健康情報学1 健康リテラシー推進の始まり

「正しい情報を正しく伝える」というモットーを掲げて、健康ペンクラブを立ち上げたのは2002年のことでした。

「正しい情報を正しく伝える」というのは、健康リテラシーのスタート地点で、正しい情報を得て、正しく行動をしようと考えていても、発信される情報が正しいものなのかがわからないことには、行動の結果が正しいことなのかもわからなくなります。

発信元の情報が正しくても、それを消費者や生活者に伝える立場の人が正しい知識と正しい認識を持っていなければ、やはり正しく伝えることができなくなります。

2002年は、私が厚生労働省で関わった「保健機能食品等に係るアドバイザリースタッフの養成に関する基本的考え方について」と題した通知(3月13日)が発表されたタイミングでした。

アドバイザリースタッフ制度は、国による資格認定ではないものの、医学、栄養学、薬学などの団体や健康食品などに関わる業界団体が“基本的な考え”(ガイドラインのようなもの)に基づいて教育をして、一定のレベル以上の知識が得られたら各団体が資格認定をするという仕組みです。

医学、栄養学、薬学、保健学、看護学などの専門家が健康食品やサプリメントを消費者が的確に選択して、的確に使うことができるようにすることを目的にしていましたが、四半世紀が経過して、そのような結果になっているかというと、肯定することができない状況であるのは明らかなことです。

健康ペンクラブは、健康に関わる情報提供者(研究者、全国キー局のテレビ番組制作者、出版書籍編集者、健康雑誌編集者、業界紙編集者、広告代理店の営業マン、健康関連のライターなど)が正しい情報を正しく伝えることができる環境づくり(少なくとも間違った情報を流さないようにすること)が発足の主意でした。

2002年は、納豆の全国PR(全国納豆協同組合連合会)が始まった年であり、そのイベントやリリース発行を健康科学情報センター(私が代表の民間組織)が引き受けていたこともあって、健康に関わるメディアとのつながりを深くしたいという願望が少なからずあったのは確かです。

いくら正しい情報を正しく伝えたいと願っても、最終的に受け取る消費者・生活者の“リテラシー”が低いままでは、実際の健康づくりに活かしてもらえないという不安(危機感)があり、情報を発信する側の責任として、健康情報学と健康リテラシーの推進も同時に進めるという意思のもとに始めたことでした。
〔小林正人〕