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ナイアシンは水溶性ビタミンで、ニコチン酸とニコチンアミドの総称です。多くの量を摂っても体内では長くは保持されないものの、体内で合成されるので比較的不足しにくくなっています。しかし、肉類、魚介類、きのこ類、穀類に多く含まれることから、これらが不足している場合にはサプリメントでの補給も必要となります。ただし、耐容上限量が定められていて、過剰症が起こるため、これを超える量の摂取は控えるべきです。1日に摂取すべき量については「日本人の食事摂取基準」(2020年版)に掲載されています。
ナイアシンの女性の推奨量は年齢によって異なります。
〔女性:ナイアシン推奨量〕
1〜2歳:5mgNE、3〜5歳:7mgNE、6〜7歳:8mgNE、8〜9歳:10mgNE、10〜11歳:10mgNE、12〜14歳:14mgNE、15〜17歳:13mgNE、18〜29歳:11mgNE、30〜49歳:12mgNE、50〜64歳:11mgNE、65〜74歳:11mgNE、75歳以上:11mgNE。(NE=ナイアシン当量)
これに対して、女性の耐容上限量は以下のとおりです。
〔女性:ナイアシン耐容上限量〕
1〜2歳:60mg、3〜5歳:80mg、6〜7歳:100mg、8〜9歳:150mg、10〜11歳:150mg、12〜14歳:250mg、15〜17歳:250mg、18〜29歳:250mg、30〜49歳:250mg、50〜64歳:250mg、65〜74歳:250mg、75歳以上:250mg。
女性は男性に比べて推奨量、耐容上限量ともに大きな差はなく、体が小さい分だけ少なくなっている程度です。
ナイアシンの吸収率(利用効率)は60%ほどとされています。糖質、脂質、たんぱく質の代謝に必要なビタミンであることから、多くの量を食べる人、運動をする人は多めに摂ることがすすめられています。

運動をすると、ブドウ糖が代謝(燃焼)して血糖値が下がるだけでなく、インスリンの働きを高めることができます。血糖値を低下させるためには、インスリンの分泌量を増やすことと、インスリンの働きを高めることの二つの方法があります。インスリンは血糖値が高まるほど分泌量が増えるという特徴があるため、インスリンを増やすことは容易ではありません。
インスリンが多く分泌されれば、それだけブドウ糖を取り込むというわけではなく、インスリンの働きを阻害するアディポサイトカインが脂肪細胞から多く分泌されると、取り込みは低下します。そのアディポサイトカインは、運動によって減っていくので、運動をするとインスリンの働きがよくなり、血糖値が下がっていくようになります。
逆に運動不足で太ってくると、インスリンの働きが低下してくるので、血糖値を下げるだけでなく、太りぎみの人は脂肪も効率よく代謝させるように、運動を続けるようにしたいものです。
腎機能が低下してくると、血圧が高くなり、血管の負担が強くなっていきます。糖尿病と腎機能低下が重なると、血管の負担は、さらに強くなっていくようになります。
血糖値や血圧の上昇のほかに生活習慣病に影響を与えるものとしては、中性脂肪とコレステロールがあげられます。中性脂肪もコレステロールも脂肪なので、食事で脂肪を減らせば血液中の数値を下げることができるように思われがちですが、ブドウ糖を多く含む、ご飯やパン、麺などの糖質を多く摂ると、これらの数値は上昇していきます。
というのは、血液中にブドウ糖が多くなると、膵臓でインスリンが多く分泌されるようになり、そのインスリンによって肝臓の中でブドウ糖は中性脂肪に合成され、コレステロールも増えていくようになるからです。血糖値が高くなりすぎないように、運動をするのは、中性脂肪もコレステロールも減らして、動脈硬化などの生活習慣病を幅広く抑制することにもつながります。

