Medical Diet67 やせるための入浴温度

メディカルダイエットの手法で、入浴の温度によって体脂肪を増やす方法について前回紹介しましたが、どちらかといったら体脂肪を減らしたいという要望のほうが多いのは事実です。自律神経の交感神経は興奮系の作用があり、入浴温度を42℃以上にすると交感神経の働きが盛んになり、その後の代謝が高まります。
入浴と食事との関係では、交感神経の働きが盛んになった状態で食事をすると、胃液の分泌量が減って消化が抑えられます。小腸は交感神経によって吸収が抑えられます。膵臓から分泌されるインスリンは交感神経によって抑えられるので、インスリンを使って肝臓で行われている脂肪合成も、脂肪の脂肪細胞への蓄積も抑えられるようになります。
入浴温度が高ければ、その効果が高まるということではなくて、42℃を超えて交感神経の働きが盛んになったあとは、温度の高さにはあまり関係がなく、同じような状態が続きます。無理をして温度を高くする必要はないわけです。交感神経に切り替えたあとは、徐々に低下していきますが、食事に関係する効果は30分以上は続くので、あわてて入浴直後に食事をすることはありません。
体脂肪を増やしても、不健康な太り方ではいけないわけで、増えた体脂肪をエネルギー化させて、その作り出されたエネルギーを効率よく使って、健康の維持と増進に使ってほしいのです。ということで、体脂肪が増えてきたら、これをエネルギー化させるために、入浴温度を調整して代謝を高めることを考えるようにします。
高めの温度での入浴は肩まで沈めた全身浴では脳が温まりすぎて、いわゆるのぼせた状態になるので長くは続けられません。そこで全身が温まったら上半身をお湯から出す半身浴に切り替えます。下半身は42℃以上に保たれることで交感神経が保持され、血流が盛んになるために入浴中の代謝が高まります。入浴で10分につき100kcalのエネルギー消費がある、体脂肪がエネルギー代謝によって減っていくというのは、このような半身浴によって得られる効果です。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)