健康食品は、あくまで食品であって、ある程度の効能効果(機能性)を表示できる特定保健用食品(トクホ)でも機能性表示食品でも、病名をあげて改善するということを表示することも口で伝えることも禁止されています。というのは、医薬品でないものが、医薬品と同じことを述べるのは法律(医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)で禁止されているからです。
長い名前なので、医薬品医療機器法や薬機法と略して呼ばれていますが、この法律では医薬品が定義されています。その中で注目すべきことは、「人または動物の疾病の診断、治療または予防に使用されることが目的とされている物」「人または動物の身体の構造または機能に影響を及ぼすことが目的とされている物」という部分です。
実際に効果があるかどうかは別として、診断と治療に使われることが目的とされているものばかりか、予防の目的で使われるものも医薬品の役割です。それ以外の食品は、たとえ予防効果があったとしても「予防」をうたって販売することは禁止されています。
“がんの予防”などと病名を出すのは明らかにいけないことですが、このままの生活では“がんの危険性”がありますよ、と暗示的に書くことも法律違反です。健康食品の表示などを規制する「無承認無許可医薬品監視指導マニュアル」では、具体的にチラシやネットに書くだけでなくて、口で伝えることも禁止されています。効能効果を一切述べていなくても、それに関する記事や書籍の一部を引用することも、商品や販売会社がわかる状態では法律違反となります。
効能効果を述べてもよいのは販売と関わらない人の、憲法で認められている表現の自由の範囲だけです。販売をしているのは会社で、話をしているのは個人ということも認められません。純粋な講演会であっても、会場内にチラシや商品が置いてあったら、これも違反となります。
要は、どんな手段を使っても、医薬品と同じこと、同じように感じさせることを表現したら、法律違反となり、承認も許可もされていない偽薬と判断されて、医薬品などを取り締まる厳しい法律で処分されるという制度となっているのです。
メディカルダイエットの中級講習ではダイエットサプリメントの有効性について紹介していますが、それを受ける形で上級講習では健康食品の取り締まりについての法律についても詳しく説明しています。それもあって、健康食品に関わる人は、上級講習で指摘されたくないといって、中級でやめにする人がいるのも事実です。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)