投稿者「JMDS」のアーカイブ

高血圧は認知症のリスクを高めることから、血圧を安定させることは認知機能の維持にも大切なこととなります。
高血圧であることが指摘されると、塩分を控えた食事を医師や栄養士から言い渡されることが多いことから、塩分に含まれるナトリウムが高血圧の原因と思われがちです。しかし、ナトリウムによって血圧が上がるタイプであるナトリウム感受性が高い人は高血圧患者の30%ほどだと言われています。ナトリウム感受性が高くない人はナトリウムを多く摂っても、それほど血圧が上昇しない特徴があります。
高血圧を引き起こす遺伝子はまだ確定されていませんが、内臓脂肪が増えたときに脂肪細胞から多く分泌されるアンジオテンシノーゲンが関係することが証明されています。アンジオテンシノーゲンは血液中でアンジオテンシン変換酵素の作用によってアンジオテンシンⅠを経てアンジオテンシンⅡに変わっていきます。
アンジオテンシンⅡには強力な末梢血管収縮作用があり、余分なナトリウムを排泄する働きがあるカリウムを排泄させることから二重の理由で血圧が上昇しやすくなります。
アンジオテンシノーゲンの分泌量を増やす遺伝子があることが確認され、この遺伝子を日本人の多くが持っています。この遺伝子はナトリウムによって血圧を上昇させることから、ナトリウムを摂りすぎることによって高血圧になりやすいと考えられています。
高血圧を予防するための生活習慣の修正項目については、以下のことがあげられています。
1 減塩:6g/日未満
2 野菜・果物:野菜・果物の積極的摂取
3 脂質:コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える
4 減量:BMIが25未満
5 運動:心血管病のない高血圧患者が対象で、有酸素運動を中心に定期的に(毎日30分以上を目標に)運動を行う
6 節酒:エタノールで男性20~30ml/日以下
7 禁煙:受動喫煙の防止も含む

大腸は盲腸、結腸、直腸で構成される長さが約1.5mの管状の器官で、直径は小腸の2倍ほどあります。小腸で栄養成分を吸収された残りは、水分が多いために、まだドロドロした状態になっていますが、大腸の中で15時間ほどの時間をかけて水分が徐々に吸収され、最終的には適度な固さと量の便になって、肛門から排出されます。
直腸に固くなった便が送られてくると、その刺激が脳に伝わる排便反射が起こります。その結果、直腸にたまった便だけが排泄されます。
大腸まで送られてきた食べ物は、栄養素の90%ほどが小腸で吸収されていることから、大腸の主な役割は、水分を吸収して固形物の便を作り、腸内細菌によって小腸では分解されなかった栄養素を分解して吸収することとなっています。
1日に排泄される便は60~180gほどで、通常は70%ほどが水分となっています。水分以外では食物繊維などの消化されなかった食べ物の残りかす、腸内細菌とその死骸、はがれ落ちた腸の細胞が、それぞれ約7%ずつとなっています。
腸内細菌の総数は約1000兆個とされますが、善玉菌が増えると悪玉菌が減っていき、善玉菌の働きによる腸内での発酵が進むため、便の量が増えることになります。水分量が増えると軟便になって、便の量も増えることになります。一般には、水分量が70%前後で普通の硬さの便となり、70%以下では硬い便になって、70~80%では軟便、80%以上では下痢となります。
腸内で悪玉菌が作り出すアンモニアや硫化水素、スカトール、インドールといった有害物質は、毒素とも呼ばれています。毒素は主には大腸に棲息する悪玉菌が発生させますが、大腸は便内の水分を最終的に吸い上げる器官であり、大腸壁を毒素は通過するため、水分の吸収時に毒素も吸い上げられ、血液中に毒素が入るようになります。
血液中に入った毒素は血管に入り、門脈を通過して肝臓まで運ばれます。肝臓は有害物質を分解して無害化する解毒器官で、通常の発生量なら毒素は肝臓で充分に分解されます。しかし、毒素の発生量が増え、肝臓に送られる量が増えると肝臓では処理しきれなくなり、その処理しきれなかった毒素は、再び血管に入って全身を巡るようになります。
そして、全身の血管を巡って皮膚細胞まで送られた毒素は、皮膚の状態に影響を与え、肌荒れや吹き出物の原因となります。便秘をして、肌荒れなどが起こっている場合には、相当に毒素の量が増えていることが考えられます。

