投稿者「JMDS」のアーカイブ

有酸素運動のウォーキングによって全身の血流が促進され、脳の血流が高まることから認知機能の向上に寄与することが知られています。アルツハイマー病に発展する危険因子で最も影響度が高いのは「身体的不活動」、いわゆる運動不足で、うつや喫煙、高血圧、肥満を大きく上回っています。
運動と健康寿命延伸の研究として「中之条研究」の成果が基本データとして取り上げられています。この研究は群馬県中之条町で実施された65歳以上の全住民である5000人(重度の認知症や寝たきりの人を除く)を対象に平成12年(2000年)から10年以上にわたって実施された健康研究で、現在も継続して研究が続けられています。この研究成果として1日の平均歩行数と、そのうちの中強度の活動時間によって、予防できる病気を示しています。
中之条研究では、歩行数と中強度活動時間が増すごとに有病率が低くなることが判明していますが、研究の結果、歩数としては1日に8000歩以上歩くこと、そのうち中強度の歩行を20分間以上取り入れることが提言されています。中強度の歩行は、会話が続けられる程度の早歩きを指しています。また、1万2000歩(うち中強度の活動が40分)以上の運動は健康を害する可能性があることを示しています。
中之条研究では、1日に7000歩以上、中強度活動時間15分以上のグループでは認知症がいなかったと報告されています。海外の研究では、認知症の予防には脳トレーニングよりもウォーキングを中心とした運動のほうが効果があるとの研究成果があります。
厚生労働省の『介護予防マニュアル』では、ウォーキングは運動器の機能向上の項目ではなく、認知機能低下予防の項目に採用され、認知機能低下防止・支援マニュアルとして一次予防、二次予防ともにウォーキングを推奨しています。また、国立長寿医療研究センターの『認知症予防マニュアル』では運動による認知症予防を中心として、有酸素運動によるウォーキングをプログラム化してすすめています。

亜鉛は200種類以上の酵素の構成成分で、補酵素ともなっています。アミノ酸からのタンパク質合成、遺伝子のDNAの合成など、さまざまの生体内の反応に関与しています。特に新たな細胞が作られるときに多く使われることから、亜鉛が不足すると舌の味蕾、肝臓、膵臓などの再生が遅れることになります。また、免疫細胞の産生、精子や卵子の増加にも影響を与えます。
1日の目安量と許容上限量については「日本人の食事摂取基準」(2020年版)に掲載されています。亜鉛の女性の推奨量は年齢によって異なります。
〔女性:亜鉛推奨量〕
1〜2歳:3mg、3〜5歳:3mg、6〜7歳:4mg、8〜9歳:5mg、10〜11歳:6mg、12〜14歳:8mg、15〜17歳:8mg、18〜29歳:8mg、30〜49歳:8mg、50〜64歳:8mg、65〜74歳:8mg、75歳以上:8mg。
亜鉛の女性の許容上限量は年齢によって異なります。18歳未満では許容上限量が掲載されていませんが、多くの量を摂取してもよいというわけではありません。推奨量を参考にして適度な摂取が求められます。
〔女性:亜鉛許容上限量〕
18〜29歳:40mg、30〜49歳:45mg、50〜64歳:45mg、65〜74歳:40mg、75歳以上:40mg。
女性は男性に比べて体が小さい分だけ推奨量、許容上限量ともに少なくなっています。
亜鉛の吸収率は約30%とされています。魚介類、肉類、豆類、種実類などに含まれていますが、特に牡蠣(かき)には多く含まれています。これらの食品が不足している人や運動をして細胞の再生が盛んになっている人は多く摂ることがすすめられます。

