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「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から健康の保持と欠乏の回避の「窒素出納法の限界と課題」について紹介します。

◎窒素出納法の限界と課題
窒素出納法には様々な限界があり、その結果を活用する場合には注意を要します。

例えば、窒素出納法ではすべての窒素摂取量とすべての窒素排泄量について正確に定量する必要があります。

窒素摂取量は、皿などからこぼしたものや皿に残っているものなど摂取できなかった食物のすべてを集めることは難しいため、摂取量を高く見積られる可能性が高くなっています。

身体からの窒素排泄量は主に尿と糞便ですが、これ以外にも皮膚、汗、落屑、毛髪、爪など様々な体分泌物による損失もあります。

そのために、総排泄量は高く見積られるよりも低く見積られる可能性が高くなっています。その結果、たんぱく質摂取量を高く見積り、たんぱく質排泄量を低く見積もるので、窒素出納が正に誤って算出されやすくなります。

したがって、窒素出納法では、たんぱく質またはアミノ酸必要量は低く見積られる傾向となります。

また、以前のたんぱく質必要量に関する実験では、エネルギー出納が正の条件で行われる傾向があり、たんぱく質必要量が低く見積られた研究があったのではないかと推測されます。これらは、系統的に必要量を過小に見積もる方向に働くために注意を要します。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、各論のエネルギー・栄養素について説明しています。その中から健康の保持と欠乏の回避の「窒素出納法によるたんぱく質維持必要量」(特に性差・年齢差)について紹介します。

◎窒素出納法によるたんぱく質維持必要量
たんぱく質の必要量は、窒素出納法を用いて研究が進められてきました。各国の食事摂取基準は、窒素出納法によって得られたたんぱく質維持必要量を用いて、たんぱく質の必要量を算定しています。

具体的には、これらの測定結果に基づき、アメリカ・カナダの食事摂取基準では19歳以上のすべての年齢区分において男女ともにたんぱく質維持必要量(平均値)を0.66g/kg 体重/日としており、2007年に発表されたFAO/WHO/UMU(国際連合食糧農業機関・世界保健機関・国際連合大学)によるたんぱく質必要量に関する報告でも同じ値を全年齢におけるたんぱく質維持必要量としています。

15〜84歳を対象として行われたメタ・アナリシス(28研究、合計対象者数348人)は、維持必要量は0.66(平均、95%信頼区間は0.64〜0.68)g/kg 体重/日であったと報告されています。

このサブ解析では、性差、年齢差〔若年・中年(60歳未満)と高齢者(60歳以上)の間〕はともに認められていません。

小児を対象とした10の研究では、維持必要量を0.67g/kg 体重/日(平均)と報告しており、前述の成人の値とほぼ同じでした。

ただし、これには成長に伴う体たんぱく質の増加分は含まれていません。

なお、窒素出納法を用いて高齢者を対象としたたんぱく質の維持必要量を測定した研究の中には、0.83g/kg 体重/日、0.91g/kg 体重/日といった高い値を報告した研究もありますが、この理由については、まだ十分には明らかになっていません。

なお、窒素出納法の実験は、すべて良質なたんぱく質を用いて行われています。したがって、この値を、そのまま食事摂取基準の推定平均必要量とすることはできません。そこで、ここでは窒素出納法を用いた研究で得られた数値をたんぱく質維持必要量と呼ぶこととしています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

栄養の消化、吸収は健康づくりの原点です。そのため、健康づくりは食べ物を噛むことから始まると考えられています。

日本メディカルダイエット支援機構の活動は、胃での消化から始まって、腸での吸収、栄養素が血液中に入ってからの循環、全身の細胞での代謝、そして不要になったものの排泄までが対象でした。

そこで、噛むことから始まる健康づくりへの範囲を広げるときに、歯と口腔の健康に携わる歯科との連携を考えました。日本メディカルダイエット支援機構のスタート時点では、日本臨床栄養学会の研究者と連携していたことから、日本咀嚼学会との交流もあり、咀嚼の重要性も認識していました。

口に入れてから排泄するまでの一連の流れでの研究と指導ができるようになったら、すべてが解決できるのかというと、まだまだ研究しなければならないことがあります。それは食べる前のことで、食べたくても食べられないことがあります。

それには経済的な問題や疾患なども含まれるのですが、私たちが特に着目しているのは発達障害です。発達障害の特性の一つに極端な偏食があり、五感(味覚、嗅覚、視覚、聴覚、触覚)の過敏によって、食べにくい、食べられないということが起こっています。