睡眠に関する機能性表示食品が増えています。それだけ眠りについて悩みを抱えている人が多くいて、需要があるからです。睡眠に関する素材としては、テアニンやGABA、乳酸菌などが有名ですが、DHAも使われるようになりました。DHA(ドコサヘキサエン酸)は体内で合成されない不飽和脂肪酸の一つで、以前は血液サラサラによる機能調整の素材として知られていました。
そのDHAの中でリン酸が多いものに脳の機能を高めるものがあることがわかりました。DHAは血液脳関門という脳細胞の前にあるゲートに相当する部分を通過しにくかったのですが、この新たなDHA(睡眠DHA)は血液脳関門を通過しやすい特徴があります。
睡眠の悩みについて、どのような効果があることを確認しているのかについては、機能性表示食品を受け付けている消費者庁のホームページに掲載されています。これを確認すると、「一時的に睡眠に不満を感じている健康な方の深睡眠とレム睡眠の割合を増加させる」と書かれています。まず気になるのは「一時的な睡眠」というところで、次に試験対象者が「健康な方」というところです。
睡眠不足、睡眠の質の低下(熟睡できない)に悩んで体調を崩している人ではなくて、あくまで健康な人を対象として試験が行われています。その健康な人とは誰かということで詳しく見てみると、20〜64歳の男女74人のデータです。そのうち38人は本物を使い、36人はプラセボ(偽物)を使っています。つまり半分の結果で、機能性表示食品の届出が行われたということです。
睡眠の悩みは、できることなら早く解決したいと願っているはずですが、この試験結果は「12週間目に有意差」があったとされています。3か月間、取り続けた結果で、思ったよりもかかっています。
もう一つの有効性は、「一時的に活気・活力が低下している人において、ネガティブな気分の状態のスコア(抑うつ、落ち込み、緊張、不安)および活気・活力スコアが有意に改善」という結果でした。これも12週間後の結果でした。

血液は心臓から送り出されて、勢いよく血管の中を流れていきます。心臓とつながっている大動脈には最も強い勢いで流れてくることから、大動脈は太くて丈夫な血管となっています。胸部大動脈で30mm、腹部大動脈で20mmの太さがあります。500円玉の直径は26.5mmなので、これと比べると、いかに太いかがわかります。
一般に動脈と呼ばれている全身に張り巡らされている血管の太さは0.5mmほどです。これはシャープペンシルの芯を思い浮かべるとわかります。毛細血管は、最終的に酸素と栄養素を届ける臓器や器官などとつながっていて、8μm(マイクロメートル)の太さです。これはクモの糸の太さです。
このような話は、健康的なダイエットを伝えるメディカルダイエット講習の上級でしているのですが、血液循環が代謝に大きな影響を与えて、生活習慣病にも影響していることから、重要な項目としています。毛細血管の太さを紹介しているのは、ここを通過する赤血球の直径が10μmで、つぶれるようにして一つずつ通過していきます。血液中のブドウ糖や中性脂肪が多くなると赤血球がくっついて毛細血管を通過しにくくなる、という事実を伝えて、ダイエットや免疫について説明しています。
太っていることで発症しやすくなる生活習慣病の高血圧症、糖尿病、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症)は、どれも血管にダメージを与えるものです。肥満症は、ただ太っているだけでなくて、内臓脂肪が蓄積されたことで健康面に悪影響を与える状態を指しています。
肥満症になると、内臓脂肪が動脈を圧迫して血管の弾力が弱まり、血圧が上昇しやすくなります。そして、太っていることで糖尿病や脂質異常症のリスクが高まっていくだけに、状態に合わせた科学的なダイエット、つまりメディカルダイエットが必要になってくるということです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