学習障害の一つの識字障害は、知能に問題はないにも関わらず、文字を音に変えることに困難さがあり、文字を見て、音を思い出すまでに時間がかかることを指しています。そのために音読が流暢にできないもので、文章を読むときに時間がかかり、疲れやすくもなります。読むことに困難さがあるということから、読字障害と呼ばれることもあります。
読むことを嫌うようになり、知識の不足から学力の低下を招くことがあります。また、長文を読もうとすると、目で追っていくことが難しいことがあります。
〔識字障害の例〕
*ひらがなの音読が遅く、読み間違える
*文字を逐次読み(一つひとつ拾って読む)する
*単語または文節の途中で区切ってしまう
*単語の文字を逆さに読む(いか→かい)
*形の似た文字を間違って読む(“め”と“ぬ”)
*拗音(きゅ、しゅ)、促音(きって)が読みづらい
*読んでいる文字や文章の意味を理解することが難しい
*早く読むと内容が理解できない
*音読より黙読が苦手
*文章を読むのがたどたどしく、文章の内容(あらすじ)をつかんだり、まとめたりすることが難しい
*読んでいるところを確認するように指で押さえながら読む
*文末などは適当に自分で変えて読んでしまう
*見慣れた漢字は読めても抽象的な単語の漢字を読めない
*読み方が複数ある漢字を誤りやすい
*意味的な錯誤がある(教師をせんせい)
*長い文章を読むと疲れる

マーケティングには調査が必要だということで、マーケティング・リサーチという言葉が先走りして、調査結果を鵜呑みにして、コロナ禍の打撃を、かえって強めてしまったという例も少なくありません。
マーケティング・リサーチは市場調査と訳されることがあります。市場調査の意味でマーケティングという言葉を使っている人も多くいます。しかし、市場調査はマーケット・リサーチです。マーケット・リサーチは数字や数値で現在の市場を把握して、マーケティング施策を立てることと指しています。
マーケティング・リサーチはマーケット・リサーチに基づいて、実際に販売をしたり、販売のための営業活動をして得た調査結果のことで、この後に続けて実施されるのがマーケティングです。どうすれば商品が売れるのかを調査して、その結果から推定される行動を起こしただけではマーケティングとはいえないという考えです。
経営学者のピーター・ドラッカーは「マーケティングの目的は、販売を不要にすることだ」と言い切っています。販売しようとしなくても勝手に売れていくのがマーケティングで、それがわかれば、それができれば苦労はいらないという声も出てきそうです。しかし、苦労がいらないのはマーケティングが順調に進んできた段階のことで、その途中段階は苦労の連続です。その苦労もしないで、マーケット・リサーチどおりにいかないと結果を嘆いていても仕方がないことです。
商品でもサービスでも、その価値をお客様に売り込むことがマーケティングとの考えを今でも捨てきれずにいる人を多く見かけますが、いかに価値を売り込むか、そのための価値を考え、作り出し、そして営業にかけるということに力を注ぐのはマーケティングの本質とは異なると考えられています。
マーケティングの考えを、コロナ後に一気に高めていかなければならない健康づくりに、どう活かしていくのかについては次回に続きます。

悪玉コレステロールという言葉が広まってしまったせいか、コレステロールといえば悪いものというイメージを抱く人が増えてしまいました。コレステロールは決して悪いものではなくて、コレステロールは全身の細胞の細胞膜の材料であり、ホルモンの材料でもあります。また、脂肪を分解するために十二指腸から分泌される胆汁酸の材料もコレステロールです。コレステロールなしには、生命維持ができないほど重要な存在なのです。
それなのに“悪玉”という名がつけられてしまったのは、コレステロールを全身の細胞に届けるための輸送役をするLDL(低比重リポたんぱく)が血液中に多いほど動脈硬化のリスクが高まるからです。だから、LDLは悪玉コレステロールと呼ばれるようになりました。LDLによって全身に運ばれたコレステロールが多くなりすぎたときには、そのコレステロールを集めて肝臓に運び去る必要があります。その役割をしているのがHDL(高比重リポたんぱく)です。その働きから“善玉”と名付けられているのです。
LDLはコレステロールを多く積んでいるトラックのようなものであり、HDLは積んでいるコレステロールが少ないので余分なコレステロールを積んで運んで行ってくれるトラックのようなものです。つまり、コレステロールには役割があって、そのコレステロールを運んでくれるLDLを“悪玉”と呼ぶのは正しくはないということです。
LDLが増えて、コレステロールが血液中に多くなると、コレステロールが多く含まれる動物食品の肉や卵などを減らそうとする人がいます。そうするように指導する医師もいます。しかし、血液中のコレステロールの80%以上は肝臓で合成されたものです。食事から摂るコレステロールを減らしても、肝臓で合成されるコレステロールが多ければ、これを運ぶLDLも増えてしまいます。肝臓でコレステロールに合成される材料となるのは、余分に摂った糖質、脂質、たんぱく質で、要はエネルギー量の摂りすぎがコレステロールを増やし、LDLを増やすことになるのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

