新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、ストレスが免疫を低下させることが知られて、ストレスをためないようにすべきことにも注目が集まりました。ストレスを解消するということを言い訳に酒にタバコ、パチンコをあげる人もいます。このご時世にパチンコは論外だとしても、タバコも免疫ということでは低下させるほうに作用します。飲酒は適度な量とされる日本酒換算で1合までで止めておけるなら免疫を高めることができます。といっても酔いが残っている間だけだとされています。
ストレスによって免疫が低下するのはストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾールが多く分泌されるからです。コルチゾールは副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンで、ストレスがかかると10〜20分で2〜3倍にも増加することが知られています。コルチゾールは免疫だけでなく、中枢神経にも代謝にも影響を与えていて、長期間にわたって過剰に分泌されていると脳の記憶に関わる海馬を萎縮させて、認知機能にも影響するようになります。
ここまで読むとコルチゾールは悪玉という印象が抱かれるのですが、ストレスがかかることによって脂肪細胞の中に蓄積された中性脂肪が分解されて、血液中に放出され、体脂肪を減らしてダイエットにつながります。就寝中はエネルギーを使っていないわけではなくて、寝たきり状態でも使われる基礎代謝は70%ほどを占めています。就寝中はほとんど身体を動かしていないのにエネルギーは必要ということで、身体を動かさずに中性脂肪を分解する必要性があります。その仕組みを支えているのがコルチゾールの存在です。
就寝中のコルチゾール分泌が盛んになるのは深夜の2〜4時の間で、この間に分泌されたコルチゾールが血液中で濃くなるのは早朝になります。早起きしすぎるのではなくて、適度な時間まで眠っていると、無理することなく体脂肪が減って、起きてから、これを使って効果的にエネルギーが作られることになります。睡眠時間が長くなると体脂肪は減りにくくなり、逆に短くなっても体脂肪が減りにくくなります。その理由として、コルチゾールの存在があげられているのです。
コルチゾールの分泌を盛んにするためには、分泌量が多い時間帯に熟睡していることが必要で、できるだけ早めに就寝したほうがよいことになります。ただし、就寝前に飲酒をしすぎると、就寝中に自律神経の交感神経の働きが盛んになって、眠りが浅くなるので、あまり遅い時間まで飲まないようにすることです。