食育は、さまざまな経験を通じて食に関する知識と食を選択する力を身につけて、健全な食生活を実践できる人間を育てることを目指しています。
食べることは生きる上での基本であり、知育・徳育・体育の基礎となる重要な教育として位置づけられています。
その推進のための設けられた法律が、食育基本法で2005年7月15日に施行されました。そこから20年を迎えて、農林水産省の食育白書でも、これまでを振り返り、今後を見据えた対応が重視されています。
食べ物を所管するのは農林水産省なので、食育白書を農林水産省が発行するのは理解できるとしても食育は食べ物の教育ではなくて、食べることに関わる産業、食文化、食べ方の教育、食べることによる健康の維持、環境維持、食料安全保障なども含めた広範囲の教育活動です。
そのため、食育に関わる省庁は多岐にわたっています。
食育の7つの基本理念を見ると、その多様性と、いかに重要であるかが理解できるかと思います。
〔7つの基本理念〕
1.心身の健康増進と豊かな人間形成(健全な食生活の実現)
2.食に関する感謝の念と理解(自然の恩恵や関わる人々への感謝)
3.食育推進運動の展開(国民運動としての自発的な取り組み)
4.家庭・教育関係者などの役割(子どもへの食育における責任と重要性)
5.体験活動の実践(農林漁業体験や調理などを通じた学び)
6.食文化の継承と環境への配慮(伝統的な食文化の保護、地産地消、食料自給率の向上)
7.食品の安全性確保(安全な食生活の基礎づくり)
食品を教材に使って、新たなハンバーガーを作って食べてみる、というような単純な対応だけでは「食育の実践」などとは言えないことは、基本理念を見るだけでも気づきそうなものです。
〔小林正人〕






