健康を維持するための方法は、情報が溢れかえっている時代には、「何を信じたらいいのかわからない」と口にされることがあるのは当たり前のようにもなっています。
健康関連のセミナーに参加していると(講師、運営者、聴衆を問わず)、何を信じてよいのかがわからなくて、とにかく情報集めに奔走している人が多いことがわかって、「まだ、こんな状態が続いているのか!」と感じてしまうことばかりです。
情報を数多く集めていけば、その中には重要な情報があり、自分の健康の維持・増進に役立つ情報も含まれていることは普通に考えられることです。情報収集は、何をするにも基本となることです。それは間違いないことではあっても、情報を集めただけでは健康を実感するのは難しいことです。
それが通じるのなら、健康関連の情報を収集するだけ収集して、その中から世間(研究者から生活者まで)が求めている情報を選択して、発信し続けてきた私は“健康そのもの”であってもよいはずです。
それが違っているのは、私の姿形、行動などを見ることもなく、明らかなことです。
お題の「健康は総論だけでは成り立たない」は、多くの人を対象に話をしたり、情報発信をしているときに常に頭から離れない言葉(フレーズ)です。
メディア(機関誌、情報誌、テレビ番組など)を通じて健康情報を発信していたときには、どうしても“総論的な情報”になりがちです。できるだけ多くの視聴者・読者に通じる内容として、特別に注意をしなければならない人に対しては注意喚起を一言だけ添えるというのは伝統的に行われてきたことです。
“一言だけ”と書いたのは、注意喚起が必要な人でも、情報の内容によっては対象者が多くなりすぎることがあるので、「注意はしていますよ」という姿勢を示しておくということしかメディアにはできないのが、その理由です。
総論を伝えることは、伝えないよりもよいことであるとしても、そのことで、かえって間違いをさせることにもなりかねません。
総論だけでよいのか、総論が自分に合っているのか、ということを考える機会を同時に設けることが大切との思いから、健康リテラシーを向上させることの重要性を伝えることを始めたのです。
〔小林正人〕






