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病院給食がおいしくないと言われる要因の一つに塩味の薄さがあります。塩味は、「しおあじ」と読むのは塩でつけた味の意味で、「えんみ」と読むのは料理の塩の味加減を意味します。塩分は、おいしさの左右する重要な要素となっています。

健康の維持増進を目的とした食事では、摂取する塩分を減らすことが求められますが、それは塩分(ナトリウム)の過剰摂取によって血圧が高まるからで、塩分を減らすことで血圧が低下することがわかっています。

日本人の1日の平均的な塩分摂取量は10gほどですが、厚生労働省の目標量は1日あたり男性が7.5g、女性が6.5gとされています。これは健康な状態の人の場合で、血圧測定で基準値を上回っている場合には1日6g未満が目標とされます。

これを普及・推進するために国立循環器病研究センターでは、「かるしおプロジェクト」によって、塩分が少ない食品、減塩レシピなどの普及に努めています。

塩分制限をしても、おいしいと言われる病院給食は管理栄養士・栄養士にも調理師にも重要なテーマとなっています。その成果を学会で発表した大学病院があり、取材に行ったことがあります。

入院患者に合わせて塩分を微妙に調整することは、大量に調理をする給食では難しいことで、見た目は同じでも塩分量が異なる料理を提供するのは困難だとされているのに、その大学病院では1g単位で患者に合わせているということでした。

取材をしてみたら、最低限の塩分で調理をして、患者によって塩の小袋を食器の横につけて出していました。自分で塩を加えて、個人に合った塩分量にして食べてもらおうということです。

塩分量は同じであっても、いつ加えるのかによって味は変わってきます。塩分量を微妙に変えているということは入院患者の身体にはよいことであったとしても、料理として成り立たないような塩味の使い方は決して誉められるものではありません。

塩分を減らしても、おいしくする方法は複数の方法があります。塩味が薄いということで不評であった病院で、実験的に塩を増やさずに、おいしく食べてもらえることに挑戦したことがあります。簡単に言うと、出汁をたっぷりと使っただけなのですが、塩分を減らしても濃くておいしいとの評価が得られました。

また、汁物は同じ味が続くと、おいしく感じられなくなることがあることから、同じ料理でも醤油味、塩味、味噌味と変化をつけることで評価が高まります。同じ味噌味であっても、白味噌、赤味噌、合わせ味噌と定期的に変えていくことで、変化が生まれて、おいしく感じてもらえます。

さらに塩分が少なくても、酸味、焦げ味を加えることで、おいしく感じてもらうことができるので、いかに工夫に頭を使うか、努力を続けるかということをアドバイスしています。そのアドバイスのために、今でも研究を重ねています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

「聖域なき構造改革」が経済政策スローガンとして掲げられたのは小泉順一郎内閣でのことです。この考えは安倍晋三内閣にも受け継がれて、野党から返り咲いて総理大臣になったときの初の会見で「構造改革を加速させ、補強していく」と語ったことで、構造改革の路線は引き継がれました。

「聖域なき構造改革」の聖域は、既得権を指していて、国が直接手がけていたことを民営化させるときの合言葉のように使われました。郵政民営化、道路関係四公団(日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団、本州四国連絡橋公団の特殊法人)の民営化などによって、公共サービスを民営化させる「官から民へ」が第一にあげられました。

また、「中央から地方へ」もスローガンとされて、国と地方の三位一体の改革として、国と地方公共団体に関する行財政システムの3つの改革(国庫補助負担金の廃止・縮減、税財政の移譲、地方交付税の一体的な見直し)が始まりました。

「聖域なき構造改革」を表す言葉として語り継がれているのは、「今の痛みに耐えて、明日を良くしようとする米百俵の精神こそ、改革を進めようとする今日の我々に必要ではないか」との小泉首相の所信表明演説の言葉です。

小泉首相は「構造改革なくして景気回復なし」と発言して、構造改革によって景気回復を図る骨太の方針を発して、これに反対する国会議員や官公庁を抵抗勢力と呼んで対立していくことになります。

