ジャーナリストにも多く会いました。私に取材を申し込んできて、そこで聞いたこと自分の考えのようにネットメディアに乗せた自称ジャーナリストもいました。そんなことを続けていると、正しい情報を正しく伝えられなくなってしまいます。
そのようなことではいけないと、健康ペンクラブを設立して、情報は必要な人には正しい情報を伝えてあげて、間違いのない発信をするようにサポートしてきました。この活動による評価は、お金ではなくて、正しく伝わるように書かれた記事やニュースでした。
自分として健康ジャーナリストとは名乗りたくない理由の一端ですが、そもそも医療ジャーナリストの仕事ができていたのは情報源の行政や団体などは東京にあり、それを伝えるメディアも東京にあったからです。岡山に移住してからは、以前から手がけていた全国キー局のテレビ番組や全国版の雑誌などにネタを提供するくらいのことで、ジャーナリスト、それも医療ジャーナリストと名乗れるような内容でなくなったと認識しています。
それでも11年半前から始めた「健康情報メール」は今も毎週、発信し続けています。行政、団体、研究機関、大学などの医療・健康関連の発表データを集めて、それをメールで関係先に発信するサービス(やってもお金にならない“身から出たサービス”)です。本年(2021年)11月13日で600号になります。これは医師や研究者、団体役員、メディア関係者に発信を始める前から自分のためにやっていたことで、最新情報を更新しておかないと、古い情報、つまり間違った情報を流すことにもなりかねないからです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

活動による消費エネルギー量は、「活動係数×補正係数×体重(kg)×時間(分)」によって計算されます。年齢と性別によって補正係数は異なります。男性は女性よりも補正係数が高く、年齢を重ねるにつれて補正係数が低下していきます。
年齢・性別による補正係数は、男性の場合には、10歳が1.537、11歳が1.455、12歳が1.372、13歳が1.372、14歳が1.219、15歳が1.157、16歳が1.120、17歳が1.091、18歳が1.062、19歳が1.032と徐々に低下していきます。
基本となっているのは20~29歳の1.000ですが、30~39歳は0.955、40~49歳は0.930、50~59歳は0.926、60~69歳は0.909、70~79歳は0.893、80歳以上は0.864とされています。
女性の場合には、10歳が1.463、11歳が1.372、12歳が1.293、13歳が1.223、14歳が1.153、15歳が1.083、16歳が1.037、17歳が1.008、18歳が0.996、19歳が0.983と徐々に低下していきます。
20~29歳は0.959、30~39歳は0.909、40~49歳は0.872、50~59歳は0.864、60~69歳は0.864、70~79歳は0.860、80歳以上は0.860とされています。
男性では補正係数が20~29歳は1.000ですが、女性の場合には17歳から18歳の間が最も1.000に近くなっています。補正係数は年齢によって低下していきますが、男性のほうが多くのエネルギーが必要だということがわかります。

文部科学省の「食に関する指導の手引」では教科ごとの食に関する指導を各論として掲載しています。ここでは家庭、技術・家庭の小学校の食に関連する内容を紹介します。
(エ)他教科などとの関連
*体育科の第3学年および第4学年における健康によい生活に関する学習、第4学年までの食育に関する学習を振り返り、食事の役割や日常の食事の大切さや食事の仕方についての理解を深めます、
*理科の第5学年における植物の種子の中の養分に関する学習で扱うでんぷんとの関連を図り、でんぷんは炭水化物の一つであることに触れて指導することもできます。
エ 栄養教諭の関わり方
*給食を提供する際の留意点について説明し、食物アレルギーを有する児童がいる場合は、材料にアレルギーの原因となる物質を含む食品がないかなど、学級担任や教科担当と複数で確認し、事故の防止に努めるようにします。
*給食に用いられている食品、献立の工夫、給食ができるまでの過程、児童の給食の摂取状況および課題などについて説明したり、食品を実際に見せることにより、児童の日常の食事への関心を一層高めたりして、栄養のバランスを考えた食事のとり方の理解を一層深めます。
*給食の献立を取り上げながら、食品の種類や組み合わせ、健康に良い食事のとり方などについて説明したり、児童の作成した1食分の献立に具体的なアドバイスを行ったりします。また、より児童の食事づくりへの関心を高めます。
*給食における衛生管理の取組や工夫について知らせ、調理に必要な用具や食器の安全で衛生的な取り扱いおよび加熱調理器具の安全な取扱いなどの具体的なアドバイスを通して、基礎的な取り扱いについて理解させます。