学習障害児のための学習塾は、そこに通う子どもたちが、自分のことを知っているのかどうかが教える側にとっても重要なポイントなります。学習塾に通わせたいと相談に訪ねてくる保護者の中には、子どもに発達障害であることを言い出せなくて、それを本人に隠したままで学習能力を高めてほしいというリクエストをすることも多々あります。
塾での成績の向上を願ってはいるものの、そこが発達障害による学習障害児のための教室だということがわかると、そこに入るようにすすめた親が子どもから不信感を抱かれてしまう、悪くすると嫌われてしまうという思いを強く抱いていることも少なくありません。
そのようなリクエストの理由を聞いてみると、塾の講師から面談のときに発達障害、学習障害という言葉が出たことがあって、本人に向かって言うようなことがないようにしてほしいというのが大半です。有能な講師は、そのようなことを言うことはありません。子どもたちが見ることがあるかもしれないホームページやSNSでも用語には注意をして、発達障害、学習障害というワードは使わないようにしています。
それでは、どうやって知らせて、集客するのかということですが、チラシや口コミなどを駆使するほかに教育委員会の協力を得ることもして保護者に伝わるようにしています。そして、塾の説明会を開いて、学習障害児のための学習塾であることをしっかりと伝えて、子どもたちにはわからないようにすることも伝えるようにしています。
もちろん、保護者だけを対象とした説明会であるのに、その場に子どもを連れてくる方もいます。その子どもにカミングアウトをしているのかどうか、それがわかないと発達障害、学習障害の特性を踏まえての学習指導という本論さえ伝えにくくなります。説明会が始まる前に来てくれれば、先に確認して対応することもできるのですが、中には始まってから途中で子どもを連れて訪れる方もいて、気になって本論が充分に伝えられないまま終わってしまったということもあります。
本来なら、子どものことを考え、その子どもの能力を引き出すための学習の機会であることを考えると、本人に話をして、ある程度は納得した状態で通わせてほしいのですが、それができない場合も少なくありません。学習障害児のための学習塾は教えることのほかにも検討しなければならないことが多くあるのです。

「急がば回れ」ではなくて、「急いで回れ」というテーマを掲げて社会的な状況を考えてきましたが、コロナ後の対策としては、まさに急いで回ることをすすめています。
効率よく代謝を高める運動としてサーキットトレーニングが行われています。これは身体的な負荷が強い無酸素運動と、負荷が弱い有酸素運動を交互に繰り返す方法ですが、これを歩いて行うのがインターバルウォーキングです。サーキットトレーニングのウォーキング版といっても、同じコースをグルグルと回るわけではなくて、早歩きと普通歩行を繰り返すものです。ただ早歩きをすればよいというわけではなくて、無酸素運動に近づけるような歩き方と速度が重要になります。その方法を学んで身につければ、いつでも自分で実施することができます。
早歩きをすると筋肉中の酸素が減って無酸素運動になり、血流量が増えます。急ぐことによって血液を早く回します。その後に有酸素運動で酸素を多く取り込むことによって、ブドウ糖と脂肪酸を効果的にエネルギー化する代謝を高めることができます。これだけのことでは若い人は筋肉が増えるところまでは進みにくいのですが、高齢者は速歩だけでもエネルギー不足の状態になり、これを補うためにAMPキナーゼというサテライト(衛星)細胞を増やす酵素が多くできます。このサテライト酵素は、運動によって傷ついた筋肉細胞の周囲にタンパク質を多く作り、このタンパク質が筋肉に取り込まれて筋肉細胞が太くなっていきます。
高齢者にとっては、速歩でも充分な筋肉トレーニングになっているのです。高齢者は長く速歩を続けることは難しくても、速歩と普通歩行を繰り返すインターバルウォーキングなら続けられます。コロナ禍で大きく低下した健康度、中でも歩く機会が減ることによって起こった健康度の低下は、歩いて取り戻す、それも一気に健康度を押し上げることが重要です。
早歩きができない人の場合には、身体負荷を高める歩き方をすることが必要ということで、2本のポールを使って歩くノルディックスタイルのウォーキングを採用しています。ポールがあれば歩行速度も上がりますが、速歩ほどではなくても、ノルディックスタイルのウォーキングでは全身の筋肉のうち首から下の90%を使うことから、身体負荷を20%以上は高めることができます。これを通常の速歩の代わりとして、普通歩行との繰り返しによって代謝を高める歩き方をすることによって、健康度の押し上げを行っていこうとしているのです。

