医師による栄養指導は「予算にない仕事」そのものかもそれません。医師の場合は“保険点数にない仕事”と表現されることが多いのですが、医師として患者に栄養指導を行っても保険点数はつきません。
それは医師の業務に健康指導が入っていなくて、保険点数がつくのは医療機関の管理栄養士によって栄養指導が行われた場合に限られています。
となると、時間を割いて患者に栄養指導をしても稼げないことを承知で指導をするか、栄養指導をしないか、もしくは患者に資料(注意点や献立案など)を渡すだけになります。
しかし、栄養指導は生活習慣病の治療には必要なことで、中でも糖尿病は、まずは栄養指導を行い、それで期待する結果が出ない場合には栄養指導に加えて、運動指導を行うのが基本です。
それでも結果が出ない場合には、医薬品(血糖降下剤)を使うことになるわけですが、その場合も栄養指導と運動指導は続けるのが基本中の基本であるのに、いきなり医薬品を出す医師がいます。
医薬品を使わないにしても、使うにしても、食事と運動の効果が出やすいように「食事×運動」の研究を始めたことが、メディカルダイエットの始まりです。
私はNPO法人日本メディカルダイエット支援機構の理事長を務めています。
医療機関の管理栄養士による栄養指導にしか保険点数がつかない制度を推し進めたのは、国立病院の管理栄養士・栄養士のトップで、日本栄養士会の理事長を務めた山本辰芳先生です。私は、山本先生が退官後に開設した病院栄養管理HDS研究所の初めのメンバーで、主任研究員を務めていました。
その後始末のようなことを私がする必要はないとは思うのですが、医師が栄養指導をせずに医薬品に頼るようなことになった現状を伝えることだけは、稼ぎにならなくてもしなければならないとの思いで、今も続けています。
〔小林正人〕






