日本肥満学会は、新たな症候群の対策として体重を増やすことを主とした発表を行いました。
それは「閉経前までの成人女性における低体重や低栄養による健康課題」で、これまでの体脂肪を減らすメタボリックシンドローム対策とは逆という印象があります。
その発表の中から、新たな症候群の概念の「症候群の概念・定義」を紹介します。
〔症候群の概念・定義〕
◎FUSの定義は、「低体重または低栄養の状態を背景として、それを原因とした疾患。症状・徴候を合併している状態」とする。本ワーキンググループで、低体重や低栄養がもたらす健康障害の全体像を明確にし、診断基準の設定を試みた。
しかし、基準を明確に定めるエビデンスが不足していることもあり、現時点では疾患概念としての枠組みを提示することに留める方針とした。
◎FUSの概念設定の本質的な目的は「明らかな他疾患では説明できない、主に低体重・低栄養が背景となった多彩な健康障害」に着目し、早期発見・予防・介入の枠組みを構築することである。
さらに、原因疾患を持つ患者には適切な治療を優先する必要があることから、摂食障害や二次性の低体重(甲状腺機能亢進症、悪性疾患など)はFUSとして捉えるべきではなく、原疾患に対する治療を優先すべきである。
◎現時点のFUSは、主として18歳以上〜閉経前女性を対象に検討された概念であり、この概念には閉経後の女性や男性は含まれない。
これは、閉経後女性ではホルモン環境や加齢要因が大きくなる可能性があり、疾患・症状・徴候の原因について議論を要するからである。
また、男性においても低体重や低栄養に伴う健康障害が生じ得ると考えられるが、現時点では女性における有病率や影響の大きさが顕著であり、今回の概念に含めなかった。
ただし、将来的に、これらの集団における病態や健康障害に関するエビデンスが蓄積されれば、FUSの適用範囲の拡張や疾患概念の再定義が検討される可能性がある。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