日本人の体質の研究を始めたきっかけは、糖尿病も高血圧も遺伝によって伝えられた体質に関係しているということを学生時代に聞いたことでした。そのときには、まだ医学関係者との付き合いはなくて、法学、社会学、インド哲学を並行して学んでいたときであるので、身体の知識といえば、両親から聞いて学んでいた健康関連の知識と教科書レベルの知識だけでした。健康オタクと言ったら叱られそうですが、両親は健康雑誌がまだない時代から、健康雑誌のテーマとなるような情報を知っていて、それが家族の会話にもなっていました。
そんな会話にも体質はよく出てきました。体質という言葉は便利なもので、よくメカニズムがわからないことは体質で済ませることがあります。日本人に高血圧が多いのも、がんの中でも胃がんが多いのも、糖尿病患者が一気に増えたのも、そして、平均寿命が終戦後は先進国で最下位だったのが一気に世界のトップクラスまで驚異的の延びを示したのも、すべて体質で済ませてしまうことがあります。
糖尿病は終戦後には調査をしようにも患者を探し出すのが大変だったのが、今では糖尿病患者、その予備群は、ともに1000万人を超えていて、“石を投げれば糖尿病患者に当たる”というくらいの状態になっています。調査対象は成人人口の約1億人なので、国民の5人に1人が糖尿病か予備群という確率にまで増えています。
糖尿病と高血圧が遺伝で伝わる体質であるなら、父方は糖尿病家系、母方は高血圧家系で、私は両方が出てもおかしくなかったのですが、これは本人の“努力”で避けることができました。こんなことを冗談交じりで話をするのは、糖尿病も高血圧も体質が関係しているとしても食生活と運動習慣で予防することができるからです。
臨床栄養の世界にいてわかったことは、糖尿病は、その体質を持った人が、過食によって膵臓に大きな負担がかかることによって、血糖値を降下させるホルモンのインスリンの分泌が低下することで発症するということです。それなら暴飲暴食をしても糖尿病の体質でなければ大丈夫ではないかと考えられるところですが、残念ながら日本人は、その体質の人が極めて多くて、食べ過ぎ、運動不足で発症してしまう人も極めて多いのです。ということで、体質ではありながらも、生活習慣に影響される、まさに生活習慣病そのものだったのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)

腎機能が低下した場合には、身体を休め、腎臓の機能を回復させることが一番とされるので、運動よりも、まずは休むことが必要になります。しかし、腎機能の低下の原因が、糖尿病の合併症である糖尿病性腎症である場合や、糖尿病性腎症の原因である糖尿病を予防する場合には、運動をして血糖値を下げることが有効となります。
血糖は血液中のブドウ糖のことで、その量が多いと、ブドウ糖は血管の細胞の中に入り込み、糖アルコールに変化します。細胞の中に糖アルコールが多くなると、水ぶくれ状態になって新陳代謝が低下します。そのために血管の細胞の入れ替わりが遅れるようになり、細くて弱い細小血管が徐々に傷んでいきます。そして、充分な血液が送られなくなり、臓器や器官などの機能が低下していくのが合併症です。
合併症のうち腎臓の細小血管が傷んで、腎臓の濾過が充分にできなくなることによって発症するのが糖尿病性腎症です。
血液中のブドウ糖は、最も代謝(燃焼)しやすいエネルギー源で、例えば歩き始めた時点から血液中のブドウ糖が多く使われ、血糖値は下がっていきます。血液中のブドウ糖は、膵臓から分泌されるホルモンのインスリンによって、筋肉細胞に多く取り込まれ、エネルギーとして使われます。
「15分以下の運動では効果がない」と言われることがあります。それは脂肪細胞(白色脂肪細胞)内の脂肪が分解されて効果的に代謝されるまでに10~15分間はかかるからです。その前に多く代謝しているのは、すでに分解された脂肪酸とブドウ糖です。
ブドウ糖は紙に、脂肪は木にたとえられることがあります。木に火をつけても、すぐには燃えないものの、紙なら、すぐに燃えます。すぐに紙は燃えてなくなりますが、木は燃え始めるまでに時間はかかっても、長く燃え続けることができます。エネルギー源のブドウ糖と脂肪も同じ関係にあります。
そのブドウ糖が多く代謝して、血糖値が効果的に下げられるのは、有酸素運動では始めてから10~15分間ということになります。ブドウ糖の代謝はウォーキング程度の運動でも低下させられます。だから、血糖値が高い人は、無理をして長めに運動をすることはなく、激しい運動をすることもないわけです。