ウォーキングは血流を盛んにして、腸を温めることによって、腸内細菌の善玉菌が増えやすい温度環境を整えることができます。腸が温まれば、それだけで善玉菌が増えるというわけではなくて、善玉菌を増やす主役級の役割をするものと、その主役の活躍を支えるサポート役をするものが必要です。その二つは、プロバイオティクスとプレバイオティクスに分けられます。
プロバイオティクスは、腸内細菌の善玉菌と同じ役割をするものを指していて、大腸の中で最も多いビフィズス菌が含まれたヨーグルトなどを食べると、腸内にビフィズス菌を送り届けることができます。しかし、外から取り入れたビフィズス菌などの善玉菌と同じ働きをするものは、残念ながら町内では1〜2日しか生存することができません。ところが、生存している間に善玉菌と同じ働きをする菌は、代謝によって酸性物質を腸内で増やしていきます。腸内の善玉菌は酸性の環境で増えていくので、善玉菌として定着したのと同じような結果になるということです。
プレバイオティクスは腸内細菌の善玉菌の栄養源(エサ)になるもので、これを取り込んで善玉菌は活性化され、増殖するようになります。その栄養源として最も取り入れてほしいのがオリゴ糖です。オリゴ糖はブドウ糖が多くつながったもので、胃では消化されません。消化されるのは大腸の中で、その役割をするのはビフィズス菌です。こういったメカニズムになっているので、ビフィズス菌入りヨーグルトにはオリゴ糖が添えられているか、材料の一つとして含まれています。
このように善玉菌を増やすプロバイオティクスとプレバイオティクスを摂ることによって、ウォーキングによる腸内環境の改善を大きく進めていくことができるようになるのです。

文部科学省の「食に関する指導の手引」では教科ごとの食に関する指導を各論として掲載しています。ここでは家庭、技術・家庭の中学校の食に関連する内容を前回に続いて紹介します。
〔主な学習活動〕
*グループで見直した1食分の和食の献立の調理計画を立てる。
・主食、主菜、副菜の調理の手順を調べる。
・グループで調理の分担を話し合う。
*作成した調理計画を基にグループで調理実習のシミュレーションを行い、調理計画を見直す。
〔指導上の留意点〕
*調理の手順については、コンピュータなどの情報手段や調理カード、デジタル教材などを活用して調べたり、地域の人材に助言してもらったりすることも考えられる。
*既習の調理計画の学習や生徒の生活経験と関連づけて考え、具体的に計画を立てることができるよう助言する。
*調理実習のシミュレーションを行うことで、熱源や包丁・まな板など使用状況や分担を再確認し、複数の調理を効率よく行うことができるようにする。

良い結果が訪れることを待ち望んでいる意味として使われることが多い「果報は寝て待て」は、実は果報を待つには徹底して練りに練った方策が必要だということを示しています。寝転んでいればよい、というような安易な意味ではありません。
コロナ禍のせいで、望んだこととは違った結果になった人が、これまでの展開を見直すために期待を寄せているのはマーケティングです。しかし、これまでのマーケティングの意識を変えないと、マーケティングの成果が出にくいだけでなく、望まなかった厳しい状況が訪れることにもなりかねません。
マーケティングというと、一般には販売の意味と考えられがちです。アメリカの経営学者のフィリップ・コトラーは「マーケティングと販売は、ほとんど正反対とも言える活動だ」と断定しています。
また、現代経営学のマネジメントの発明者とも言われる経営学者のピーター・ドラッカーは「顧客のことを知り、製品をそれに合わせ、自ずから売れるようにすることがマーケティングの目的である」と言っています。
売ろうとしなくても勝手に売れていくのはマーケティングであって、売るために必死になって営業をかけていくのは本来のマーケティングの姿ではないということを指し示しています。ましてや今の大困難の時代には必死に売るために動きたいという気持ちは理解できるところですが、こんな時代だからこそ勝手に売れていくための方法を練りに練ってから進むことが重要になります。
といって、練りに練った結果が出るまで何もしない、「果報は寝て待て」ではなくて、良い結果が出る方法を確立するための行動は同時に行うべきことです。その考えを言葉にしたのが今回のテーマの「果報は練って待て」。練りもしないで、周囲のアドバイスを真に受けたり、過去の経験や思いつきでの行動は、コロナ禍で世の中の意識が大きく変化した時代には、決して誉められたことではありません。
練りに練るためには調査が必要だということでマーケティング・リサーチに走る例も多く、コロナ禍で儲かった業種の一つにリサーチ(市場調査)会社があげられるくらいです。そのリサーチについての考察は次回に続きます。

