日々邁進128 アイスクリームの思い出

「甘いものばかり食べていて、よく糖尿病にならなかったな」と言われることがあります。

子どもの頃には甘いものが付きものの寺院で過ごしていたといっても小学校に入るまでのことです。

都市部とは違って漁村や山村では子どもは“甘いものに飢えていた”という状態で、寺院には甘いものがあるということで、近所の子どもたちが何かと用事を作って、“お駄賃”を目当てに訪ねてくるというのは日常的なことでした。

確かに甘いものは多かったといっても、ほとんどが和菓子や米菓で、洋菓子は一緒に過ごした祖父母から食べさせてもらった記憶はありません。

お題の「アイスクリームの思い出」は、寺院でのことではなくて、小学校の入学前に父親の勤務地の山村で父母と暮らすようになってからのことです。

臨床栄養の仕事をするようになって、糖尿病の人が好きなものを調査したことがあって、そのトップはアイスクリームでした。

このことに関心を持ったのは、父親の親族が“糖尿病家系”で、糖尿病は遺伝が関係するということで、父親の好物は何だったのかを思い出してみましたが、少なくともアイスクリームではなかったことは間違いありません。

山村で菓子を売っていたのは1軒だけで、アイスクリームよりもアイスキャンデー(棒状の氷菓)がほとんどでした。これは家庭でも作ることができるというので、小学校の同級生の多くは菓子店で買ったことはなかったと記憶しています。

それも冷凍庫はおろか冷蔵庫もない家庭が多かったので、雪国の利点を活かして、雪が積もっているときに外で自然凍結させるという昭和30年代ならではことでした。

私の家には冷蔵庫はあったのですが、氷を少しだけ作ることができる初期型だったので、アイスクリームを作ることは不可能でした。

ということで、私が初めて食べた母親の手作りアイスクリームは、積もった雪の中に埋めておいた茶筒の中にありました。材料は牛乳と鶏卵、砂糖だけということを知っていたのは、母親が材料を混ぜて、茶筒の中に入れているのを見ていたからです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