文部科学省の「食に関する指導の手引」では教科ごとの食に関する指導を各論として掲載しています。ここでは家庭、技術・家庭の小学校の食に関連する内容を前回に続いて紹介します。
*伝統的な日常食である米飯、みそ汁については、和食の基本となるだしは、煮干しや昆布、かつお節などさまざまな材料からとることに触れ、例えば、だしをとって作ったみそ汁とだしをとらずに作ったみそ汁を比較し、だしの役割について話し合う活動を取り入れるなど、みそ汁にだしを使うことで風味が増すことを理解できるようにします。
*調理計画については、効率よく作業するために、調理の手順やグループでの協力の仕方、時間配分などについて問題を見いだし、課題を設定するようにします。さらに、学校での実習を家庭での実践として展開し、実生活で活用するためには、調理計画において、一人で調理する場合も考えることができるよう配慮します。
*実習の指導については、調理に用いる用具や食器の安全・衛生に留意する必要があります。特に、生の魚や肉については調理の基礎を学習していないので、衛生的な取扱いが難しいことから用いないようにします。また、児童の食物アレルギーに関する正確な情報を把握し、調理実習で扱う材料に食物アレルギーの原因となる物質を含む食品が含まれていないかなどを確認し、事故の防止に努めるようにします。
*体に必要な栄養素の種類とその主な働きについては、名称や働きを覚えることだけに重点を置くのではなく、体に必要な栄養素を食事によってとっていることに気づき、栄養を考えて食事をとることの大切さがわかるようにします。
*食品の栄養的な特徴については、グループに分けることについて、食品には複数の栄養素が含まれていることから、必ずしもいずれかのグループに厳密に分類しなくてもよい場合もあることに配慮します。例えば、日常の食事や学校給食に使われている食品、調理実習で使った食品を調べてグループ分けする活動などを通して、多数の食品を食べていることを実感したり、食品の栄養的な特徴を具体的に理解できるようにしたりする活動などが考えられます。

新型コロナウイルス感染症のような医療崩壊を覚悟しなければならない状況が来る、ずっと前のこと、厚生労働省の主導で行われた運動関係の団体の面々が顔を合わせる場で、当時の担当者が口にした「健康な患者を増やす」という言葉と、「元気な要介護者を増やす」という言葉を、今でも思い出します。
患者というと健康ではない人という印象ですが、新型コロナウイルス感染症で病院に入院した人が、命の選択(トリアージュ)をされたときに、基礎疾患がないこと、肥満でないことが受け入れるときの判断基準とされました。同じウイルス感染であっても、健康度が高い人は助かり、低い人は助からないという岐路に立たされることになりました。健康な患者が多ければ、それだけ緊急状態になっても治せる可能性が高くなるということです。
新型コロナウイルス感染症に限らず、生活習慣病の高血圧、糖尿病、脂質異常症が一つだけであれば動脈硬化による心疾患(心臓病)、脳血管疾患のリスクは低めであっても、二つ、三つと重なると急にリスクは跳ね上がります。こういった状況になってみると、「健康な患者を増やす」というのは重要な意味があることがわかります。そこで生活習慣病の予防と改善に役立てることができる健康ウォーキングを進めているのです。
「元気な要介護者を増やす」ということについては、介護施設に入る年齢になったときに、基礎的な体力、気力、そして認知機能が高い状態の人は、介護をする人の負担が大きく減ります。たとえ認知症になっても、寝たきり状態ではなくて、体が動かせる人は介護しやすく、そのサービス支援も充分に受けることができます。今後の超高齢社会の中での要介護者の増加を考えると、元気な状態で介護を受けるようになってほしい、ということで、これも健康ウォーキングによって基礎的な身体状況を実年齢に比べて高く保つことが重要だと考えています。
体力の低下と生活習慣病が重なった人のことを考えると、健康ウォーキングによって両方ともに良好な状態に保つことができれば、相当の貢献ができると感じて、そのためのスタートを「急いで回れ」の覚悟で進めているのです。