郵政民営化に反対する有力議員は除名、選挙区への刺客の擁立などもあって、小泉下ろしが起こったものの、「郵政民営化に賛成するか反対するか」というわかりやすい争点を掲げた“小泉劇場”によって、総選挙に大勝した歴史は記憶に強く刻まれていることです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

野菜の摂取量を日本とアメリカで比較すると、日本人のほうが多く食べているような印象があります。昭和50年代までは日本人は野菜に多く含まれる食物繊維の摂取量が多いために、大腸がんは少ないものの胃粘膜を傷つけやすいために胃がんが多くなっていました。アメリカでは逆に胃がんが少なく、大腸がんが多くなっていました。

しかし、日本人では野菜の摂取量が年々減少傾向にあることに対して、アメリカ人では健康志向の高まりから増加傾向にあります。そして、1990年に1人あたりの摂取量が逆転してからアメリカ人は増加、減少を繰り返していますが、それでも日本人よりも多くなっています。

人間の歯のバランスに合った食事が最もよい栄養バランスということは前回(発達栄養学13)紹介しましたが、これに合致しているのは昭和30年から40年前半の日本人の食事だったといいます。平均寿命が大きく延びる中にあって、生活習慣病が少ない理想的な状態だったわけです。

こういった考えから、若い世代が好んで食べている食品をみていくと、あまり噛まないでも食べられる食品は、子どもの健康を考えると食卓にのぼる機会を減らしたほうがよい料理に多く使われています。

それをわかりやすく並べたものが「オカアサンハヤスメ」という言葉です。オはオムライス、カはカレーライス、アはアイスクリーム、サンはサンドイッチ、ハはハンバーグ、ヤは焼きそば、スはスパゲッティ、メは目玉焼きを指しています。どれも、あまり噛まずに飲み込める料理ばかりです。

これに対して、身体によい食品を並べた言葉は「まごわやさしい」といいます。まは豆、ごはごま、わはワカメ、つまり海藻、やは野菜、さは魚、しはシイタケ、つまりキノコで、いはイモを指しています。

噛むのに時間がかかる食品が多く、料理に手間もかかるので、子どもが小さく、忙しい家庭では使われる機会が減っています。しかし、栄養バランスを考えて、できるだけ食べる回数を増やしたい食品ばかりです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

「国産とり肉の日」日本食鳥協会が国産とり肉のPRのために干支の10番目が酉であることから10月、肉(29)の語呂合わせで制定。

「トニックの日」花王が育毛ト(10)ニック(29)の語呂合わせで制定。

「ドリアの日」ニューグランド(神奈川県横浜市)がドリアを考案した初代総料理長がスイスから来日した1927年10月29日にちなんで制定。

「てぶくろの日」東和コーポレーション(福岡県久留米市)が、て(10)ぶ(2)く(9)ろの語呂合わせで制定。

「ジビエ(獣肉)の日」サンセイ(大分県宇佐市)、宇佐ジビエファクトリー、日本ジビエアカデミーが獣(10)肉(29)の語呂合わせで制定。

毎月29日:「ふくの日」(日本アクセス)、「クレープの日」(モンテール)、「Piknikの日」(森永乳業)、「肉の日」(都道府県食肉消費者対策協議会)

ここのところ病院給食が修行になっていたのか、そこばかりを書いていますが、それだけ自分にとって先々に進めていく基点になったことであり、修行の本格的な始まりになったとの思いがあり、あと少し書いていくつもりです。

「病院給食はおいしくない」との声を受けて、疾病の改善には仕方がないことである、臨床栄養の立場では個人の希望ばかりを受け入れているわけにはいかない、という提供側の声があるのも理解はしています。

私は医療の専門家でも臨床栄養の専門家でもなくて、それらをまとめる役割、そして問題点や改善点があれば、それを伝えていく役割だとの認識で、医療分野における食事を見てきました。

おいしいというのは、食器に乗せられている料理の出来だけにかかっていることではなくて、食事環境も食器も提供の仕方も関係しているということを何回かに分けて書いてきました。

ある大学病院では、医療レベルに比べて食事の内容が低いことを指摘されて、すべての改善を行ってきたのに、まったく評判が変わらないということから改善点の相談をされたことがあります。