危機的状況に巻き込まれたときに、パニックを起こさず、平常心を保ったままで行動を起こすためには、慣れが大切です。とはいえ、新型コロナウイルス感染症のように、これまでに経験をしたことがない状況に追い込まれた場合には慣れている人はいないので、平常心が保てないままに行動したことが、悪循環を起こしてしまうことにもなりかねません。波が何度も襲ってくるようなことを経験しているので、次の波が起こったとしても問題なく過ごせるのかというと、それに自信をもってYESと言える人は、ごく少数のはずです。
今回のコロナ禍が大したことがないといえるほどの経験をしてきたのは、今では後期高齢者となった戦争体験者です。何も戦争に兵士として参戦した人ということではなくて、戦後の厳しい時代を、子どもであったとしても体験してきた人の危機管理意識には大いに見習うべきところがあります。だから、高齢者の意見を聞くべきだということで、「老いた親に教えられる」という諺(ことわざ)をもじった言葉を今回のテーマとしました。
この元の諺は、「負うた子に教えられる」です。背負っている子どもというのは幼児のことを指していますが、幼児に何を教えられたのかというと、進むべき道です。「負うた子に教えられる」には別バージョンもあって、「負うた子に教えられて浅瀬を渡る」という諺もマイナーではあっても言い伝えられています。
その意味は、小さな子どもは一人では川を渡れないものの、背中に背負われた状態だと大人よりも目線が高くなり、浅瀬を見つけて、そこを渡るように教えることができるということで、子どもに教えてもらったとおりに川を渡ると深みにはまらずに済む、安全に渡ることができるということを示しています。
コロナ禍と、その後の歩む道を示してくれるような諺ですが、それを使わないで、わざわざ「老いた親に教えられる」をテーマとした理由については次回に続きます。

ビタミンCは水溶性ビタミンで、多くの量を摂っても体内では長くは保持されないために、毎日摂る必要があります。コラーゲンやホルモンを作るのに必要で、鉄の吸収を高める作用があります。
1日に摂取すべき量については「日本人の食事摂取基準」(2020年版)に掲載されています。
ビタミンCの男性の推奨量は年齢によって異なります。
〔男性:ビタミンC推奨量〕
1〜2歳:40mg、3〜5歳:50mg、6〜7歳:60mg、8〜9歳:70mg、10〜11歳:85mg、12〜14歳:100mg、15〜17歳:100mg、18〜29歳:100mg、30〜49歳:100mg、50〜64歳:100mg、65〜74歳:100mg、75歳以上:100mg。
これに対して、女性の推奨量は以下のとおりです。
〔女性:ビタミンC推奨量〕
1〜2歳:40mg、3〜5歳:50mg、6〜7歳:60mg、8〜9歳:70mg、10〜11歳:85mg、12〜14歳:100mg、15〜17歳:100mg、18〜29歳:100mg、30〜49歳:100mg、50〜64歳:100mg、65〜74歳:100mg、75歳以上:100mg。
ビタミンCの推奨量は男女でまったく差はありません。吸収率(利用効率)は80〜90%ですが、摂取後90分から3時間でピークに達して、その後は急速に濃度が低下していきます。大量摂取による健康被害の報告はないことから、耐容上限量は定められていません。活性酸素を消去する抗酸化作用があり、早く抗酸化作用が発揮されることから、運動をする人は多めに摂ることがすすめられています。

運動によるエネルギー消費を高めるためには、運動の強度を高めることと運動にかける時間を長くすることが基本となります。運動による消費エネルギー量は筋肉量や代謝効率など個人差がありますが、概略の活動係数が求められています。
その基本として使われているのは「日常生活時のエネルギー消費量」の係数で、日本体育協会スポーツ科学委員会によって作成されました。活動による消費エネルギー量は年齢と性別によって補正係数が定められており、これを用いて計算することによって、各人にとっての運動による消費エネルギー量を知ることができます。
活動による消費エネルギー量は、「活動係数×補正係数×体重(kg)×時間(分)」によって計算されます。体重が50kgの20代の女性がジョギングを30分した場合の消費エネルギー量は「0.1380×0.959×50(kg)×30(分)」となり、エネルギー消費量は198.513(kcal)となります。
活動係数は移動の場合には、散歩は0.0464ですが、歩行では分速60mは0.0534、分速70mは0.0623、分速80mは0.0747、分速90mは0.0906、分速100mは0.1083となります。階段(昇り)は0.1249、階段(降り)は0.0658と昇りと降りでは大きく違っています。自転車は普通速度では0.0658ですが、平地で時速10kmは0.0800、時速15kmは0.1207、上りの時速10kmは0.1472、時速15kmは0.2602、下りでは0.0269と大きく変化します。
ジョギングの場合には、軽めでは0.1384、強めでは0.1561となります。ジャズダンスであっても0.1517、テニスでも0.1437であり、早歩きと、あまり大きな差がないことがわかります。