発達障害は医療分野では精神科医が担当していますが、その治療だけで食の困難さが解決できるわけではありません。身体科医の関わりも重要で、それをつなぐことになる歯科医が求められることもあります。

発達障害児の支援ではリエゾンという言葉が登場します。リエゾン(Liaison)は連携、調整、つなぐ、橋渡しといった意味で、発達障害児の支援には、数多くの専門家の協力・連携が重要となります。

その連携(リエゾン)は、食べることから始まる健康づくりの基本であり、発達障害の改善には食べることの困難さへのアプローチが重要になってくるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

「生サーモンの日」モウイジャパン(東京都中央区)が、生(7)サーモン(30)の語呂合わせで制定。

「梅干の日」東農園(和歌山県みなべ町)が、梅干しが古くから難が去ると言われたことからナン(7)ガサル(30)の語呂合わせで制定。

毎月30日:「EPAの日」(日本水産)、「サワーの日」(宝酒造)、「みその日」(全国味噌工業協同組合連合会)

岡山には、移住の準備を除いて15回と、全国各地の訪問回数の中でも最も多くなっています。取材、学会や研究会、講演や講習、観光などですが、その初めの訪問は古墳巡りで、1985年のことでした。

古墳が多い地域というと近畿(兵庫県、京都府、大阪府)がイメージされることが多いのですが、岡山県には約1万1900基の古墳があって、全国で5番目に多くなっています。代表的な古墳といえば前方後円墳ですが、岡山には約130基が確認されています。

その多くは吉備地域にあり、大小20基以上が集まっています。

全国の前方後円墳の中で4番目に大きい(全長約350m、高さ約30m)造山古墳(岡山市北区新庄下)は、自由に立ち入って墳丘に昇ることができる古墳としては最大の大きさです。この状態を指して、「国内有数の古墳王国」と呼ばれることもあります。

岡山県内の古墳を巡った後には、岡山と倉敷の市街地を通ったときに、あまりに真っ平らな土地で、「まるで埋立地のようだ」と感じました。

岡山の方々と交流する中で聞いた、これは何かと疑問が湧いてきた言葉が、お題の「吉備の穴海」です。今はネット検索によって簡単に地図で比較できるので、説明がいらないような状態ですが、当時は国立図書館で調べて、やっとわかりました。

真っ平らと感じた岡山平野の耕地地域の約2万5000ha(ヘクタール)のうち約2万haが干拓地で、ここが吉備の穴海だったところです。穴と表現されるのは南側に児島という名の瀬戸内海の島(小豆島より少し大きいくらい)があって、その間が浅瀬の海になっていたからです。

ここが初めに埋め立てられた(1584年)のは今の早島町で、堤防を作って開墾する宇喜多堤が作られました。この名は開墾を進めた岡山城主の宇喜多秀家にちなんでいます。

備中松山藩による今の倉敷市の一部の開拓から始まり、大規模な干拓が進められたのは岡山城を継いだ池田忠継(初代岡山藩主)の時代です。池田忠継は池田輝政(姫路城主)の次男で、姫路(52万石)から岡山(28万石)へ移ったことから、それまでの家臣のための土地が必要になりました。

これが石高増強策としての大規模な新田開発が始まりで、吉備の穴海に流れ込んでいる岡山三大河川(高梁川、旭川、吉井川)の大量の土砂が、それを可能にしました。

埋め立てられた地域は、東は西大寺付近(岡山市東区)の吉井川から西は倉敷市の近くを流れる高梁川まで、北は山陽自動車道から南は児島半島の北の山裾までの、東西50km、南北20kmという琵琶湖に匹敵するような広範囲です。

この地域には島とつく地名が多いのは、実際に島だったところの名残です。

吉備の穴海の地図と古墳の位置を見比べてみると、昔の海岸近くか島であったところが多くて、真っ平らな地域には古墳はみられません。これを見ても埋立地だということは納得ができます。

これだけ広い平らな環境は、ウォーキングにもってこいで、これを活かしたいと移住後の8年間ずっと考えていたのですが、やっと実現できそうな条件が整ってきました。その初めの活動として計画しているのは健康と防災を組み合わせたウォーキングです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

神経の働きは、全身に張り巡らされている神経細胞の中を神経伝達物質が通化することで盛んになっています。神経細胞は場所によって長さが数mmから1cmが通常です。最も長いのは大脳から脊髄まで伸びている神経細胞で、50cmほどの長さがあります。

神経細胞の端にはシナプスという神経伝達物質を受け渡しする部分があり、シナプスは少し離れています。この離れた間を神経伝達物質が放出されて、もう一方のシナプスが受け取って、そこから先に情報を伝えていきます。

