「発達公益支援」というタイトルを見て、「これは発達障害の支援のことではないか」と気づいた人もいて、そのような問い合わせが次々と寄せられました。
発達という用語は、身体や精神などが成長して、機能がより高度になっていく過程を指しています。
ところが、“発達”を、心身の成長や能力の向上を指すのではなく、“発達障害”を指し示す言葉(まるで隠語)として使われることが増えてきています。(いわゆる“発達ちゃん”という呼び方)
“成長”は、身長や体重などの大きさ・質が増えることを主に意味していて、機能や能力が質的に向上することは“発達”と使い分けられています。
幼児期から大人になるまでの間に、運動、言語、認知、社会性などが段階的に高度化していく心身の変化が発達であり、この成長と発達の意味の違いを知ることが必要です。
発達障害がある子どもの数は年々増え続け、今では子どもの10人に1人が該当するとされています。これは文部科学省の調査から推定されているものですが、発達障害児の増加に合わせるように、さまざまな対応が行われてきました。
それで完全に改善するものではなくて、脳の機能が影響していることから、その程度は下げることはできても、特性は生涯にわたって継続するのが発達障害の特徴です。
子どもの10人に1人ということは、その家族を含めると少なくとも3人(両親と本人)は当事者ということです。生涯にわたって特性が継続するということでは、子ども世代も含めて少なくても10人に3人、総人口の30%ほどが当事者家族となる計算です。
これは家族内のことであって、親戚縁者や学ぶ場、働く場となると、少なくとも半分以上の方々は発達障害について知らない、関係ないでは済まされない当事者と考えて差し支えない状況です。
それなのに、これまでの公的な制度としての支援で止まっていると多くの人が感じているのは、周囲の人が実態を知らないし、わかっていないからです。
知らないから手を差し伸べられない、具体的なことがわからないから情報を得ても行動に移せないという現状を打破するためには、まずは知ってもらう機会を設けることで、それに特化した活動は発達障害児支援施設の運営と同じくらいに重要なことだと認識しています。
そして、同じ認識を持つ“心ある人”との協働を目指して、出会いの機会を設けることだと強く感じています。
〔小林正人〕