病院給食の作り手は、配膳カートに乗せて病室の近くに運ぶところまでが役割で、そこまでを改善しても、そこから先が変わらないと食事としての改善につながらないことがあります。最終的に患者のところに食事を提供するのは看護師や、その補助をする人の役割です。

ただ運ぶだけではなく、食事を通じて患者の状態を把握することも大切で、あまり食べられない入院患者に対する態度や声掛けも重要になります。配膳だけでなく下膳も大切で、食べ終えた食器をトレーごと回収して配膳カートに戻せば終わりということではありません。

提供した食事が、どれだけ食べられたのか、その結果は栄養摂取の状態を把握する管理栄養士に伝わる必要があり、約束食事箋(栄養素の摂取量を指示したもの)として指示した医師にも伝わって、初めて食事は完了したことになります。

その病院に限ったことではないのですが、トレーに食事をした入院患者のプレート(氏名や食事の内容が書かれたもの)が乗せられたまま回収できていれば、食事の状態は把握できるのですが、回収後のトレーとプレートが別々に集められていました。これでは回復具合と食事の結果を対比してみることができなくなります。

その病院では、時間通りに全員に配膳をするのが当たり前に行われていましたが、検査などで通常の食事時間に遅れてくる入院患者もいます。そのことを看護師は把握しているはずなのに、ベッドの食事台に置きっぱなし、ラップなどで汚れないようにするという配慮もされていないということが普通に行われていました。

食事を作るスタッフは料理の温度にも気を使い、配膳カートは温冷の区分けがある最新のものが使われていて、「温かいものは温かいままに、冷たいものは冷たいままに」をキャッチフレーズにしていましたが、置きっぱなしでは看板倒れもいいところです。

病棟の中には冷蔵庫も電子レンジもあって、そこの小部屋に置いておき、入院患者が戻ってきてから温度管理をしたものを、安全な状態で提供するという当たり前のことを提案しましたが、それだけで急においしいとの評価が増えていきました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

発達障害の自閉症スペクトラム障害は閉じこもりがちな性質で、周囲が見えなくなるところがあるものの、集中して長時間の作業でも平気で取り組める能力に優れています。その特徴を活かす学習と仕事を見つけることができれば、他の人よりも優れた能力を発揮することが可能となります。

注意欠陥・多動性障害は集中ができずに、多くの情報が入りすぎるために落ち着いて行動することができないというマイナス面が強調されるものの、こだわりがなく周囲に目配りができる性質、多様なものを取り入れようとする行動は業種・職種によってはプラスにもなります。

適材適所の配置ができれば他の人にはない能力が引き出されるというものの、生産労働の人材として活用することによって、どれくらいの利益があるのか、経済損失につながっているのかということは明らかにはされてきませんでした。

2021年3月30日の世界自閉症啓発デーに合わせて、民間シンクタンクの野村総合研究所が、自閉症スペクトラム障害と注意欠陥・多動性障害を人材として活用できていないことによる経済損失が年間2兆3000億円になるとの推計を発表しました。

これは『デジタル社会における発達障害人材の更なる活躍機会とその経済的インパクト』として、詳細な調査結果とともに公表されています。

少子・高齢化が急速に進む日本では、今後40年間で生産労働人口が約35%も減少すると推計されています。2020年の生産労働人口は7406万人ですが、これが2060年には4793万人にも減少するとみられています。

成長市場であるIT業界では8年後の2030年でさえ、需要数約192万人に対して供給数は約133万人と、約79万人不足すると試算されています。

産業人材の確保のためには、現段階では充分に働けていない人材の活躍機会を生み出すことが重要で、その人材として発達障害の人が着目されています。野村総合研究所の約10万人を対象とした調査結果によると、自閉症スペクトラム障害と注意欠陥・多動性障害の診断を受けた18〜65歳の生産労働人口は約140万人いると推計されています。

アメリカでは自閉症スペクトラム障害のある人を活用しないことによる年間経済損失は円換算で19兆〜21兆円、注意欠陥・多動性障害では11兆〜21兆円と推計されています。海外の大手企業では発達障害人材の職務適性に着目して、IT、金融、製造などの分野で高度IT専門職として採用・育成を積極的に進めています。

