日々邁進:番外5 書籍原稿の後始末 その3

書籍の原稿作成が原稿用紙への手書きからワードプロセッサー、パソコン(文字変換ソフト)へと変化していく中で、編集作業も楽になり、文字校正も随分と変わっていきました。

手書きの原稿の時代には、オペレーターが文字を打ち込んで作成するということが主流で、オペレーターの読み間違い、打ち間違い、変換ミスということは織り込み済みのことでした。

そのため、打ち上がってきたゲラ刷り(印刷用レイアウト)の文字と、原稿を見比べながら一区切りずつ、時には一文字ずつを確認して修正指示をするというのは欠かせない作業でした。それもあって編集作業の半分ほどは文字校正の作業ということもありました。

ワードプロセッサーで原稿を作成して、それが手書き原稿の代わりに編集者のところに届くという時代になっても、初期の段階では手書きと同じような状態(手書き原稿よりは見やすいのでオペレーターの間違いが少ない)というくらいでした。

そこからワードプロセッサーも進化して、今のパソコン原稿と同じように、そのまま編集用パソコンにデータを入れて、印刷レイアウトに近いものが作成できるようになりました。

それでもワードプロセッサーで原稿を提出してくる人がオペレーター並みのプロでない限りは、間違いは多くありました。打ち間違いや変換ミスは日常茶飯事で、「かえって手書き原稿でもらったほうが間違いが少ない」と言われた時代もありました。

パソコンの機能が向上して、一般の方が作成した原稿でも間違いが少ない状態にはなりましたが、それがかえってミスを誘発することにもなりました。

デジタル技術を信用することは悪いことではないものの、信用しすぎは大問題で、文字校正が以前に比べると“手抜き状態”となってしまうこともありました。

印刷用レイアウトと同じような状態に見えることから、間違いがあることを疑ってかかるという感覚が弱まっていきました。

このようは状況から、文字校正のプロよりも、原稿に書かれている業界や世界の事情に詳しいプロが必要になってきました。

そんなプロを擁しているのか、事情に詳しくて間違いを指摘してくれるプロにチェックしてもらえる体制になっていないと、とんだ間違いを書籍として世の中に送り届けてしまったということにもなります。

そのような時代の変化のおかげで、内容の確認をする広い業界に対応できる物知りのプロとしての私の仕事は少し前まで続いていました。

それも70歳を超えてからは急に減って、最近では2〜3か月に1回くらい問い合わせがあるくらいになっています。問い合わせには、すべて応えるようにしています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