歩くことは健康の維持と増進のために効果があることで、さらなら効果を求めて、各人に合ったウォーキング法を指導してほしいという依頼が寄せられることがあります。ウォーキングは集団で行うもの、安全な方法で、参加者全員の健康づくりに役立つ歩き方をするというのが一般的なイメージです。
各人に合った方法ということになると、フィットネスジムのパーソナルトレーニングと同じようなもので、レディメイド(既成)ではなくてオーダーメイド(注文)の歩き方ということになります。オーダーメイドといってもウォーキングでは歩くことは同じなので、例えば膝や腰にトラブルがある人の歩き方とか、体力に合った歩き方、疲れやすい人のための歩き方といったことになるのが、よく考えられることです。
ところが、個人に合ったウォーキング法を求めている人にインタビューしてみると、病気の予防と改善が圧倒的に多くなっています。その理由を聞いてみると、医師から歩くように言われた、検査数値を改善するために効果的に歩きたいというのがほとんどです。
生活習慣病で血圧、血糖値、中性脂肪値などが高いと、医師から歩くように言われます。太っていることが影響する場合には有酸素運動のウォーキングで体脂肪を減らすことが重要になります。また、糖尿病は食事療法と運動療法を実施したうえで医薬品を使うのが大原則なので、簡単で効果がある運動としてウォーキングがすすめられます。
歩くことをすすめても、歩き方の指導はしてくれません。医師は運動指導をしても保険点数がつかないので、稼ぎにならないということがあります。ということで、ウォーキングのイベントに参加して、指導者に血圧を下げる歩き方などを聞いたりすることになりますが、それで求める返答があったという話は聞いたことがありません。というのは、日本ウオーキング協会が認定する健康ウオーキング指導士でも、検査結果に合わせた歩き方の教育を受けていないからです。
そのような状況を受けて、私たちは個人の希望に沿った歩き方の指導を始めようとしています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

運動をして呼吸数が多くなるのは、酸素が筋肉で多く必要になった結果で、酸素が筋肉内に多く取り込まれていきます。このときには筋肉が温まり始めて、脂肪を分解する酵素のリパーゼの働きが盛んになります。中性脂肪は脂肪酸が3つ結合した形で、リパーゼによって分解された脂肪酸が筋肉細胞のミトコンドリアに多く取り込まれるようになります。
バウンド運動を始めて5〜10分でミトコンドリア内のTCA回路に取り込まれる脂肪酸と酸素が増えていきますが、この段階ではすぐにエネルギー化されるブドウ糖の使用が増えて、脂肪酸は割合が低くなっています(一般にはブドウ糖80%:脂肪酸20%)。割合は低くなるものの、軽い運動であってもエネルギー消費は平常時の3倍ほどにはなっていることから、平常時よりも脂肪酸の代謝は増えています。
バウンド運動を10分ほど続けていると、うっすらと汗ばんできます。これが身体のエネルギー代謝が高まったサインで、脂肪酸の代謝が盛んになり、脂肪酸が効果的に、しかも長く代謝される状態になっています(ブドウ糖35%:脂肪酸65%)。
汗を多くかくのは代謝が高まり、ダイエット効果が高いと思われがちです。そのような説明をしているフィットネスクラブなどもあり、汗が多く出るように上着を脱がないように指導される場合もありますが、エネルギー代謝の仕組みを考えると、汗が出てきたら薄着で続けることが重要となります。
筋肉細胞にある脂肪分解酵素のリパーゼは、筋肉が温まることによって早く活性が高まるので、身体が冷えている状態では、季節によりますが上着を着て運動をするのは効果があります。しかし、リパーゼは筋肉の温度が高まりすぎると活性度が低下します。そのため汗によって温度が高まりすぎないようにしています。
汗が出てきたら、これは脂肪代謝が高まっている状態であるので、この状態を保つように、薄着になって適度に汗を出しながら続けるようにすることです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