日本の1年間の経済損失は自閉症スペクトラム障害で1兆3000億円、注意欠陥・多動性障害で1兆円とされていて、少子・高齢化による生産労働人口が少ないことを考慮してもまだまだ少ない数値です。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

「共創社会」は、競争社会の次の段階として掲げられたことで、その先には「協創社会」があるとの考え方をされています。

共創は、異なる立場の人たち、企業・機関などが協力しあって、共に新たな価値を創造することを指しています。

これに対して協創は、協力して創造することで、似ているというか、ほとんど同じ、同じことを別の文字を当てはめているのではないか、ひょっとすると文字の変換ミスではないかと言われることもあります。

この違いを別の言葉で説明したのが、「共創は共感して創ること」「協創は協力して創ること」で、これは世界一のレジャー産業の日本法人の代表が使っていました。

共感して創るというのは、参加する全員が共通の理念を共感しながら創造していくことです。これは一緒に行動していながらも、ゴールとするところは全員が一致しているとは限りません。むしろゴールは異なっていて、一時的に一緒に行動しているという状態です。

これに対して協力して創るというのは、それぞれの人が自分一人のゴールを目指すのではなくて、常に全員が共通するゴールを意識しながら進んでいくことです。そして、皆で共通のゴールに達することを指しています。

この説明でも、まだわかりにくいかと思いますが、参加するのが専門家である場合には、共創は関係するメンバーが一緒に活動することによって、それぞれの技術や成果の改善を行なっていくことです。これに対して協創は互いの専門性を認め、専門性を活かした改善を一緒に行い、その成果を共有することという使い分けをしています。

このことを居場所という感覚で考えてみると、それぞれの専門性を持っている個人が自らの能力を活かしていくのが第1の居場所、その個人が同じ目的をもって一つの場所に集うことが第2の居場所となります。その先には第3の居場所、第4の居場所があります。
(これについては「4thプレイス12」で触れていきます)
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕

「おだしの日」太鼓亭(兵庫県宝塚市)が鰹節の燻乾カビ付け製法を考案した江戸時代の紀州藩の漁民・角屋甚太郎の命日の1707年10月28日にちなんで制定。

「豆花記念日」Aito&Co(愛知県名古屋市)が台湾のスイーツ豆花の普及のためにトウ(10)ファ(28)の語呂合わせで制定。

「豆腐バーの日」アサヒコ(東京都新宿区)がトウ(10)フ(2)バー(8)の語呂合わせで制定。

毎月28日:「にわとりの日」(日本養鶏協会)、「ニワトリの日」(都道府県食肉消費者対策協議会)

病院給食は、生活習慣病などの治療目的ではない常食であれば、それほどおいしくないと評価されるものではないはずです。

おいしさは料理の内容や味だけでなく、食べる環境、提供する人、一緒に食べる人によっても感じ方は変わってきます。そのため、病院で出されていた食事と同じものであっても、退院後に家庭で食べると、おいしさの評価が違ってくるのは当然のことです。

ところが、どこで食べても「おいしくないものはおいしくない」と評価される治療食があります。それは糖尿病食や腎臓病食で、指示通りに作るほど、おいしく感じないことにもなります。

糖尿病食というと、糖質の摂りすぎで血糖値が上昇することから、糖質を減らした食事という印象があります。以前に比べると、“糖質制限”が受け入れられてきたので、炭水化物(糖質)が少ない食事であっても、それほど苦ではないという人が増えてきました。

糖質を減らせばよいと思っていた人が、医師や栄養士からメニュー例を渡されて唖然とすることもあります。糖質であるご飯やパン、麺類を減らすだけでなく、肉も魚も油も減らされたメニューばかりになっているからです。

糖尿病は血糖値が一定の基準を超えると診断されるのが原則です。血糖は血液中のブドウ糖のことなので、血液中のブドウ糖を減らす、つまり食事でブドウ糖が多く含まれる糖質を減らせばよいと考えられがちです。

