腸管刺激に関わる健康食品とメディカルダイエット

便通を改善するためには、腸内細菌のバランスを整えることと同時に、腸壁を刺激して腸の蠕動活動を盛んにすることも大切になります。その働きをする成分はカルシウムとマグネシウムです。カルシウムとマグネシウムというと骨を強化する成分として知られていますが、吸収度は低くてカルシウムは30%ほどの吸収率です。マグネシウムの吸収率は30〜50%とされています。吸収されなかったカルシウムとマグネシウムは腸壁を刺激して、便通を改善するために働くということです。
摂取タイミングですが、食事の後に摂ることで、食品とともに腸管を刺激するようになります。ただし、カルシウムのサプリメントの場合には吸収率を高めるタイミングがあります。
カルシウムは骨や歯に必須のミネラルで、体重の約2%を占め、そのうち約99%が骨や歯にあり、約1%が血液や筋肉中にカルシウムイオンとして溶け込んでいます。血液凝固、筋肉収縮、神経系の調整のほか細胞内外のカルシウム濃度の調整によって細胞の機能の調整、ナトリウム排泄による血圧調整をする作用があるほか、腸壁を刺激して蠕動運動を盛んにし、便通を促進する作用があります。カルシウムの吸収率は約30%とされているものの、吸収率を高める方法があります。それは空腹時にも摂ることです。カルシウムは胃の中でイオン化してから吸収されるので、食後に摂るとイオン化が低下しているので吸収率が高まりにくくなっています。そこでサプリメントの場合には、胃の中に食べ物がない空腹時、つまり起床直後が就寝前に摂るようにします。
マグネシウムは多量元素のミネラルで、体内では60~65%は骨に含まれ、残りは肝臓、筋肉、血液などのタンパク質と結合して存在しています。300種類以上の酵素に作用する補酵素であり、筋肉の収縮、神経の興奮抑制、血管拡張による血圧降下などの作用があります。にがりの主成分であり、腸壁を刺激して便通が促進されますが、過剰に摂ると下痢になる危険性もあります。
ヨーロッパに旅行をすると水道水を飲むことが注意されます。これは水道水に含まれるカルシウムとマグネシウムが多い硬水であるために腸壁が刺激されすぎて、下痢を起こすからです。それくらいカルシウムとマグネシウムは便通に効果があるということです。