発達公益支援7 発達支援と高齢者支援のマッチング

発達障害は、子どもの段階の特性が、そのまま成人になっても継続するという特徴があります。

成人になると、社会での生活への慣れもあって、子どものときのような極端な反応は見られなくなることが多いものの、従来のままの社会との交流が苦手という特性は続いています。

発達障害の改善には、できるだけ早い段階で取り組むことが重要であり、可能であれば就学前の段階で支援するべきです。児童発達支援事業所では主に3〜5歳の未就学児を対象とした支援が進められています。

しかし、発達障害児に対する社会の理解の進みが遅いこともあって、親が子どもの発達障害を隠す、子どもに発達障害であることを伝えない、医療機関で診察を受けていないといった例も少なくありません。

このような状況が続いていては、将来がある子どもの芽を摘んでしまうことにもなりかねません。

的確な発達障害の支援が受けられるようにして、ギフテッドと呼ばれる他の子どもたちに勝るような才能を発揮できるようにしてあげるためにも、地域社会の理解を進め、子どもたちの支援を早い段階から提供し続けるためにも、サポーターの存在は重要な役割を担っていると認識しています。

障害がある人のサポーターというと、脳機能の低下や障害によって起こる認知症サポーターは、国が主導して実施してきたこともあって、認知症患者よりも多く存在するという状況となっています。

それに対して、発達障害のサポーターはないに等しく、それが発達障害の理解が進まず、地域の協力による改善も進みにくい現状につながっています。

発達障害の支援は、発達障害支援施設などで、専門職によって実施されています。しかし、施設の数も、支援スタッフも少なく、施設だけでは対応できない状態となっています。

医療や介護の世界では、人材不足に対応するために、専門職以外でも周辺で支援をして働くことが進んでいます。

発達障害については医療でも福祉でも、専門職でなければ支援は難しいところがあります。それならば、発達障害支援の一番の問題とされる周囲の理解と、できるところからの支援という認知症サポーターと同じような役割をする“児童発達サポーター”を養成することを始めるべきではないかと考えます。

そのサポーターによる社会認識を進めるために必要とされる人材(講師)を、増え続ける高齢者に期待できないか、というのが「発達公益支援」の考えの一つです。

まだまだ元気な高齢者は、身体と脳を働かせる活動をすることで、ますます元気になっていくことは多くの研究で明らかにされています。それこそが「高齢者支援と発達支援のマッチング」に求められることです。
〔小林正人〕