日々邁進:番外8 監修の後始末 その2

書籍には、実際には監修者であるのに著者として出版されている例もあるということを、特殊な例として前回紹介しました。著者であろうと監修者であろうと、自分の名前が出る限りは全部を読んで納得してOKを出す(監修終了)というのは当たり前のことです。

当たり前のことであるのに、著者として名前が出るのに、よく読んでいない、気になるところがあっても、編集者に確認してほしいとのコメントをつけるだけで、具体的な指示が出ないということもありました。

その著者(実際は監修者)が医学や科学といった特殊な世界の有名人で、専門分野の出版社でないと著者のリクエストに応えられないことがあります。そんなときに頼りにされているのが、全体が見渡せる医学・科学の世界の物知りの存在です。

私自身は各業界の専門家ではないものの、医学・科学の分野を専門とするジャーナリストとしても活動していたことから、そんな役割が出版社だけでなく、テレビ局からも回ってきたことがあります。

出版社からの依頼という例では、著名人の兄弟の化学者の書籍の全体監修をしてほしいとの依頼がありました。監修者の監修になるのかと思って、気になるところや修正するところを指摘して、本人に確認してほしいとのコメントをしました。

ところが、忙しい人なので直している時間がないということで、仕方なく、監修者の代わりに資料も示して、書籍として違和感がない修正文も提供しました。

その書籍が出版されたら、なぜか監修者ではなくて著者として表紙に名前が出ていました。

著者となると、事実関係について、さまざまなところからツッコミが入るのは普通にあることで、そのツッコミにも全体監修(いわゆる裏監修)をした立場から、これも資料を出版社の編集窓口、実際に原稿を書いたライターにも渡しました。

それなのに著者(監修者)が「自分が書いたわけではなくて、監修しただけ」という言い訳をするという出版業界ではあり得ないことがあったので、この後始末もジャーナリストとしてやったという苦い思い出もありました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