ナイアシンは水溶性ビタミンで、ニコチン酸とニコチンアミドの総称です。多くの量を摂っても体内では長くは保持されないものの、体内で合成されるので比較的不足しにくくなっています。しかし、肉類、魚介類、きのこ類、穀類に多く含まれることから、これらが不足している場合にはサプリメントでの補給も必要となります。ただし、耐容上限量が定められていて、過剰症が起こるため、これを超える量の摂取は控えるべきです。1日に摂取すべき量については「日本人の食事摂取基準」(2020年版)に掲載されています。
ナイアシンの男性の推奨量は年齢によって異なります。
〔男性:ナイアシン推奨量〕
1〜2歳:6mgNE、3〜5歳:8mgNE、6〜7歳:9mgNE、8〜9歳:11mgNE、10〜11歳:13mgNE、12〜14歳:15mgNE、15〜17歳:17mgNE、18〜29歳:15mgNE、30〜49歳:15mgNE、50〜64歳:14mgNE、65〜74歳:14mgNE、75歳以上:13mgNE。(NE=ナイアシン当量)
これに対して、男性の耐容上限量は以下のとおりです。
〔男性:ナイアシン耐容上限量〕
1〜2歳:60mg、3〜5歳:80mg、6〜7歳:100mg、8〜9歳:150mg、10〜11歳:200mg、12〜14歳:250mg、15〜17歳:300mg、18〜29歳:300mg、30〜49歳:350mg、50〜64歳:350mg、65〜74歳:300mg、75歳以上:300mg。
ナイアシンの吸収率(利用効率)は60%ほどとされています。糖質、脂質、たんぱく質の代謝に必要なビタミンであることから、多くの量を食べる人、運動をする人は多めに摂ることがすすめられています。

血流が低下すると酵素の働きも低下して、肝機能も低下しかねないわけですが、現代人は運動不足で、手足の冷えを訴える人も多くなっています。
血液の温度は身体が冷える人も、そうでない人も大きな差はありません。それなのに冷えを感じるのは、温かい血液が早く巡っていないために皮膚からの放熱に追いつかないからであり、冷え性の人は冷えを感じる手足や腹部だけでなく、肝臓の血流量も少なくなっています。
脂肪肝の予防と改善のための運動については、日本肝臓学会の『NASH・NAFLDの診察ガイド』に、具体的な運動の程度や頻度の目安が掲げられています。
それによると、運動の種類としては有酸素運動がすすめられています。
実施する時間は毎日20分間以上、強度としては目標の心拍数が「(200-年齢)×60~70%」とされています。50歳の人で計算すると105~120回となります。ウォーキングの場合だと、スタスタと勢いよく歩く程度の運動量となります。
肝臓に多く蓄積された脂肪を減らすためには、脂肪燃焼効果が高い有酸素運動が有効とされていますが、20分間程度の運動では不足を感じるかもしれません。
脂肪肝の解消には、毎日の運動ができない場合には週3回程度で、1日の運動も数回に分けて行っても効果がある程度期待できると、診療ガイドで紹介されています。
この程度の運動でも効果があるのは、10~15分間の運動をして、ブドウ糖中心から脂肪中心に代謝(燃焼)が切り換わったあとは、歩き終えてからも脂肪がエネルギー源として使われ続けているからです。
筋肉細胞の中で脂肪の多くがエネルギー化されていますが、そのときに働いているのは脂肪分解酵素のリパーゼです。この酵素が脂肪を分解したあと、脂肪が代謝されます。その代謝のために有酸素運動が効果的だというわけです。
リパーゼは運動を終えてから30分間は、徐々に働きを低下させながらも働き続け、脂肪を分解し続けています。10~15分間の運動をすれば、そのあとも脂肪が分解して代謝が進むので、時間は短めであっても運動の回数を増やすことで効果を上げることができるのです。