発達障害がある人の中には、他人と一緒に食べられないということもみられます。
食事をすることはコミュニケーションにも大切で、一緒に食べることによって、よい交流をしていこうという思いを抱く人がいる一方で、食べるところを見られるのは恥ずかしいこと、そんな姿は見せたくないという感覚の人もいます。
発達障害があると、食べることに困難さがあり、そんな困難な状態を克服しようと頑張っている姿、苦労している姿を見られたくないという人も少なくありません。
それは食べ方が優雅でない、食べる姿勢が乱れているということだけではありません。上品に食べることを求められる席に、食べ方の作法が身についていない人が参加することになったときのことを考えると、ある程度は理解できるかもしれません。
ガツガツと犬食いのような姿勢で食べる子どもが、その姿を見せたくないということもあれば、中には自分の食べ方が問題だとは思ってはいなくて、それを周囲から指摘されると理由がわからず、そのような場面で食べることに抵抗感があるということもあります。
そのようなことに加えて、発達障害では感覚過敏の問題もあって、視覚過敏で周囲の色彩や環境が強い刺激になって、そのようなところで食べたくないということが起こります。
味覚過敏で、食べられないものがあったときに、ただ残す、食べないということだけでなく、吐き出すということもあります。
嗅覚過敏で周りの人が食べている料理の匂いが、苦しさを感じさせる“臭い”と感じて、自分が食べているものに集中できないということがあります。
聴覚過敏によって、周囲の食べる音、食器の音などが気になって、落ち着いて食べられないということもあります。
このような理由によって外食ができないという人もいる、まだ環境に慣れていない子どもの場合には食の困難さから外食ができない、ほかの人と一緒に食べられないということがあることを知って、発達栄養の対応に取り組んでほしいのです。