金言の真理151 「阿吽の呼吸」2

「呼吸は最も簡単な健康法」だと言われています。

ただ、息を吐いて吸うだけで、もう一つの健康法であるウォーキングが歩くことと呼吸という二つの要素となっているのに対して、実践するのは一つだけであるので、確かに“最も簡単”と言われるのもわかります。

その最も簡単なことを、当たり前に毎日行っているわけで、それなら誰もが健康になってよいのではないか、との意見が出てきそうですが、呼吸の仕方によって健康効果が違ってきます。

そして、呼吸をしている期間、つまり生まれてから何歳まで生きることができるのか、ということも違ってきます。

長生きのための秘訣は“長い息”との考え方があります。

もしも一生涯の呼吸の数が決まっているとしたら、呼吸の間隔を長くすることで、寿命を延ばすことができることになるのですが、そのようなことはありません。

日本人は、せっかちな性格だと指摘されることがあり、以前に比べて長生きになっている日本人は、呼吸の間隔が長くなっているかというと、かえって短くなっています。

ここでいう“長い息”というのは息を吐く長さ(時間のこと)で、吸うときよりも時間をかけて吐き出すことを指しています。これは深呼吸や瞑想の呼吸では重要項目とされています。ただし、数時間を長くして、短く吐くことを進める呼吸法も存在しています。

“長息”(ながいき)は、自律神経が整えられて、興奮作用の交感神経の働きが抑えられて、抑制作用の副交感神経の働きが高まっていくことが指摘されています。

交感神経は血管を収縮させて、血流を低下させるので代謝が低下することになります。それとは逆に副交感神経は血管を緩めて、血流が盛んになることから全身の代謝が高まります。

肺に多くの空気が入ってくると、血管に取り込まれる酸素も増えていきます。

では、吸うことに力を注ぐべきなのかというと、多くの空気を吸おうとしても、なかなか思うようにはいきません。

肺に勢いよく空気が入ってくるようにする方法として効果があるのは、先に息を吐くことで、吐き切ると吸い込もうと意識しなくても空気が入り込み、酸素が補給されます。

吐き出すべき二酸化炭素が残っているときに、酸素を補給するために空気を吸うのではなくて、先に吐いて、空(から)にしてから吸い込んで、効率よく酸素を補給しようということです。

呼吸の“呼”は息を吐き出すことを指しています。呼ぶ行為は息を吐き出して行います。“吸”のほうは文字どおり吸う行為です。息を吐いてから、吸い込むようにすることを意識すると、吸うことに余計な労力を使う必要がなくなるわけです。
〔小林正人〕