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糖尿病の基礎知識12 血糖改善の食事のポイント2
3)ビタミンとミネラルの充分な摂取 ビタミンとミネラルはエネルギー代謝を促進して血糖値を下げる役目をすると同時に、血管の再生を進めるためにも大切なものです。ブドウ糖の代謝に特に必要なのはビタミンB₁で、これは豚肉、うなぎ、魚介類、豆類、そばなどに豊富に含まれています。 ビタミン、ミネラルを充分に摂るためには緑黄色野菜をはじめとした多くの食品を摂るようにして、肉類、乳製品、海藻も欠かさないよ
糖尿病の基礎知識11 血糖改善の食事のポイント1
1)適切なエネルギーの摂取 血糖値はブドウ糖の増加によって高まっていくため、食事の改善ではブドウ糖が含まれた糖質を減らせばよいように感じるかもしれません。しかし、血糖値を下げるには糖質を減らすだけでなく、適正なエネルギー量を確保するとともに、三大エネルギー源のバランス(エネルギー比率)が基本となります。 血糖値を下げるためには、代謝を高めることが大切であり、体を正常に働かせるためにエネルギ
糖尿病の基礎知識10 糖尿病で高血圧になる理由
糖尿病によって高血圧になる理由として、以下のことがあげられています。 ①循環血液量が増える 血糖値が高い状態では体内の細胞の浸透圧が高くなり、水分が細胞内から細胞外に出てきたり、腎臓から吸収される水分の量が増えるようになります。その結果、血管の中を循環する血液の量が増えて、血管を圧迫して、血圧が上昇します。 ②インスリン抵抗性がある 糖尿病の人はインスリン抵抗性があります。インスリ
糖尿病の基礎知識9 糖尿病と高血圧の関係
糖尿病の合併症は血管が傷むことによって起こりやすいだけに、血管にダメージを与える他の要因が加わることによって、合併症が起こりやすくなることが指摘されています。 最も合併症に影響を与えているのは血圧です。糖尿病によって血管の弾力性が低下してくると、血流を確保するために心臓の圧力が高まり、高血圧になりやすくなります。このことが動脈硬化の危険性を高めています。 国民健康・栄養調査(2023年
糖尿病の基礎知識8 その他の合併症
三大合併症は比較的早く発症するものですが、血管のダメージは全身に影響を与えます。その代表的なものは動脈硬化と免疫低下です。 ◎動脈硬化 高血糖状態が長く続くと、大きな血管が傷む動脈硬化へと進み、心臓疾患や脳血管疾患の障害の危険性も高まります。糖尿病患者は一般の人に比べて2倍以上も動脈硬化になりやすい傾向があります。 そのため、糖尿病では、血糖値を下げると同時に、抗酸化成分を摂ることも
糖尿病の基礎知識7 三大合併症
糖尿病の合併症の中でも発症数が多い腎症、網膜症、神経障害は三大合併症と呼ばれています。 ◎腎症 慢性腎不全によって人工透析を始める人は年間30万人を超えていますが、そのうち約44%は糖尿病性腎症が原因で、もともと腎臓に原因があった人の割合を上回っています。 糖尿病性腎症で人工透析を始めた人の寿命は、それ以外の腎機能障害が進行して人工透析を始めた人よりも、年齢によって違いはあるものの5
糖尿病の基礎知識6 合併症の特徴
「糖尿病で死ぬことはない」とは、検査を受けて高血糖を指摘された人が、よく口にする言葉です。こういった感覚が、糖尿病の受診を遅らせる原因となっています。 糖尿病になったからといって、それだけで亡くなることはないものの、年間の死亡原因を見ると、糖尿病は以前は第10位前後でした。今では順位は下回っていますが、それでも年間に約1万6000人が亡くなり、数としては増えています。 その多くは合併症
糖尿病の基礎知識5 糖尿病の種類
糖尿病は、1型糖尿病と2型糖尿病に大きく分けられます。 1型糖尿病は、膵臓でインスリンを合成するランゲルハンス島のβ細胞が破壊され、インスリンの分泌が大きく減るタイプで、インスリンを外から与える治療が不可欠となっています。 破壊の原因としては、遺伝のほかにウイルス感染や、本来は自分の体を守るための免疫細胞のリンパ球が誤って膵臓を攻撃する自己免疫が考えられています。 1型糖尿病は子
糖尿病の基礎知識4 糖尿病の判定基準
糖尿病の血糖値による判定基準は、日本糖尿病学会によって定められています。それによると、以下の、いずれかを満たしているものが糖尿病と判定されます。 「空腹時血糖値:126mg/dl以上、食後2時間血糖値:200mg/dl以上」 正常値と糖尿病域の間が境界域で、空腹時が110~126mg/dl未満、食後2時間血糖値が140~200mg/dl未満となっています。 血糖値は血液中のブドウ
糖尿病の基礎知識3 糖尿病と尿糖の関係
糖尿病は膵臓から分泌されるホルモンであるインスリンの不足や、インスリンが分泌されているにも関わらずインスリンの作用が低下しているために血糖値が上昇して起こる病気です。後者の状態はインスリン抵抗性と呼ばれています。 インスリンには、血液中のブドウ糖を筋肉細胞など全身の細胞に取り込んで、エネルギー源として利用する働きがあります。 ところが、インスリンの分泌量の不足や細胞がブドウ糖を取り込む