神経伝達物質の役割を果たしているのはカルシウムとアセチルコリンです。カルシウムは一般には骨や歯を構成するミネラルと認識されていますが、神経伝達には欠かせない成分です。骨の中に蓄積されていて、血液中で不足すると骨の中からカルシウムが溶け出て、これが神経細胞にも補われます。

そのために神経伝達物質として不足することはないのですが、食事からの不足状態が長く続くと、骨の中の蓄積量が減って、神経伝達にも影響が出るようになります。

カルシウムの摂取量は、厚生労働省の国民健康・栄養調査の結果によると、多くの年齢で必要量に対して30%以上も不足しています。

カルシウムは牛乳・乳製品、魚介類、大豆製品、野菜(小松菜、ほうれん草、モロヘイヤなど)に多く含まれています。乳製品が苦手な子どもも多く、肉は食べられても魚は食べられない、緑黄色野菜が食べられないという子どもも少なくはないので、どうしても不足しがちです。

もう一つの重要な神経伝達物質のアセチルコリンはホスファチジルコリンから作られるものですが、これは細胞膜の構成成分で、レシチンとも呼ばれています。レシチンは大豆や卵黄に多く含まれていますが、含有量は圧倒的に卵黄のほうが多くなっています。

しかし、大豆にはアミノ酸のチロシンが含まれていて、これはノルアドレナリンやドーパミンといった神経細胞を活性化させる働きがあります。

これにもう一つ加えるべき栄養素としてDHA(ドコサヘキサエン酸)があげられます。DHAは青背魚(サバ、イワシなど)に多く含まれている不飽和脂肪酸で、神経細胞のシナプスの働きを高め、アセチルコリンを活性化させることが確認されています。

「おさかな天国」という魚売り場で流されていた歌の“頭がよくなる”というのは、DHAの機能を指していたのです。
〔セカンドステージ連盟 理事長:小林正人〕

全身には60兆個以上の細胞があるとされています。この説は長らく続いてきたのですが、今では37兆個以上という説が有力になりつつあります。実際の数は、どうであっても細胞でエネルギーが作り出されるメカニズムに変わりはありません。

細胞はエネルギー源を取り入れて、エネルギー代謝を行って、生命維持のためのエネルギーを作り出しています。

細胞の中で作り出されたエネルギーは、その細胞の中だけで使われます。そのエネルギーが、電気のように他の細胞に流れていって使われることはありません。

神経伝達は一つの神経細胞から隣の神経細胞に伝わって、全身に情報が伝達されています。この場合もエネルギーが電気のように流れているのではなくて、神経細胞の端から神経伝達物質が出て、これを次の神経細胞が受け取って情報を伝えています。

エネルギー源は糖質、脂質、たんぱく質ですが、たんぱく質は身体を構成する重要な成分であるので、エネルギー源として使われないほうがよいわけです。

糖質と脂質は細胞の中のエネルギー産生の小器官であるミトコンドリアに取り込まれて、この中にあるTCA回路でエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が作られています。

糖質はブドウ糖に分解されたあとミトコンドリアに入ってアセチルCoAという高エネルギー化合物に変化しますが、そのときにはビタミンB₁、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸が必要になります。

脂質から脂肪酸に分解されるときにはビオチンが必要になり、脂肪酸からアセチルCoAに変化するときにはビタミンB₂、ナイアシン、パントテン酸が必要になります。このように水溶性のビタミンB群が充分にあることで、代謝の前段階が整えられるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

有酸素運動には体脂肪をエネルギー化して減らす効果があり、無酸素運動には筋肉を強化する効果があります。ともに健康づくりには大切なことですが、この2種類の運動を交互に繰り返すことによってエネルギー代謝を高め、より効果的に体脂肪を減らす効果を得ることができます。

その方法としてよく知られているのはサーキットトレーニングです。これはマシントレーニングによる無酸素運動を30秒間、エクササイズによる有酸素運動を30秒間、繰り返していくものですが、無酸素運動では血流が盛んになって筋肉に多くの酸素が送り込まれ、この酸素を使って有酸素運動の効果を高めていくという効果があります。

30秒間で切り替えるのは、無酸素運動によって筋肉の働きを低下させる疲労物質とされる乳酸が30秒を過ぎると増えていくからです。しかし、乳酸は有酸素運動によって分解されてエネルギー化することができるので、30秒間にこだわることはありません。

