悪玉コレステロールと呼ばれるLDLが増えすぎると、動脈硬化のリスクが高まります。それに結びつくのはLDLコレステロール値が140mg/dl以上となったときで、この状態になると高LDLコレステロール血症と診断されます。
体内のコレステロール量が増えると、これを全身に運ぶためのLDLが増えていきます。その増え方を測定するのがLDLコレステロール値です。コレステロールは肝臓で合成されるときに材料としているのは糖質、脂質、たんぱく質です。この三大エネルギー源の取りすぎは肝臓でのコレステロール合成を増やします。
この他に高LDLコレステロール血症の危険因子とされているのは、年齢、肥満による高血圧や糖尿病、喫煙習慣、飲酒習慣です。アルコールは肝臓での脂肪合成を促進しますが、コレステロールの合成も進めてしまいます。しかし、適度な飲酒はHDLを増やしてくれます。HDLが増えるとLDLが減る傾向があります。HDLが増えると動脈硬化のリスクが低下するので、善玉コレステロールと呼ばれているわけです。
お酒を飲めない人はどうしたらいいのか、お酒を飲み始めたら途中で止められなくなってしまう人はどうしたらいいのか、ということですが、そんな人には歩くことを進めています。ウォーキングなどの有酸素運動にはHDLを増やす効果があります。しかも、歩くほどHDLは増えていくので、その分だけLDLが減って、動脈硬化のリスクを低下させられることになります。その歩き方ですが、ダラダラ歩きではなく、スタスタと元気よく歩いたほうがHDLは増えていきます。元気よく、といっても人によって印象は違うかと思いますが、目標としては10分間で1000歩の早歩きです。
栄養成分としてはHDLを低下させるのは不飽和脂肪酸のDHAとEPAです。DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は体内では合成できない脂肪酸で、青背魚に豊富に含まれています。