医師の無知は、知識がないのに知っているふりをする(嘘をつく)ことになる、という話を前回しましたが、それに輪をかけてよくない結果を招いてしまうのは生活習慣病の患者の嘘です。
生活習慣病であるのかどうかは、検査をすればわかります。特に数値で状態が明らかになる糖尿病、高血圧、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症)、肝機能障害、腎機能障害などで、これは嘘をつきにくいものです。
それでも、患者の中には糖尿病であるのに“予備群”だとか“糖尿病ぎみ”といって誤魔化そうとしている人が少なくありません。この場合は嘘を言っているのは周囲の人ではなくて、自分自身に対してです。
自分に嘘をつくのは、糖尿病を例にすると食事療法や運動療法をしたくないからという理由が多くなっています。
この嘘は数値を把握している医師には通じなくて、医師に対しては別の嘘をつくことになります。それは食事療法も運動療法も指示のとおりにしているのに血糖値が下がらないというようなことで、その嘘の結果は薬が増える、薬が強くなるということです。
糖尿病の治療ガイドラインに従うなら、医師は食事療法と運動療法をしても効果が望めない段階で医薬品(血糖降下剤)を使うべきです。
それも食事療法で効果がないなら、食事療法に運動療法をプラスする、それで効果が望めないなら食事療法と運動療法を続けたまま医薬品を使用するというのが正しい治療法です。
ところが、いきなり医薬品を処方する医師も多くて、そんなにも重症な(手遅れの)患者が数多く押し寄せているのかと皮肉を言いたくなるような例も多く見てきました。
嘘を言っているのが患者なのか、医師なのか、それとも両方なのか、という問いかけには、まだまだ結論は出せそうもありません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