糖尿病で血圧が高まる理由としては、血液量が増えることと、インスリンの抵抗性などが考えられています。以下に、その理由を紹介します。
①循環血液量が増える
血糖値が高い状態では体内の細胞の浸透圧が高くなり、水分が細胞内から細胞外に出てきたり、腎臓から吸収される水分の量が増えるようになります。その結果、血管の中を循環する血液の量が増えて、血管を圧迫して、血圧が上昇します。
②インスリン抵抗性がある
糖尿病の人はインスリン抵抗性があります。インスリン抵抗性は、インスリンの作用を受ける細胞の感受性が低下している状態のことで、この状態ではブドウ糖が細胞に多く取り込まれず、血液中で多くなったブドウ糖が尿と一緒に排泄されるようになります。
インスリンが効きにくくなると、それを補うためにインスリンが膵臓から大量に分泌されるようになり、高インスリン血症となります。高インスリン血症では、交感神経の働きが盛んになり、腎臓でナトリウムが排泄されにくくなるために、血管の細胞の成長が促進されて血管の壁が厚くなっていきます。そのため、血管が拡張しにくくなり、血圧が上昇します。
③糖尿病性腎症
糖尿病性腎症では、腎臓の細くて弱い細小血管である糸球体がもろくなっていくために、充分に濾過ができなくなり、体内の有害物質が多くなっていきます。糖尿病性腎症になると、腎臓から血圧を上昇させるホルモンが多く分泌されるようになり、血圧が上昇します。
④肥満
糖尿病患者の約60%が肥満となっています。糖尿病の人は半数が高血圧になるリスクがあるとも言われています。内臓脂肪が多く蓄積されると、脂肪細胞からアンジオテンシノーゲンという血圧を上昇させるアンジオテンシンⅡのもとの物質が盛んに放出されます。また、アンジオテンシンⅡはインスリンの作用を抑制したり、膵臓を障害してインスリン分泌を低下させる作用があるため、肥満によって糖尿病が発症しやすくなります。

消化酵素の働きをする酵素は、野菜、果物、穀類、発酵食品、生の動物性食品などに多く含まれています。しかし、食品に含まれる栄養素は品種改良や収穫時期の変化、農薬や化学肥料の使用による土壌の劣化などによって低下傾向があり、特に野菜に含まれる消化酵素は減少しています。
日本人の健康は、長い歴史の中で穀類や野菜、魚類を多く摂ってきたという土台があり、これだけでは不足する栄養成分を補うことで作り上げられてきました。不足しているものは、食品を多く食べて補えばよい、というのは当然の発想ですが、食品に含まれる栄養成分が低下している時代には摂取量を増やすだけでは補えない実態があります。
有機・無農薬での栽培が一般的であった時代には栄養が豊富であったことから、農薬も化学肥料も使わずに栽培すれば栄養成分も消化酵素も豊富な野菜が栽培できる、と考える人も少なくありません。しかし、品種改良で以前の種類と異なるものが主流となっているものも多くなっています。
消化酵素が多い食品としてはジアスターゼが豊富な大根があげられます。ジアスターゼは、唾液に含まれるアミロースと同じ糖質の消化酵素です。大根といえば以前は中央が膨らんでいる三浦大根や練馬大根が主流でしたが、今の主流は細長い形状の青首大根です。辛味が減り、甘味が増えた分だけ、ジアスターゼの量も減っています。
青首大根の青首の部分は地面から出て日光が当たっているところで、この部分が、だんだんと長くなっていきました。まっすぐの大根は抜きやすく箱に入れて大量に運びやすく、均一の長さ・太さで売りやすいメリットがあるからです。そのため、箱のサイズに合った均一の長さで出荷できるようになった反面、完全に成長する前に抜いたり、栄養のピークを過ぎても箱のサイズに合う長さになるまで抜かないようにしたりと、栄養よりもサイズが優先されるようにもなりました。そのために、消化酵素が、ますます減ることになりました。
酵素はタンパク質であるため、加熱すると破壊されて活性が低下することになります。生で食べる機会が減ると、ますます消化酵素が減っていくことになります。
体内の酵素は、アミノ酸から合成されているため、空腹期間が長い就寝時に徐々に減少していき、起床時には大きく減少しています。朝食では必須アミノ酸が豊富に含まれる良質のたんぱく質を摂ることが大切となります。

