メディカルダイエット20 痩身志向者への対応

日本肥満学会は、新たな症候群の対策として体重を増やすことを主とした発表を行いました。

それは「閉経前までの成人女性における低体重や低栄養による健康課題」で、これまでの体脂肪を減らすメタボリックシンドローム対策とは逆という印象があります。

その発表の中から、女性の低体重/低栄養症候群(FUS)の対処法の「痩身志向者への対応」を紹介します。

〔痩身志向者への対応〕
若年女性に広く浸透している過度な痩身指向は、さまざまな健康上のリスクを伴うことから、正しい理解を促進するための教育介入が必要です。

具体的には、学校教育におけるボディメッセージ教育やヘルスリテラシー教育の中で、以下の項目を重点的に取り入れることが望まれます。

*適正なボディメッセージの形成と体型の多様性に対する理解
*メディア情報を適切に評価・活用する能力の育成
*過度な痩身行動が引き起こす健康リスクについての理解促進
*バランスの良い栄養摂取の重要性と欠食が及ぼす健康問題への理解

その一方で、現代の親世代を含む成人の多くが、理想体重を痩せた体型に偏って認識している実態があり、子どもの体型に関するネガティブな発言が痩身願望を助長する可能性も指摘されています。

したがって、子どもを取り巻く大人も含めた広い啓発活動を行い、健康課題や体型の多様性の理解、包摂的な価値観の普及を促すことが求められます。

そのためには企業や団体と連携して、課題や体型に対する包摂性の認識向上に関する啓発活動を推進することも重要です。

また、月経周期異常や骨密度低下などの健康リスクについては、健康診断などでスクリーニングを実施して、栄養士、医師、心理カウンセラーなどの専門家が連携するなどして、早期診断・介入を行う体制の整備が望ましいとされています。

加えて、エネルギー制限は身体活動低下を招くことも知られており、それが二次的にFUSに特徴的な身体症状を作り出す可能性についても留意する必要があります。

実際に日本の低体重の若年女性では、摂取エネルギーと身体活動量の両方が標準体重の者に比べて低く、「食べずに動かない」パターンが多いことが報告されています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