病院給食の委託会社よりも、もっと強く「病院給食の敵」と言われていたのは、健康食品でした。
臨床栄養の世界では、それぞれの人の状態を把握して栄養摂取の指導をしてきました。入院患者なら、病院側のスタッフで健康食品の摂取をチェックすることは可能でも、通院患者となると不可能な状態です。
栄養指導をしても、「このお茶を飲んでいるから」「この健康食品を飲むと食事制限をしなくても血糖値が下がる」といった患者が多いという話は、健康食品を敵とみなしている現場では、よく耳にしていました。
そのようなことを栄養指導のときに栄養士に話す患者は少数派で、ほとんどは隠れて、こっそりと使っている現状がありました。
治療食で好結果が出ても、栄養指導のおかげなのか、他にも使っているものがあるのかわからない状態では、敵を潰そうとする声が出る(声だけでなくて手も出るようなこと)のもわからないではありませんでした。
ところが、国の規制緩和(海外からの外圧)によって、従来は医薬品だったビタミン、ミネラル、アミノ酸、ハーブが食品としても使うことができるようになりました。
さらに、2001年からは医薬品の成分であったコエンザイムQ10が食品でも使えるようになって、これに続いてL–カルニチン、α–リポ酸も転換されることがわかってきてから、もう敵ではなくて、味方に取り込まなければならない時代となりました。
敵として戦うよりも取り込んでしまえばよい、という発想が湧き上がってくるのは当然のことです。
2002年に厚生労働省から保健機能食品等のアドバイザリースタッフの養成の通知が出されたときに、初めに手をあげたのは日本臨床栄養協会(臨床医と病院栄養士で構成される団体)でした。
サプリメントアドバイザーという資格認定名を、どの団体が取得するのかということはアドバイザリースタッフの検討が始まったときからの関心事でした。
日本臨床栄養協会の当時の副会長(栄養士のトップ)は、私が所属していた病院栄養管理の研究所の所長でした。私は、その関係もあってアドバイザリースタッフの通知の委員会に送り込まれていました。
このことが、私が臨床栄養とサプリメントという両方の業界とバランスを取りながら長く付き合ってくることができた理由(秘密)の一つです。
〔小林正人〕






