無知という話とは最も遠い存在と一般に認識されているのは医師です。あえて“一般に”と書いたのは、そうでもない存在もいれば、むしろ“無知”そのものと指摘されても仕方がないこともあるからです。
医師になるための教育機関(大学の医学部)の中で栄養学講座があるのは3分の1以下で、講座があっても選択科目(必修ではない)で、その内容は栄養不足によって発症する疾患についての講義がほとんどです。
このことは、これまでにも日々邁進や、その前の日々修行の中でも触れてきましたが、私たちが知りたい栄養摂取による健康増進については学ぶ機会がないのが事実です。
これは栄養指導に関する保険点数の条件が影響しているからで、保険点数がつくのは医療機関の管理栄養士による栄養指導が行われた場合に限られています。
医師が栄養指導をしても保険点数がつかないことが医師の学習意欲を低下させ、それが医学教育の中でも重視されていない原因になっていることが指摘されています。
この制度の設立に動いたのは国立病院出身の管理栄養士で、私が主任研究員として身近に臨床栄養について学ばせてもらった病院栄養管理の研究所の所長でした。
治療食に詳しい管理栄養士が栄養指導を行うのは栄養管理の専門家には、よい制度であったものの、栄養学の基本を知らない医師がいること、食と健康に関する情報が溢れかえっていて、何を信じればよいのかわからなくなりつつある今の時代に合っているのかというと、疑問のほうが大きくなっています。
医師の中には、卒業後に本当に勉強をしてきて、栄養と医療を合致させて的確なアドバイスをしてくれる方もいます。東京にいたときには、そのような臨床栄養や予防医学などの学会のトップランクにいる医師とも付き合ってきました。
それとは対局の医師もいて、知らないことを患者に知られると医療行為そのものの信頼にも関わるということから、「知らないのに知っているふり」する医師も少なからずいます。
そんな医師のアドバイスを端から(はなから=初めから)信じていたら、どのような結果になるのか、その想像がつけば、見知っている医師の見抜き方が健康維持の重要ポイントであることはわかることです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕






