健活keyword5 がん対策のキノコ その1

免疫を向上させることは、最も対応が難しいとされる、がん対策にもなるという認識を抱く人も少なくありません。“少なくない”というよりも、「免疫=がん対策」と考える人は多くて、これは医学やメディアの関係者が誘導してきたのではないか、と疑いたくなることもあります。

免疫向上をうたうことで、実際には抗がん・対がんを強調しているという例があり、その素材のキノコとしてはアガリクスや、メシマコブなどがありますが、これらのキノコが患者を対象としたエビデンス(科学的根拠)は存在していません。

そのような現状を嘆いていたときに、エビデンスが存在するキノコを教えてもらい、中国で取材もさせてもらいました。

その中国で使われているキノコは、槐(えんじゅ)の木に寄生する硬質のキノコで、半円形で形が耳に似ていることから槐耳と書いてカイジと名づけられました。

薬用キノコとして知られるサルノコシカケと似た形をしていますが、サルノコシカケが1つの半円形であるのに対して、槐耳は3つの半円形が重なっています。

槐はマメ科の落葉広葉樹で、原産地の中国ほかに日本にも自生しているものの、槐耳が生えることは稀です。中国では自生が確認されているものの、その数は少なくて、研究が始まった1970年代でも、すでに幻のキノコとされていました。

槐耳の漢方素材としての歴史は長く、1500年以上前の唐時代の医学書『新修本草』には「槐耳には治風、破血、主治五痔、心痛に効果がある」と記載されるほか、多くの文献に効果が記されています。

現代医学による研究は1979年から始まり、中国の8つの医療機関から100人近い研究者が集められ、国家プロジェクトによって薬理作用、臨床試験などが20年に渡って続けられました。

研究対象となったのは、実際のがん患者で、数多くの患者を医薬品と同じ試験方法が実施できたのは、日本とは異なる研究ができる中国だからです。
〔小林正人〕