音楽を聴きながら学習することは、マスキング効果による集中力の向上、脳内神経伝達物質のドーパミンによるモチベーションの向上、同じく脳内神経伝達物質のセロトニンによる精神安定、脳の海馬を刺激することによる記憶力の向上といった効果が認められています。しかし、音楽の種類によっては、かえって学習の妨げになることもあるので、選曲には注意する必要があります。
まず避けなければならないのは歌詞がある曲です。歌詞があると、それが周囲の音と一緒に耳から脳に入り、雑音や話し声などと同じように集中できない原因を増やすことにもなります。同じ歌詞がある曲でも、日本語の歌詞は言語を司る左大脳半球にある言語中枢を刺激することになります。中でも聴き慣れている曲の場合には、気を取られやすく、その曲を聴いた前の状況が思い起こされます。そのために、今の目の前のことに集中しにくくなります。
学習するときには、リラックスできるクラシック音楽がすすめられることが多く、確かにクラシック音楽の多くは演奏だけで、歌詞がないものがほとんどです。リラックスしやすいのは確かですが、楽曲によっては急に音量が高まったり、刺激的な音が流れることもあり、一時的であっても脳が不要に刺激されることにもなります。クラシック音楽を使うときには、あらかじめ全曲を聴いて、安心して使えることを確認しておきます。
洋楽の場合には、歌詞がない曲、歌詞があっても外国語の曲、初めて聴く曲を準備することがすすめられます。
音楽を聴きながらの学習で最も注意しなければならないのは、常に音楽を流しておいて、音楽のある環境が当たり前になることを避けることです。音楽が流れているときには集中できるけれど、音楽がないと集中できなくなる、ということもあります。試験会場では、音楽は流されていません。自分だけがイヤホンを使って、音楽を聴きながら試験をすることは許されていません。許可されるとしたら、周囲の音を遮断するための耳栓くらいで、発達障害の感覚過敏のうち聴覚過敏がある子どもに許可されることがあるだけです。

コロナ禍で乱れてしまった生活リズムによって、自律神経の働きも乱れていて、これが消化、吸収、循環、代謝、排泄に影響することは、今回のテーマのコラムの初めに紹介しました。コロナ禍で強いストレスを感じている子どもたちの脳の働きを高めるために、何を食べればよいのかというと、第一は脳細胞の唯一のエネルギー源となるブドウ糖が含まれた糖質です。
ブドウ糖をエネルギー化させるためには、水溶性のビタミンが必要で、発達障害による極端な偏食まではいかないとしても野菜不足の子どもは多くなっています。そこをクリアさせるのに野菜は耐えられなくても野菜ジュース、フルーツも入っている野菜ジュースを飲むということで対応はできます。しかし、ジュースでは食物繊維が不足しています。食物繊維は消化も吸収もされないものですが、大腸では腸内細菌によって分解されて、腸内細菌の栄養源(エサ)となります。善玉菌が多いかどうかは食物繊維の摂取量にかかっています。
腸の状態がよいのは集中して勉強をするために必要だと紹介しましたが、もう一つ大切なことは神経伝達物質のセロトニンの生成です。セロトニンは幸福ホルモンとも呼ばれています。セロトニンは脳と腸で生成されるのですが、生成量は腸が圧倒的に多くなっています。どれくらいの違いかというと腸が90%を占めています。この腸のセロトニンが血流に乗って、脳まで届けられています。
セロトニンは気分を安定させて、穏やかにする役割があり、睡眠にも関わっています。セロトニンが不足すると不安やイライラが高まってきます。学習に障害がある子どもの場合は、腸の改善も合わせて実施することも必要だということです。
また、セロトニンには腸を刺激して便通を促進する作用もあります。腸の状態をよくすることは、善玉菌によって便量を増やし、軟らかくして出やすくさせるということのほかに、セロトニンを増やすことも大切なことだということです。
便は水分が70%、食べ物のカスが10%、剥がれた腸粘膜が10%、腸内細菌の死骸が10%ほどとなっています。水分を除いたら、吸収されなかった食べ物のカスと腸内細菌は同じくらいの重量となっています。
今回のテーマの「腹が減ってはいいクソが出ない」はカスとしての便のことではなくて、善玉菌によって腸内での発酵が進んで腸内細菌も増えることも含んでいるし、その結果として脳を正常に働かせるためのセロトニンの量が増えるということも指しているのです。