ところが、糖尿病治療の食事の基本は、全体的な摂取エネルギー量を減らすことで、エネルギー量が高い肉、魚、脂肪も制限されます。

糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンが減ることによって血糖値が上昇することから始まります。インスリンが多く必要な食生活を続けていると、膵臓が疲弊してインスリンが分泌されにくくなります。

インスリンは肝臓で脂肪を合成したり、脂肪細胞の中に脂肪を蓄積するためにも使われます。脂肪が多く食事、摂取量が多いと体内で脂肪に合成される糖質、たんぱく質の摂りすぎでもインスリンが多くなり、膵臓の働きを低下させることになります。

糖尿病食は、普通ならダイエット食、健康食ですが、日常で食べている食事とは違ったメニューが出されることもあります。そのために、好きな料理だけを食べていればよい、というわけにはいかなくなり、これがおいしさを感じにくくさせることにもなります。

糖尿病食では、これまでの糖質とたんぱく質の摂取が急に変化することがあります。それは重症化して、合併症の腎症が現れたときです。通常の糖尿病では、血管を丈夫にしておくために、たんぱく質の摂取が増やされます。

ところが、糖尿病性腎症になると、たんぱく質は腎臓に負担をかけるので、極端に減らされます。料理でおいしさを感じるのは、多くはたんぱく質が多く含まれる食品です。

その代わりに、エネルギー不足にならないように、糖質や砂糖が増やされます。そのために食事が全体的に甘くなり、おやつを食事とは別に食べることもすすめられます。治療食の検食として病院で何度も腎臓治療食を食べたことがありますが、これがずっと続くのは想像を絶する苦しさです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

腸壁には栄養素と反応する酵素があり、その酵素が存在する部位で反応が起こり、栄養素が吸収されています。栄養素が主に吸収されるのは小腸(十二指腸、空腸、回腸)で、その多くは空腸から吸収されています。空腸は小腸の40%ほど、回腸は60%ほどの長さがあります。

十二指腸では亜鉛、空腸では糖質(単糖類、二糖類)脂質(脂肪酸、グリセロール、コレステロール)、たんぱく(アミノ酸、ジペプチド、トリペプチド)、ミネラル(鉄、カルシウム、鉄、亜鉛)、そして、ほとんどのビタミンが吸収されています。回腸ではビタミンB₁₂と多くのミネラルが吸収されています。

また、大腸ではビタミンB₂、ビタミンB₆、パントテン酸、葉酸、ナイアシン、ビオチン、ビタミンKが合成されていて、それらは大腸壁からも吸収されています。

栄養素は、それぞれの種類によって吸収率が異なっています。一般にビタミンの吸収率は60~90%で、ミネラルよりも吸収されやすい特徴があります。

カルシウムの吸収率は乳製品で約40%、動物性食品で約30%、植物性食品で約20%とされます。カルシウムは胃の中でイオン化してから吸収されるため、胃液が濃い状態の空腹時に摂ることで吸収率を保つことができます。カルシウムはビタミンⅮとともに摂取することで5~10%ほど吸収率が高まります。

また、カルシウムはリンやシュウ酸とともに摂ると結合しやすく、結合したものは排出されるため吸収率が低下します。シュウ酸は、ほうれん草などの緑黄色野菜に含まれ、カルシウムと結合してシュウ酸カルシウムになると吸収率が低下しますが、さらに血液中で結合することで排出されます。

鉄の吸収率は動物性食品に含まれるヘム鉄では15~25%、植物性食品に含まれる非ヘム鉄では2~5%と大きな差があります。非ヘム鉄はビタミンCとともに摂取することで吸収率が約2倍も高まります。鉄はお茶に含まれるタンニンと結びつくと吸収率が低下します。

亜鉛の吸収率は約20~30%ですが、ビタミンCとともに摂取すると吸収率が10%ほど高まるとされます。

脂溶性ビタミン(ビタミンA、ビタミンⅮ、ビタミンE、ビタミンK)は、脂質に溶けることで吸収されるため、脂肪が含まれた食品とともに摂取することによって吸収率を高めることができます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