脳血管性認知症は、脳血管の動脈硬化が原因になっていることが多く、動脈の老化を進める高血圧、糖尿病、脂質異常症(高中性脂肪血症、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症)を予防して血管の健康を維持することによって動脈硬化を予防したり、進行を遅くすることができます。
アルツハイマー型認知症と診断される患者の中には血管性認知症の要素を持っている人が30%ほど存在しています。アルツハイマー型認知症は治療ができず、進行を遅れさせることしかできないとされているものの、脳血管にも原因がある場合には脳血管の動脈硬化を予防・改善することによって発症を遅らせることも可能と考えられています。
認知症が死因と結びついているとは、あまり思われていないようですが、認知症が原因となって治療を受けている状態で亡くなった人は、認知症が死因とされています。
日本人が、どんな病気で死亡しているのかの統計は人口動態調査(厚生労働省)として発表されています。
男女平均では過去には1位:悪性新生物(がん)、2位:心疾患(心筋梗塞、狭心症など)、3位:脳血管疾患(脳梗塞、脳出血など)、4位:老衰、5位:肺炎の順になっていました。それが2020年の統計では悪性新生物、心疾患、老衰、脳血管疾患、肺炎の順で、高齢化の急伸を背景に、老衰が増えています。
男性の結果は同じ順となっていますが、長生きの女性は異なった結果がみられます。それは認知機能に関する結果で、男性は8位にアルツハイマー病、9位に血管性等の認知症が入り、女性は同率9位に脳血管性等の認知症、10位にアルツハイマー病となっています。ともに認知機能に関わる疾患であることから合算すると6位となります。この傾向は2014年調査結果からみられ、それ以降も続いています。

亜鉛は200種類以上の酵素の構成成分で、補酵素ともなっています。アミノ酸からのタンパク質合成、遺伝子のDNAの合成など、さまざまの生体内の反応に関与しています。特に新たな細胞が作られるときに多く使われることから、亜鉛が不足すると舌の味蕾、肝臓、膵臓などの再生が遅れることになります。また、免疫細胞の産生、精子や卵子の増加にも影響を与えます。
1日の目安量と許容上限量については「日本人の食事摂取基準」(2020年版)に掲載されています。亜鉛の男性の推奨量は年齢によって異なります。
〔男性:亜鉛推奨量〕
1〜2歳:3mg、3〜5歳:4mg、6〜7歳:5mg、8〜9歳:6mg、10〜11歳:7mg、12〜14歳:10mg、15〜17歳:12mg、18〜29歳:11mg、30〜49歳:11mg、50〜64歳:11mg、65〜74歳:11mg、75歳以上:10mg。
亜鉛の男性の許容上限量は年齢によって異なります。18歳未満では許容上限量が掲載されていませんが、多くの量を摂取してもよいというわけではありません。推奨量を参考にして適度な摂取が求められます。
〔男性:亜鉛許容上限量〕
18〜29歳:40mg、30〜49歳:45mg、50〜64歳:45mg、65〜74歳:40mg、75歳以上:40mg。
亜鉛の吸収率は約30%とされています。魚介類、肉類、豆類、種実類などに含まれていますが、特に牡蠣(かき)には多く含まれています。これらの食品が不足している人や運動をして細胞の再生が盛んになっている人は多く摂ることがすすめられます。