サーキットトレーニングは施設や設備が必要になりますが、外を歩くだけで有酸素運動と無酸素運動を繰り返して、同様の効果を得る方法があります。それはインターバルウォーキングです。これは普通歩行と速歩(なんとか会話をしながら歩くことができる速度)を繰り返すもので、脂肪代謝を高めることができます。

インターバルウォーキングは外出しないとできないわけですが、室内でも簡単にインターバルトレーニングを行うことができます。

その一つがバランスボールを用いた方法です。バランスボールのバウンド運動は有酸素運動、ボールを手や脚で押しつぶす運動は、ゆっくりと強く押すことで無酸素運動となります。

ノルディック・ウォーキングに用いられるポールを使ったストレッチは安定して、大きく身体を動かす有酸素運動のストレッチが実施できます。このストレッチにバランスボールによるバウンド運動を交互に実施することで、無酸素運動と有酸素運動の組み合わせ効果が得られます。

マシントレーニングに比べると負荷が弱いように感じるかもしれませんが、一般的なサーキットトレーニングのマシンは負荷が低く、それも30秒間だけなので筋肉の負荷はそれほど高いものではありません。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕

「福神漬の日」新進(東京都千代田区)が、七(7)福(29)の語呂合わせで制定。

「七福神の日」幸煎餅(群馬県前橋市)が、七福神せんべいの普及のために七(7)福(29)の語呂合わせで制定。

「白だしの日」七福醸造(愛知県安城市)が、白だしの普及のためにヒチ(7)フク(29)の語呂合わせで制定。

毎月29日:「ふくの日」(日本アクセス)、「クレープの日」(モンテール)、「Piknikの日」(森永乳業)、「肉の日」(都道府県食肉消費者対策協議会)

1984年に、これまでの古代史の常識を覆すような大発見がありました。その前年に発見された島根県斐川町神庭の「荒神谷遺跡」から銅剣358本が発掘されました。それまで全国で発見されていた銅剣の数よりも多く、しかも一か所から発見されたということで、歴史ファン、古代史マニアでなくとも強い関心を示すような出来事でした。

その翌年の1985年には銅剣発掘場所から、ほんの10歩のところから銅鐸6個、銅矛16本も発見されました。

今でこそ荒神谷史跡公園が整備され、荒神谷博物館で当時の発見・発掘についてと誰もが知って、楽しめる場となっていますが、私が初めて訪れた1985年の秋には、工事現場のような状態でした。

それでも今のうちに行く価値があると考える多くのマニアがいて、私は文化財保存全国協議会のメンバーとして出雲に出向きました。当時は、出雲市に合併(2011年)する前の斐川町のときで、発掘の初期メンバーから直接、話を聞くことができました。

荒神谷遺跡の所在地は斐川町神庭西谷で、今では「神庭荒神谷」と呼ばれるのですが、なぜ西谷が荒神谷(こうじんだに)になったのか、それは訪問前から抱いていた“素朴な疑問”でした。

現在のパンフレットなどには、「谷の南側に三宝荒神が祀られていたことから」という由来が記載されていますが、それは私たちが現地で初めて聞いたこととは違っています。

職員が発見したときに場所の名を確認しておこうとして、近くで農作業をしていたおじいさんに聞いたときに、「荒神谷」と答えたことから、発掘の届出書類に「荒神谷」と記載して提出されました。

掘り起こされた遺物の内容と、地名のイメージが合致していると大喜びして、大事なことを忘れてしまったのか、届出が受理されて、本格的に調査を始めるときに詳細な地図で確認したところ、間違い(というか真実)が明らかになりました。

正しくは「西谷」でしたが、すでに報道などを通じて「荒神谷」の名が広まっていたことから、特に修正することなく今まで来たということです。正しい地名でなければならないのか、通称でもよいのはないかという話に続いて、「そのうち荒神谷が地名になるかもしれない」ということも言われていましたが、それは今の段階では変化は見られていません。

そのときの話を鮮明に心の中に刻んでいるのは、当時の文化財保存全国協議会のメンバーの一人として、各地の遺跡を回りながら、現実に合わせて遺跡を変えていくことが横行している現実を目にしたからです。

雰囲気に流されずに、“そのまま”の状態で残すものは残すということを伝える活動をしたかったのですが、バブル景気の真っ只中の時期であったので、思ってもみないことが続きました。

古墳の下にトンネルを通した、古墳の上側だけを他のところに移した、宅地開発のために全国トップ10に入る方墳が完全になくなって平らになったということがあり、見ておくなら今しかないということで、各地を回ることはバブル崩壊まで続きました。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