機能性表示食品は、一般の健康食品とは違って、表示する機能の裏付けとなる試験研究結果を消費者庁に届け出ています。その内容は消費者庁のホームページに掲載されています。前回のサプリ概論では、ブラックジンジャーを用いた機能性食品を例にして、「BMI23〜30の人の内臓脂肪と皮下脂肪を減らす」ということを紹介しました。
BMI(Body Mass Index)は体格指数のことで、日本人で最も健康状態が高いのはBMIが22だとされています。BMI23以下の人でもBMI30以上の人でも試験は行われていないということですが、この範囲にある人なら、使用して同じような結果が得られるのかというと、そうとは限りません。
というのは、機能性表示食品では試験の対象としてはいけない対象者がいて、これは特定保健用食品(トクホ)でも共通していることです。その対象にならない人というのは、子ども(未成年者)、妊産婦(妊娠を計画している人)、です。身体機能が低い子どもは試験によるダメージが想定され、もしも妊娠していた場合には胎児に影響が出ることが想定されるからです。
このことは機能性表示食品のパッケージや販売関係の資料(チラシやカタログ、ホームページなど)には一般には掲載されていません。
もう一つ対象者にならないのは、疾病に罹患している人です。疾病がある人というのは、血圧でいえば収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上、または収縮期血圧(最小血圧)が90mmHgの高血圧の人を指しています。
機能性表示食品の試験は、まずは対象者に疾病がないのかを確認することから始まります。疾病がない人が、機能性表示食品が期待する有効性の数値に異常がないことだけでなくて、他の疾患もないことが必要です。血圧安定を想定した商品であっても、血糖値、中性脂肪値、LDLコレステロール値だけでなく、尿酸値、肝機能、腎機能などにも異常がない、いわば完全な健康体の人となります。
こういった条件があるのに、機能性表示食品を使おうと考えている人は、検査数値が引っかかって、病院に行くほどではないという自分なりの判断で使うことがあります。中には医療機関で診断されたのに医薬品を使う代わりに機能性表示食品を使う人もいます。さらには医薬品を使っているのに、その量を増やしたくないからと機能性表示食品を使っている人がいることも事実です。

「ダイエット(diet)はやせることではない」というのは、日本メディカルダイエット支援機構が講習で主張していることです。これについては何度も触れてきているので、ここでは意味合いを省略させてもらいますが、「メタボは太っていることではない」「内臓脂肪を減らせばよいということでもない」という主張も合わせて行っています。
メタボの正式名称はメタボリックシンドロームで、内臓脂肪が多く蓄積されていて、血圧、血糖値、中性脂肪値、LDLコレステロール値のいずれかが正常値を超えていると診断されます。そのことから日本語では「内臓脂肪症候群」と一般に呼ばれているのですが、もともとの意味からすると「代謝異常症候群」が正しいことになります。
メタボリックシンドローム(metabolic syndrome)のmetabolicは「代謝の」という意味で、そのまま訳すと代謝症候群となりそうです。しかし、代謝の異常によって起こることから異常(abnormal)なしでも代謝異常症候群としています。
代謝はmetabolismとなります。日本メディカルダイエット支援機構が研究して、講習も実施しているエネルギー代謝はenergy metabolismです。
代謝科学の始まりは、エネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)を材料にしてエネルギーを作り出す異化ですが、それとは逆にエネルギーから物質(エネルギー源や身体を構成する物質、ホルモン、神経伝達物質など)を作り出すのは同化といいます。
エネルギー代謝を高めれば異化が進んで、エネルギーが作り出された分だけ内臓脂肪が減っていくわけですが、それで終わってしまったら普通のダイエットです。作り出されたエネルギーを使って、同化によって身体を構成する成分などを作り出し、細胞内の生化学反応を進めていきます。
太っていればメタボリックシンドロームということではなくて、中には検査をしても特に異常がない人もいます。そんな人に対しては「病気を防ぐためにやせよう」というのではなくて、たくさん溜め込んでいるエネルギー源(脂肪酸)を効果的に使って、健康になる方法として体脂肪をエネルギー化させて、健康的に活動することをすすめているのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)